熱中症対策を今一度!! 「災害級の暑さ」2023夏

一歩外へ出ればヒリヒリするほどの光が照りつけ、滝のように汗が噴き出す日々が続いていますね。

今年は世界各国で最高気温の記録が更新されており、気候科学者の間では「観測史上最も暑い年」を更新する可能性が非常に高いと予測されています。

「夏だね〜」とうちわをパタパタあおぎながら、ふりそそぐ蝉の鳴き声の中、家族でスイカにかじりつく……。
私が子どもの時分には当たり前だった「真夏の縁側で冷たいスイカ」という夏の風物詩も、もはや古き良き日本の原風景になりつつあります。

なんだか少し淋しいですが、扇風機さえあればやり過ごせた日本の夏も、今や一日中窓を閉め切ってクーラーをかけていなければ命に関わる時代になってしまいましたから仕方がないですね。




先日「子どもがいる家庭の熱中症・暑さ対策に関する意識・実態調査」が行われ、暑さが原因で体調を崩したことがある子どもは51.3%、食欲不振になったことがある子どもは51.2%いることが判りました。(明光ネットワークジャパン調べ)

夏休みに入り二週間ほど過ぎましたが、皆さんのお宅では熱中症対策や万が一の対処法等について、ご家族で話し合われましたか?

同調査によれば小中学生の子供がいるご家庭の57.1%が「熱中症について親子で話し合った」いう結果が出たそうですが、逆を言えば4割以上のご家庭ではそういう話し合いがなされていないということです。




夏休み真っ只中の現在、中学受験生の皆さんは夏期講習通いで連日猛烈な暑さにさらされていることと思います。
また夏は「受験の天王山」とも言われる大切な時期ですから、特に高学年の皆さんは知らず知らずのうちに日々気力・体力を使い果たし、疲れも出やすくなっています。

そこで本日は「熱中症」にまつわる基礎知識をまとめてお伝えします。

予防対策や万が一の応急処置もお話したいので少々長くなってしまいますが、「大暑の候」終盤、暑さの最盛期である8月上旬が到来する前に、今一度ぜひご家族で確認・話し合いをしてみてくださいね。




●「熱中症」は命にかかわる病気


2018年から3年連続で1000人以上が熱中症で亡くなっています。
2021年は死亡者数755人と前年の1528人から半減したものの、昨年(2022年6~9月)には再び死亡者数1387人と、例年と変わらぬ1000人以上という結果に戻ってしまいました。
対策が功を奏したというよりは、気温による一時的な減少であった可能性が高いと言われています。

熱中症はこのように思いの外恐ろしい病気です。
ただし対策は可能であり、私達の予防行動次第で避けることが出来得る病気でもあります。

後ほどお話しする「熱中症警戒アラート」も活用しながら、家族で万全の対策を取り、夏を無事乗り切りましょう。


●「WBGT(暑さ指数)」とは?


全国で令和3年から運用が開始されました。
前述の調査でWBGTを知っている保護者の方は34.2%のみでしたが、これは一言で言うと、環境省が情報提供する身の回りの暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)を指しています。

具体的には人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目し、気温・湿度・日射・輻射ふくしゃ・風の要素をもとに算出する指標として、熱中症発生の危険度を知らせるために用いられます。

各指数における注意事項の目安は以下のとおり。
◯25以上28未満:中等度以上の生活活動で起こる危険性 。運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。

◯28以上31未満:厳重警戒。熱中症患者の発生率が増えるため厳重な警戒が必要。外出時は炎天下を避け、激しい運動を避ける。室内では室温の上昇に注意。

◯31以上:危険な暑さ。全ての生活活動で起こる危険性。
高齢者は安静状態でも発生する危険性が大きい。
外出はなるべく避け、涼しい室内に移動。

※WBGT値は気温と区別するため、単位のない指数として表記されます。

暑さ指数は場所だけでなく、時間帯によっても変わるので、長時間外を歩く・戸外活動の予定がある等、気になるときには環境省熱中症予防情報サイトや、環境省のLINE公式アカウント等で事前にぜひ確認しておきましょう。



●「熱中症警戒アラート」とは?


