月: 2016年11月

テアトルアカデミーにてセミナーを行いました

11月21日(月)、総合芸能学院「テアトルアカデミー」様にてセミナー講師を務めさせていただきました。対象は3年生までのお子さんのお父さん、お母さん、ともに講師として登壇されたのは、「中学受験情報局」で主任相談員としてご一緒している辻義夫先生です。

子役のお母さん、お父さんたちの中には中学受験を意識している方も多く、対象はお子さんが低学年の方だったのですが、みなさんとても熱心にお話を聞いてくださいました。

辻先生の軽妙なトークで会場が笑いに包まれるシーンもあり、とても和やかな会になりました。

今回、低学年のお子さんのお父さん、お母さんたちの話を聞いて改めて思ったのは、私たちがふだんあちこちでお伝えしている「低学年のうちは塾通いよりも基礎学習を」といったことも、少し意外なこととして受け取られたことでした。

我が子に中学受験をさせようと考えた場合、少しでも早く「受験勉強」を初めて「先取り」するのが有利と考えてしまいがちですが、先取りできることとそうでないことがあり、意外に先取りできることは少ないのです。

計算や漢字など、反復練習によって上達していくことは先取りできるのですが、受験の合否を左右する思考力や判断力、整理力などは、年令とともに発達していくところがあり、小さい頃に高度な内容のことを習っても、腑に落ちないのです。

小学校低学年の子どもに速さや割合、つるかめ算などの文章題を教える塾があります。こういった単元は、程度の年令にならないと「ピンとこない」部分があるのです。でもやり方、計算のしかたを覚えてしまえば答えは出るし、次の週のテストでいい点も取れ、塾のクラスも上がります。そして、大好きなお母さんだって喜んでくれる。

だから、つるかめ算は「かけて、ひいて、わる。」と覚えるようになってしまう。

これが低学年の学習でもっとも陥ってはいけない状態です。

1つ1つ理解、納得し、「ああ、なるほどな」と思いながら学習をすすめる習慣を低学年のうちにつけ、高学年ではそれを速く、ふだんの学習の中で繰り返せるようになっておかなければならないのに、いわばそのまったく逆のことを行っているわけです。

こんな注意点をお父さん、お母さんがちょっと知っているだけで、お子さんの数年後は大きく変わります。

お子さんがまだ低学年なら、「どうして?」に気長に付き合ってあげると、数年後大きく伸びるはずです。

4年生で算数が苦手なのはなぜ?

小4の女の子のお母さんから相談がありました。

4年になって文章題でまったく点が取れなくなったとのこと。

計算はよくできるのですが、筋道をたてて論理的に考えることが苦手だそうです。

また、図をまっすぐ書くのも苦手ということです。

 

習い事に忙しく、塾の勉強は親御さんが側について教えています。

4年生の段階では、問題はまだ易しくて親でもなんとか教えられるから、家庭教師の先生に頼むのは5年生か6年生のいよいよ困る時期になってからにしようとお考えのご家庭がとても多いのですね。

 

それが間違いだというわけではないのですが、4年生という学年は、5年生、6年生とは違ったとても重要な役割を持った学年だということは、知っておいてほしいと思います。

 

どういうことかというと、4年生から始まる中学受験の3年間カリキュラムの中で、4年生の一年間は学習のやり方、学び方、塾との付き合い方を身につけていく学年なのです。

問題がそれほど難しくなく、量も限られているのは、「学び方を学ぶ」余裕を作るためです。

 

今回は、そのことをご存知でない様子だったので、この学年の残り2ヶ月を大切に過ごしてくださいねとお願いしました。

 

図がまっすぐに書けないという心配についても、時間をとって話しました。

算数科の講師が集まるとよく話題になるのですが、線がまっすぐに書けない子どもが最近ほんとうに増えているんです。

ぐにゃぐにゃ描いたり、斜めに傾いていたり。

これには、えんぴつの持ち方が正しくない子が多いことも関係していると私は考えています。

 

かく図の長さのバランスがおかしい場合もあります。

 

これは、五感を大切にした基礎学習ができていないからで、量の感覚を身体感覚として落とし込めていないことが原因なのですね。

 

問題の本質は、「これくらいの大きさは、これくらいの長さに書けばイメージに近くなるはず」という「量の感覚」「量のイメージ」がしっかり身についているかということ。

 

量の感覚が身についていないと、「2に対して3はどれくらいの長さで表せばいいか」が感覚的にわからず、図が形だけ、教えられたからそう書いている、というふうになりがちです。

 

 

こうなると、いくら「図をかいて考えなさい」と教えても、「なぜそのように図示すればわかりやすいのか」が腑に落ちず、図を書くことの恩恵を得ることができみくいのです。

 

お子さんの現状はどうなっているか、改めて見つめなおす機会がとれるといいですね。

 

数年先のお子さんは、どんな生活をしていますか?

