小4の女の子のお母さんから相談がありました。

4年になって文章題でまったく点が取れなくなったとのこと。

計算はよくできるのですが、筋道をたてて論理的に考えることが苦手だそうです。

また、図をまっすぐ書くのも苦手ということです。

 

習い事に忙しく、塾の勉強は親御さんが側について教えています。

4年生の段階では、問題はまだ易しくて親でもなんとか教えられるから、家庭教師の先生に頼むのは5年生か6年生のいよいよ困る時期になってからにしようとお考えのご家庭がとても多いのですね。

 

それが間違いだというわけではないのですが、4年生という学年は、5年生、6年生とは違ったとても重要な役割を持った学年だということは、知っておいてほしいと思います。

 

どういうことかというと、4年生から始まる中学受験の3年間カリキュラムの中で、4年生の一年間は学習のやり方、学び方、塾との付き合い方を身につけていく学年なのです。

問題がそれほど難しくなく、量も限られているのは、「学び方を学ぶ」余裕を作るためです。

 

今回は、そのことをご存知でない様子だったので、この学年の残り2ヶ月を大切に過ごしてくださいねとお願いしました。

 

図がまっすぐに書けないという心配についても、時間をとって話しました。

算数科の講師が集まるとよく話題になるのですが、線がまっすぐに書けない子どもが最近ほんとうに増えているんです。

ぐにゃぐにゃ描いたり、斜めに傾いていたり。

これには、えんぴつの持ち方が正しくない子が多いことも関係していると私は考えています。

 

かく図の長さのバランスがおかしい場合もあります。

 

これは、五感を大切にした基礎学習ができていないからで、量の感覚を身体感覚として落とし込めていないことが原因なのですね。

 

問題の本質は、「これくらいの大きさは、これくらいの長さに書けばイメージに近くなるはず」という「量の感覚」「量のイメージ」がしっかり身についているかということ。

 

量の感覚が身についていないと、「2に対して3はどれくらいの長さで表せばいいか」が感覚的にわからず、図が形だけ、教えられたからそう書いている、というふうになりがちです。

 

 

こうなると、いくら「図をかいて考えなさい」と教えても、「なぜそのように図示すればわかりやすいのか」が腑に落ちず、図を書くことの恩恵を得ることができみくいのです。

 

お子さんの現状はどうなっているか、改めて見つめなおす機会がとれるといいですね。