環境省と気象庁が、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される際、暑さへの気づきを呼びかけ、熱中症予防行動を効果的に促すために発表するアラート。

令和3年より全国で運用開始。
今年も4月26日〜10月25日まで使用されます。
前述のWBGT(暑さ指数)に基づき、熱中症発生の危険性が極めて高くなると予想される日の前日17時、または当日朝5時の1日2回、都道府県ごとに発表されます。

熱中症警戒アラートが発表された場合は特に積極的に予防行動を取るように心掛けましょう。

熱中症警戒アラートの発表状況はテレビやネットのニュースや天気予報、環境省・気象庁のサイト等でいつでも確認できます。



●「熱中症」予防と対策


熱中症はそもそも炎天下などの猛暑で体温調節がうまくいかなくなり、体内に熱がこもってしまうことで発症しますので、暑さを避けることが最も重要です。

前述の「WBGT」や「熱中症警戒アラート」等も参考に、熱中症の危険性が高いと予想される日は不要不急の外出や屋外での運動、長時間の作業はなるべく控えましょう。

涼しい服装を心がけることはもちろん、人は軽度の脱水状態程度では喉の渇きを感じないため、喉が渇いていないと思っても、こまめに水分・塩分をしっかり補給することが非常に大切です。

年齢や状況により個人差はありますが、1日1.2リットルくらいが摂取量の目安です。
塩分の摂取にはスポーツ飲料や塩レモン飴なども手軽で良いですね。

室内にいる場合も油断せず、昼夜を問わず風通しを良くすること、エアコンなどを使用して部屋の温度に気をつけましょう。
その際は扇風機を併用して室内の空気を循環させるようにすると、温度が下がりやすくなります。
また、エアコンが効かない場合はフィルター掃除も有効ですので、できれば2週間に1回程度手入れをしましょう。

高齢者や乳幼児、体調不良の家族など、熱中症のリスクが高い人には進んで声かけやサポートをしましょう。

特に危険性が高いのは65歳以上の高齢者です。
発汗と血液循環の機能が低下しているためそもそも体温調節がしづらく、暑さも感じにくくなっていることが多いからです。



●「熱中症」重症度の目安


 分類       重症度/主な症状
◯Ⅰ度 軽度/現場での応急処置が可能
めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗

◯Ⅱ度 中等症/病院への搬送が必要
頭痛・気分の不快・吐き気・おう吐。力が入らない、体がぐったりする(熱疲労、熱疲弊)

◯Ⅲ度 重症/入院・集中治療が必要
意識がなくなる、けいれん、歩けない、刺激への反応がおかしい、高体温(熱射病)

もしも家族などに不安な症状が見られたら、上記の目安で状況を判断しましょう。
万が一の対処法については次項でお伝えします。


●万が一「熱中症」になってしまったら?


・涼しい環境に避難させる
大量の発汗やめまいなど、軽度であれば風通しの良い日陰やクーラーが効いている室内など涼しい場所へ移して様子を見ましょう。
急変の恐れがあるので、落ち着いてもしばらくは一人にしないでください。

・身体を冷やす
衣服をゆるめ、濡らしたハンカチやタオル、冷たいペットボトルなどを首、手首、足首、鼠径部などにあてましょう。
身体から熱を放散させ、皮膚直下を流れている血液を冷やすことが有効です。

・水分補給をさせる
冷たい飲み物を飲むことは、身体の内側から過剰な熱を奪うことにもなります。
汗で失われた塩分も補えるよう、経口補水液やスポーツドリンクが望ましいです。

乳幼児で自分で飲めない場合は口からストローやスプーンを用いて少しずつ垂らす方法もあります。

ぐったりしている、呼びかけても反応がない、意識障害が疑われるなどの理由で自分で飲めない場合は中等症〜重症の可能性が高く、無理に口に含ませると誤って水分が気道に流れ込む危険性もあり危険です。
救急車を呼ぶなどしてすぐに病院に搬送しましょう(点滴で対応してもらえます)



●翌日はどう過ごす?


