私が運営する家庭教師「名門指導会」では、定期的に講師が集まり研究会を行っています。
先日の講師研究会では、「ミスが多い子への指導法」を研究議題に選びました。
 
そこで、顕著な例を算数科講師のY先生にあげてもらうと・・・。
 
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(Y先生)
計算ミスや写し間違いが多くて困っています。
小学4年生の男の子ですが、とにかく甘えん坊で、トイレに行くにもお母さんと一緒。
まったく自立できていないところも気になるところです。
第一志望の学校には合格できる力はあるとみているのですが。。。
素直で学力がそこそこあるだけに、そういう小さなミスが残念で、どうしたものでしょうか。
 
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色々と想像が働く事例なのですが、まさにこの回の研究会冒頭で、私から「心・技・体」の話をしていました。
 
この相談にも通じるところがありますので紹介したいと思います。
 
5年生以下の指導には、志望校合格という大きな目標のために心(=マインド)と技(=学力)、そして体(=健康)の視点が大切だといいます。
最上位ランクの学校に受かる子は心がしっかりしていて、行動において自問自答、つまり解答に正確にたどりつけるか、曖昧なところがないか、といった自答の段階で厳しく返答できる。
このレベルで受験校が決まるように感じられるそうです。
 
では、今回の相談にあった、甘えん坊でミスが多いお子さんのケースで、子どもを自立させるために、講師はどのようにご家庭に関わることができるでしょうか。
このことについては、算数科のベテラン、T先生からもアドバイスを頂けましたので併せてご紹介します。
 
まず、できる子の学習に向かう行動パターンをご家庭にお伝えして、子ども自身にひとつずつ行動させなければならない、といいます。
例えば、「4年生終わりで本人にできていてほしいこと」といったことをご家庭と共有し、そのなかで、子どもがやるべきことと、親がやるべきことの役割分担を伝えていけばいいと言います。
 
たくましさや達観視できる目が養われないまま学年が進んで、周りからの強制力でやらされるようになると、こういう子たちは、「やればいいんだろ」という姿勢で、余計にミスが増えます。
形は整っているのにミスがなくならないというのは、生活が実感を伴っていない軽さがある。
子どもをいかに自立させるか、ここを変えていかないと、ミスは減らない。
こういった、学力向上に不可欠な、「技」(=学力)以外の要素についての議論が交わされた、いい勉強会でした