定例の名門指導会の研究会にて、こんな話題がある先生から出ました。
いま小3のお子さんです。算数の指導に入っているそうなのですが、ご家庭の希望が以下の様なものとのこと。
この先、どんな道に進んでも大丈夫なように、なるべく頭をよくしてあげたい、
よくわかるご希望ですが、ちょっと漠然としていて、もうちょっと方向性を具体的にしたいですね。
 
いろいろな選択肢や可能性が浮かぶからこそ決められない、低学年のお子さんのご家庭では、ままあることです。
 
これについて、こうアドバイスしてみてはどうでしょうと伝えました。
「お子さんにどんな少年時代を過ごしてほしいか、まずご家庭の方針として考えてみてはどうですか。」
受験校を考えていくうえでも、
「将来どうしたいのか、子どもにどういう生活を渡してあげたいのか」
という問いかけを、お母さん、お父さんが常に考えるのです。
お子さんが言い出して始まった中学受験の勉強であっても、やはりすべてお子さんだけが決められるものではないのが中学受験。
大方針はお父さん、お母さんがリードしてあげなければ決まりません。
中学受験の方針を決めるということは、この先数年間のお子さんの生活を決めるということでもあります。
もちろん、お子さんも高学年になってくれば、ある程度自分でも自分の進路について考えられるようになってきます。
それまで、低学年のうちは、ご家庭の方針として、お子さんのどんなところを伸ばしてあげるかを考える、ということでいいのではないかと思います。
 

ミスが多い子への処方箋はあるか

私が運営する家庭教師「名門指導会」では、定期的に講師が集まり研究会を行っています。
先日の講師研究会では、「ミスが多い子への指導法」を研究議題に選びました。
 
そこで、顕著な例を算数科講師のY先生にあげてもらうと・・・。
 
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(Y先生)
計算ミスや写し間違いが多くて困っています。
小学4年生の男の子ですが、とにかく甘えん坊で、トイレに行くにもお母さんと一緒。
まったく自立できていないところも気になるところです。
第一志望の学校には合格できる力はあるとみているのですが。。。
素直で学力がそこそこあるだけに、そういう小さなミスが残念で、どうしたものでしょうか。
 
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色々と想像が働く事例なのですが、まさにこの回の研究会冒頭で、私から「心・技・体」の話をしていました。
 
この相談にも通じるところがありますので紹介したいと思います。
 
5年生以下の指導には、志望校合格という大きな目標のために心(=マインド)と技(=学力)、そして体(=健康)の視点が大切だといいます。
最上位ランクの学校に受かる子は心がしっかりしていて、行動において自問自答、つまり解答に正確にたどりつけるか、曖昧なところがないか、といった自答の段階で厳しく返答できる。
このレベルで受験校が決まるように感じられるそうです。
 
では、今回の相談にあった、甘えん坊でミスが多いお子さんのケースで、子どもを自立させるために、講師はどのようにご家庭に関わることができるでしょうか。
このことについては、算数科のベテラン、T先生からもアドバイスを頂けましたので併せてご紹介します。
 
まず、できる子の学習に向かう行動パターンをご家庭にお伝えして、子ども自身にひとつずつ行動させなければならない、といいます。
例えば、「4年生終わりで本人にできていてほしいこと」といったことをご家庭と共有し、そのなかで、子どもがやるべきことと、親がやるべきことの役割分担を伝えていけばいいと言います。
 
たくましさや達観視できる目が養われないまま学年が進んで、周りからの強制力でやらされるようになると、こういう子たちは、「やればいいんだろ」という姿勢で、余計にミスが増えます。
形は整っているのにミスがなくならないというのは、生活が実感を伴っていない軽さがある。
子どもをいかに自立させるか、ここを変えていかないと、ミスは減らない。
こういった、学力向上に不可欠な、「技」(=学力)以外の要素についての議論が交わされた、いい勉強会でした

理社の勉強がうまくいっていないなら

■できていない子にはできない理由がある

「できていない子には、その子なりの『できない理由』があります。

その理社がうまくいっていないのなら、その『理由』をつかみたいですね。

塾の宿題の取捨選択が必要なのか。一問に時間がかかりすぎるのか、算数に時間がかかりすぎて、理社の勉強時間が十分に取れていない場合、それは計算のスピードの問題なのか、そもそもやる気の問題なのか。

その子どもの問題ごとに対策を取りつつ、理科と社会のやり方をちゃんと教えてあげる必要があります。

■家庭学習が「まず宿題から」は間違い

時間をかけてやっているのにテストでは点数が取れない。

一般的に、そういう子は毎週の勉強を宿題からやり始める傾向にあります。

でも、それは間違いです。理科・社会の宿題は、その項目についてちゃんと覚えたかどうかの確認テストの意味合いがあるからです。にもかかわらず、覚える時間を取らずに問題を解いて、分からないから解説を確認して書く、

という作業の繰り返しでは、知識が入っていないまま問題ごとに当てずっぽうで当てにいくのと同じ。

それではテストのたびに出来るかどうか、いつも「一か八か」のままです。

受験でイニシアチブを取るには、理科と社会の現状と到達度への目配りが

とても大切です。うまくいっていないときはその原因と、いつまでにどういう状況にしてあげたいのかを常々考えておく必要がありますね。

■「理社は直前の追い込みで」という言葉を信じてはいけない

 現時点での理科社会の到達度について、塾の先生は詳しい目配りもなしに、「理社は直前の追い込みに期待しましょう」と親に伝えがちです。お母さんも、塾の先生が言うならそうなのかなと、何となく先送りにしてしまいます。

しかしそれは、子どもにとっては非常に酷な話で、「できない理由」が解決されていないのに直前になって知識を詰め込もうとしても、思うようにはいきません。

いま勉強の仕方を間違っている子には、いま修正をかけてあげなければ、入試の最後の最後まで苦労が続いてしまうものです。

現状にぜひ目配りをしてあげてください。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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