熱中症になった翌日は、激しい活動は控えましょう。
ふらつき、食欲低下、吐き気、筋肉の痙攣などの異常などの症状が出ていなければ、普段通り塾の夏期講習や学校、図書館での勉強等に出かけても構いません。
ただし、前日の症状が重度であった場合はなるべく家族の目が届く自宅で過ごすことをおすすめします。


以上、本日は熱中症にまつわる基礎知識をお伝えしました。

中学受験生の皆さんが「災害級の暑さ」である2023夏を、健やかな心と身体で元気に乗り切れるよう心から願っています。

過去問はいつから?やり方の注意点は?

夏前あたりから、「受験校の過去問題はいつから解き始めたらよいのか?」というご質問が増えてきます。

首都圏や大阪圏のように、私立中学がしのぎを削っているエリアでは、学力の輪切りが進んでいます。

たとえば「偏差値50〜55くらいの子は、第1志望はA中学かB中学、55〜60だとC中学かD中学で…」と、同程度の学力と得点力を持っている子どもたちが受験することになります。

当然、ボーダーライン付近に、一番多くの子どもたちがひしめき合うことになります。

その混戦から一歩抜け出すためには、該当校の傾向対策が大切なポイントになります。

その学習の仕方や、量や時期が大切になります。

ところが、塾によって入試か顧問を解く時期の指示が大きく違います。

サピックス・日能研・四谷大塚・早稲アカという大手塾でも大きく違いますから、親御さんが混乱されるのも当然だと思います。

「『うちの塾の先生は、11月からで充分です。』とおっしゃったのに、仲良しの○○ちゃんの通っている塾では、夏から過去問の勉強が始まるらしい。」

このような相談が増えることになります。

過去問の学習は、「通っていらっしゃる塾の志望校別日曜特訓の有無やカリキュラム」や、「志望校の入試問題傾向」や、お子さんの現状の学力、併願校の入試問題傾向などをすべて考慮して考えていく必要があります。

ですから、ご相談への返答はお一人お一人異なります。

でも、ポイントは次の4点になると考えています。

1. 塾の志望校別日曜特訓と並行し、10月あたりからやっていくとよい。

2. 設問の文章が長かったり、記述の文字数が多かったりなど、特徴がはっきりしている学校への対策は、早めに始める。

※9月あたりからが望ましい。志望校の過去問題だけではなく、類似の問題を出す学校の問題も数多く解くように計画を作る。

3. 基礎学力が、志望校に明らかに届いていない場合は、傾向対策よりも弱点対策を重視する。そして、傾向対策は12月から集中的に行う。

4. 併願校は、入試問題の傾向が似ている学校から探すことが出来れば理想的。そうできない場合でも、あまりに問題傾向のかけ離れた学校を併願するのは危険。

上記のことから考えて、早めの過去問学習が必要になってくるのは、下記の学校になります。

・開成の国語

・麻布の算数・国語・理科・社会

・桜蔭の国語・算数

・栄光学園の算数・理科

・筑駒の算数・国語

・武蔵の国語・理科

・渋幕の算数・理科・社会

・渋渋の理科

・学習院女子の国語・理科

・海城の理科・社会

そして、過去問演習で注意していただきたいこととして、下記に注意していただければと思います。

1. 制限時間を守る

2. 問題文を読み飛ばさないように注意する

3. やりっ放しにならないように、間違った問題の復習をしっかりとする

4. 間違った問題をすべて復習してはいけない

(合格者平均点に届く点数くらいを目処に)

