夏休みが始まりましたね。
間もなく夏期講習が始まる、という塾も多いと思います。
■ 夏休み「あたふた学習」に陥らないために
夏休みは「あたふた学習」に陥りがち、という話を様々なメディアでお話ししています。
ふだんは1週間サイクルで新しいことを習得する、というサイクルで勉強しているのが、夏休みになると毎日のように授業があるため、サイクルがとても短くなってしまうからです。
とにかく次(明日)の授業までに宿題を仕上げる、ということが目的のようになってしまうと「夏休み、がんばった割には身についていない気がする」ということになりがちです。
そこで、そのようにならないために今一度思い出しておきたいのが、いわば「勉強の作法」です。
授業の聞き方、ノートのとり方、家庭学習のしかたといった、基本的な日々の勉強のしかたについて、しっかり確認しておきたいのです。
たとえば、話を聞くときには「わかりにくいかな」と感じてもとにかく最後まで聞く。
ノートをとり始めるときには、日付けと項目名(単元名)をはじめに書く。
それぞれの行の書き出しは、きちんと左に揃える。
こういったことを、実は塾ではあまり教えてくれない場合があります。
大量に勉強することになる、塾の夏期講習。
大量演習を少しでも身のあるものにするには、基本的な勉強の「型」を身につけていることが必須です。
とくに5年生までのお子さんの場合、このようなことを夏期講習開始時に見直してみてあげてください。
■ 6年生は「授業スタイル」が変わる夏
一方、6年生にとって大切なことは「夏からは塾の授業のスタイルが変わる」ということです。
多くの塾で、6年生の夏休みまでには、習うべきことを一通り習ってしまっている状態になります。
つまり夏休みからは「教えてもらう」という授業から「演習して自分に足りないものを見つける」という授業スタイルに変わっていくのです。
「演習型授業」と呼ばれるスタイルです。
9月から始まる志望校別の特訓講座では、完全にこの「演習型授業」となりますが、夏はその前哨戦とも言えるわけです。
もちろん学習量、宿題の量も多くなります。
以前のコラムでも書きましたが、家庭学習に使える時間にも限りがありますから、塾で演習した問題は塾で完全理解するということを心がけましょう。
過去問の演習が始まる塾もあります。
第一志望校ではなく、もう少し偏差値レベルの低い学校や、問題難易度の低い学校を指定される場合も多いですね。
過去問の演習は「実践力」を鍛える勉強ですから「制限時間内で1点でも多く点を取る」ということを意識して取り組んでみましょう。
もちろん、テスト直しから学べることも多くあります。
間違った問題だけでなく、正解した問題でも「ちゃんと理解して正解できたか」を自分なりにチェックしたいですね。
長いようで短い夏休み。
「手応えがある夏だった」
と思えるよう、準備と心構えの上で臨みましょう。