5. 解説が詳しい過去問題集を使う。

6. 解答用紙は、拡大コピーして使う。

過去問の学習は、学力通りの点数を取るために必要なことです。

直前になって慌てることがないように、今から予定を立てておかれることをおすすめします。

身体の冬支度をしよう ~注意したい5つのキーワード~

色づいた木々が美しい季節になりましたね。

陰暦11月の異称は「霜月」ですが、これは「霜が降りるようになる月」という意味で名付けられたという説が有力です。

よく晴れた日中ならば上着もいらない現代の気候とはズレを感じるものの、冬らしくて素敵な呼び名ですね。

まだ肌寒い程度の今頃は、気持ち程度に「薄着」で過ごすのが良いとされています。

受験生が風邪を引いては大変と、早々セーターやダウン・マフラーを身につけるのはやめましょう。

普段からあえてほんの少しの薄着を心がけることで寒暖差に慣れ、これから迎える本格的な寒さに対応しやすい身体を作ることができます。

ただし、体温が1℃下がると免疫力が3、40%低下したり、血圧が上がったりするという報告もありますから、無理はせず、長時間外にいるようなときは避けましょう。

あくまでも「体温を下げない」環境にいられるときや、散歩など「軽い運動ができる」状況のときに限定してくださいね。

さて、季節の変わり目にも変わらず健康でいるためには、うがい・手洗い・アルコール手指消毒などの感染症や風邪対策が欠かせません。

今日はそれに加えて、家の中で注意したい5つのキーワードを紹介します。

1つめは「湿度」。

インフルエンザウイルスなどは、気温が低く乾燥した環境では感染力が強まります。

家族の中に調子の悪い人がいるときはいっそうの「加湿」を心がけましょう。

湿度が50%以上あれば、たとえばインフルエンザウイルスでは10時間程度で死滅するとも言われています。

しかし薄着と同様、こちらも無茶は禁物。

やり過ぎると部屋がサウナ状態になってのぼせてしまいますし、カビが繁殖してしまうこともあるので気をつけてくださいね。


2つめは「下半身」。

適度な薄着による健康法は先ほどお話しましたが、少しでも体調に不安があるときは一転して「厚着」を心がけましょう。

特に大きな血管がある下半身を温めると体温・免疫アップに効果的です。

タイツも良いですが、きつすぎると血管を圧迫し血流を妨げてしまうので、足首やウエストを締め付けすぎない保温性の高い下着や腹巻き、格好はわるいけれどももひき・スゥエットなどでゆったりと下半身やお腹を温めましょう。

発熱がなければ炭酸入りの入浴剤を入れて、少し長めに半身浴をするのもおすすめです。

勉強しながら1時間以上入るという人もいるようですが、上半身が冷え切ってしまうのでやめてくださいね。

発熱してしまい入浴が難しいときは熱め(42℃くらい)の湯に足首のみを付ける足湯もおすすめです。


3つ目は「腸内環境」。

免疫機能は胃腸に集中していると言われています。

乳酸菌飲料や繊維質の多い食事を心がけて、いつもすっきり調子よくしておきましょう。

4つめは「温性の食べ物」。

以前もお話したことがありますが、食べ物には、身体を冷やす冷性の食品と、身体を温める温性の食品があります。

温性の食品はしょうが、ねぎ、にんにくなどの根菜(大根は例外)や鶏肉、エビなど、冷性の食品はレタス、キャベツ、ほうれん草、小松菜などの葉野菜や、きゅうり、トマト、ゴーヤ・セロリ、白砂糖、チョコレート、緑茶など。

冷え性の人は特に温性の食品を意識して摂るようにしましょう。

この時期の水分補給は、緑茶やコーヒーよりも身体を温める麦茶や黒豆茶、生姜茶をメインにすると身体がぽかぽかしますよ。

5つめは「ビタミン」。

ビタミン界のACE(エース)というのを知っていますか?

ビタミンの中でもA 、C、 Eは特に免疫アップに効果的だと言われています。

食品でいえば、鶏レバー、人参、かぼちゃ、くだもの、ブロッコリー、じゃがいも、かぶ、アボカド、種実類、ツナ、などに含まれます。

サプリでカバーしても良いですが、食品で摂る場合は生や、吸収力があがる「油」と摂ることが望ましいです。

油でさっと炒めるのも良いですね。

熱に弱く水に溶けやすいので、茹でるならば茹で汁ごと飲めるスープやシチューにするなど一工夫してみてください。

身体にためておくことができない成分なので、こまめに摂ることもポイントです。



以上、本格的な冬の到来を前に意識したいことをお話しました。

十分な休養と睡眠をとり、皆さんが健康に季節の変わり目を過ごせることを願っています。

中学受験 ~低学年・未就学期に大切にしたいこと②~

前回のコラムでは、低学年・未就学期のお子さんへの接し方、「褒める」「認める」「ちょっと我慢させる」、そして「うちの子だから大丈夫」という根拠のない自信を持ってあげることの大切さをお伝えしました。

今回は、そのような接し方によってお子さんの中に育まれる「熱中力」についてお話します。

前回お伝えしたように、「うちの子だから大丈夫」という信頼があれば、親御さんがお子さんを見る目は柔らかくなります。

親御さんがそのような表情であれば、お子さんもリラックスして目の前のことに安心して取り組み、集中していけるようになります。
そしてこれが、受験にも欠かせない「熱中力」につながっていくのです。

例えば、勉強はあまりしないけれど魚の図鑑を眺めるのは大好き、というお子さんがいますね。

そのようなお子さんが図鑑に夢中になっているときには、決して「魚の図鑑ばかり見ていないでもっと本を読んだらどうなの?!」と邪魔をしないであげましょう。

どうせ夢中になるなら……などと色々思うことがあっても、ここはぐっとこらえてください。

穏やかな気持ちでお子さんの様子を見守ってあげることが大切です。

都立中高一貫校に限らず近年の中学入試では思考力を求める問題が急増しています。

知識の丸暗記では太刀打ちできないこれらの問題に対処するには、与えられた資料から自分で課題を見つけ、自分なりに解決方法を見出す力が欠かせません。

そして、そのような思考力を十分発揮するのに必要なのが「熱中力」です。

子どもたちが自分のやりたいことー図鑑や、砂遊びや、パズルなどに熱中している時、親御さんから見れば有意義でない時間に見えるかもしれませんが、お子さんの頭の中では、自然と「思考訓練」が行われています。

自分たちが眺めている光景や音などに脳は反応し、

「このお魚と前に見たあのお魚は形が似ているな」

「でも違う名前だ。どこが違うのかな」

「この砂山はここに穴をほったら崩れてしまうな」

「僕がここから、あの子があそこからほるとトンネルが繋がりそうだな」

「あれ?崩れちゃった。お水が少ないと崩れやすくなるのかな」

というように、物の類似性や相違点を確かめたり、原因を探り因果関係を発見したりと、無意識のうちにフル回転しているのです。

このような体験は、お子さんがねばり強く最後まで考え抜く力や、自分で考え解決策を見つける楽しみを育んでくれるでしょう。

また、プラモデルや砂遊び、野菜を切るお手伝いなどが自然と立体図形の感覚を養ってくれるように、パズル、おつかいなど、子どもが夢中になっている遊びやお手伝いが、受験に必須である様々な感覚を養ってくれる場面も多々あります。

ぜひ低学年・未就学期には、お子さんのやりたいこと、熱中できることを自由にたくさん体験させてあげてくださいね。

中学受験 ~低学年・未就学期に大切にしたいこと~

こんにちは。
高学年の皆さんに向けた記事が続きましたので、今日は久しぶりに低学年・未就学期に関してお話したいと思います。

最近はお子さんの可能性を広げるため、もしくは受験準備のために、小さな頃からたくさんの習い事をさせるご家庭が増えましたね。
もちろん習い事も良いのですが、未就学~低学年の時期に最も大切にしていただきたいと思っているのは、親子の信頼関係、絆を育むことです。

習い事をさせるにしても、陥っていただきたくないのは、結果次第でお子さんを認めたり認めなかったりすることや、結果「だけ」を褒めることです。

どんな結果であれ、お子さんやお子さんのがんばりそのものを認めてあげること。
良い結果が出た場合はその結果だけでなく、ぜひそこに至るプロセスを認め、褒めてあげてください。

結果ももちろん大切ですが、結果しか誉めてもらえないのでは、子どもは結果さえ良ければ良いのだと、そこに至るプロセスを大切にしなくなります。
具体的には、問題集の答えを丸写しして無理やり全問正解の答案を作ったり、答え合わせの際に間違っていても答えを書き直して赤丸をつけてしまうというような無意味な行動を取ってしまったりするようになることもあります。

お子さんがそのようなことをしてしまうと困っていらっしゃるご家庭では、そのような背景が原因となっていることもあるので気をつけたいですね。

答えを導くプロセスを大切にする気持ちを育む声かけを心がけ、その中で経験できる学びの楽しみや驚きをたくさん経験させてあげるよう促すことが大切だと思います。


また、この時期は、「他の子と比べる」ことをしないように気をつけてください。
発育や学力の差が大きく出始める就学前~低学年の時期は、ついつい我が子と周りの子を比較しがちです。

それ自体はある程度仕方のないことですが、それを利用してお子さんをコントロールしようとしないでほしいのです。
たとえば
「◯◯ちゃんはこんなにがんばってるそうよ」
「◯◯くんはもうこんなこともできるんだって」
「◯◯さんは△△でクラスで一番になったそうね」
といったさりげない声がけは、
お子さんのやる気を引き出したり鼓舞したりするどころか、脅かし、傷つけていることの方が多いものです。

“周りの人ががんばっていることを伝えるという「さりげない」やり方で、実は必死にお子さんのお尻を叩こうとしていることを、お子さんは敏感に感じ取ります。
そして、それがうまく作用することは殆どありません。

むしろそういうやり方はお子さんの過度なストレスやプレッシャーとなり、余計にやる気を削いだり、今の自分ではだめなんだと自尊心を傷つけてしまうことになりかねないのでぜひ気を付けてください。

ありのままのお子さんの存在やがんばりをそのまま認めてあげることで、お子さんは、自分が大好きな親御さんからそのままの自分自身で愛されていると感じられ、すくすく育っていきます。

特別な言葉や内容でなくても、
「今日、保育園でお魚が食べられたんだね。」
「○○ちゃんと手を繋いでお散歩ができたんだね。」
「ごめんなさいがちゃんと言えてすごいね」
といったことでも十分です。
ありのままを認める声がけで、お子さんが「かけがえのない大切な存在」であることを、ぜひ毎日たくさん伝えてあげてくださいね。

また、これは以前からよくお話ししていますが、
「褒める」「認める」「ちょっと我慢させる」
3つはこの時期、特に大切なことで、これらはそれぞれ関係しています。
なにかをお子さんが我慢しようとがんばっていたら、そのことを認め、褒めてあげましょう。
「本当は◯◯したいけれど、我慢しようとしているんだね。その気持ちがお母さんにも伝わっているよ」
そして、お子さんが無事我慢することができたら、結果についてもまた褒めてあげましょう。


こうしたことは、未就学児~低学年の時期以外にも有効で、大切なことです。
たとえば6年生の受験生ががんばっているのになかなか成果を出せないとき、
代わり映えしない結果の部分だけを見て
「残念だったね」
「あと一歩がんばりが足りなかったのかな」
「次はもう少し早い時期から取り組んでみようか!」
などと言うのではなく、ぜひ、努力しようと気持ちの面で頑張っている今のありのままのお子さんをまず認めてあげてほしいのです。


きっと皆さんご自身も、つらいけれど勉強をはじめよう、と思っていたときに「そろそろ勉強したらどうなの?!」などと言われて、やる気をなくした経験をお持ちだと思います。
親としてどういう声がけをするべきか、などとあまり難しく考えることはなく、まず自分が小さい頃に嫌だと感じたことはお子さんにもしない、という気持ちを持って接してあげるだけでも、お子さんへの声がけの仕方が変わってくるかと思います。

お子さんだけでなく、家族全体が成長できる。
お子さんを育てつつ、自分自身も変わり成長していけることも、子育てや受験というイベントの素敵なところであり、楽しみの一つですよね。

そして最後に、これも言い続けていることですが、我が子に対して、「うちの子だから大丈夫」という根拠のない自信を持ってあげること。

根拠はなくていいのです。
子どもには、ちゃんと育つための強固なプログラムが備わっています。
そこを信じることです。

「うちの子だから大丈夫」という信頼があれば、親御さんがお子さんを見る目は穏やかに変わります。
そして、そんな接し方をされているお子さんは、安心して、自分の取り組んでいることにきちんと熱中できるようになります。
この熱中力というのが受験においても非常に重要です。

さて、長くなってきましたので、この「熱中力」についてと、お話の続きは、またの機会にお話ししますね。

それでは、雨続きの滅入りがちな季節ですが、皆さま元気にお過ごしください。

中学受験 ~合同説明会イベントに参加しよう~

梅雨入りが近づいてきましたね。
中学受験生の皆さんは、「五月病」に負けず元気に過ごしていますか?

さて、5月15()に、都内私立中学校174校が参加する日本最大規模の中学説明会イベント『Discover私立一貫教育2022東京私立中学合同相談会』が開催されました。

当日の参加校は駒東、慶應中等部、早稲田、桜蔭、女子学院などで、コロナ禍を考慮し人数制限あり・1時間半ごとの完全入れ替え制でしたが、たくさんの受験生や保護者の方々が参加されたようです。

当日参加した生徒さんの中には、まだまだ志望校など考えたこともなかったという人もいたようですが、先生方のお話を聞いたり持ち帰ったパンフを見比べたりする中で、少しずつ中学受験の実感が湧いてきたのではないでしょうか。
親御さんに言われて何も分からず中学受験をすることに決めた、塾通いを始めたという生徒さんは意外と多いものですが、そういう皆さんにとって志望校選びはなかなか現実味を帯びず、難しいものですよね。
そういう場合はぜひ、このような合同説明会イベントに気軽に足を運んでみてください。

はじめは「校舎がきれいなところ」「制服が可愛いところ」「学食があるところ」などでも良いですから、たくさんの学校のブースやパンフレットを覗いて、少しずつ自分が行きたい学校のイメージを掴んでいきましょう。

また、このような合同イベントでは、各学校の個性も垣間見ることができます。
今回のイベントでも、それぞれの学校がブースを設置し、現職の先生による学校説明や資料配布が行われていましたが、その形態は様々でした。

資料や過去問をずらりと並べる学校、時間ごとにミニプレゼンを開催する学校、一人ひとりと話す時間を大切にする学校etc…

各学校のアピール方法や雰囲気からも、その学校のカラーが見えますので、ぜひ自分のフィーリングに合う学校、素敵だなと思える学校を探してみてくださいね。

ちなみに来月の合同イベントには以下のようなものがあります。


6月開催予定 中学受験合同説明会イベント
4
() 文京区にゆかりのある私立中学高等学校/進学相談会
7
() 東京・神奈川 私立女子中学に触れる会
12
() 東京私立男子中学校フェスタ
12
() 2022千葉私立中学進学フェア
19
() 神奈川私立男子中学校フェア2022
25
() 受験なんでも相談会
26
() 日能研/私学フェア

開催日は予定です。詳細は各ホームページなどでご確認ください

7
月、8月の夏休み近辺にもたくさんのイベントがありますが、その頃のイベントはどれも大変混み合い参加資格が抽選になるものも多いので、今のうちから足を運んでみるのがおすすめですよ。

中学受験を「自分事」として捉えられるようになることは、時には辛く苦しい中学受験生活を最後まで走り抜ける大きなモチベーションになります。

中学受験生の皆さんが「絶対ここに行きたい!」と思える学校や先生と出逢えること、中学受験が「親に言われたから」ではなく自分にとっての大切なチャレンジに変わり、努力の末に合格を勝ち取れる日が来ることを心から祈っています。

中学受験 ~夏休み前に各科目の総ざらいをしよう~

前回のコラムで、

「夏休みが受験の天王山」と言われるけれど、特に6年生は過度に夏休みに期待しないことが大切だということをお伝えしました。

夏休み中は毎日の夏期講習やそこで出される課題や宿題、模試もたくさんあります。

国語の漢字や語句、理科や社会の知識や算数の基礎など、本来コツコツと身につけなければならないものをその限られた時間だけで何とかしようというのは少々無謀だとは思いませんか?

実際、何でもかんでも「夏休みに頑張るから」と先送りにしていた生徒さんが、夏休み後に「結局終わらなかった……」と青ざめている姿は残念ながら毎年見かけます。

秋からは過去問演習や志望校対策が本格的になり、基礎の総ざらいなどをやっている時間はなくなりますから、そんな自体になってしまうことは避けたいですよね。

ゴールデンウィークを終えたら、夏休みまでに各科目(基礎)の総ざらいを一巡出来るようにスケジュールを練りましょう。

一人では無茶な計画を立ててしまいがちなので、その際は塾や家庭教師の先生にも相談してみることをおすすめします。

特に、国語の漢字や語句に関しては早めに対策しておきましょう。

中学受験に必要な国語の漢字や語句はかなりのボリュームで、分厚い参考書1冊分にもなります。

またこれらを正確に暗記し、自在にアウトプット出来るようになるまでにはある程度の時間や演習回数が欠かせません。

5月中旬~夏休み前までの2ヶ月間を使ってしっかり定着させておきましょう。

ここで、よく寄せられる漢字のお悩みについて少しお話しておきます。

まず、「漢字が覚えられない」というお悩み。

国語が嫌いな生徒さんに多いのですが、この場合以下のような覚え方をしていないか確かめてみましょう。

  • 知らない漢字や熟語の意味を確認せずひたすら書き写す
  • 答えが隠れる赤シートや単語帳を用いた暗記法(自分の手で書かない)
  • 問題集にあれこれ手を出す(同じものは1度解いたら終わり)
  • テスト直前に覚える&間違えてもそのまま

これらはどれもその場しのぎのやり方で漢字を定着させる工程が踏まれていないため、漢字が上手く覚えられず、覚えてもすぐに忘れてしまいます。

漢字を覚える際に有効なのは、意味を理解して覚えること、反復すること、間違えたものは直しを必ずすること、なるべく毎日やること。
意味もわからず書きまくるだけでは記憶に残りません。

英文を覚える時に、単語の意味や文法、和訳を理解している方が覚えやすいのと同じで、漢字・熟語も部首や成り立ち、意味を理解している方が覚えやすいのです。

また、答えが隠れる赤シートや単語帳を用いた「目」だけの学習では、読みの暗記は出来ても、なかなか書けるようにはなりません。

漢字の読み書きをしっかり覚えるためには次々と問題集を変えたり、1度解いただけで終わりにしたりせず、これと決めた1冊にとことん向き合いましょう。

面倒で回り道のようでも、漢字や熟語の意味をきちんと理解し、実際に手を動かす演習を繰り返してみてください。

そして、それでもテストで間違ってしまったときは必ず間違い直しをすること。

きちんとノートに記録し、再度それを間違えた場合には印をつけていくと、自分が間違えやすい漢字が目に見えて判り意識できるようになります。(同音異義語が苦手、などのクセも見えてきますよ)

朝食前の5分間でも良いので、出来るだけ毎日取り組めると良いですね。

6年生で漢字が苦手な場合は『漢字マスター1095題 6年』(日能研)、基礎が身についている場合は『中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2606問』(旺文社)などがおすすめです。

参考書としては、小学校で習うすべての漢字が学年別に収録されている『SAPIXの漢字学習字典 SAPI漢』(サピックス)も良いと思います。

イラスト付きで、漢字学習が楽しくなる知識も紹介されているので4年生でも使えますし、サピックスの校舎だけでなく書店などでも購入できますよ。

『小学漢字 1006字の正しい書き方』(旺文社)はポケットサイズで持ち歩きやすく、書き順が一画ずつ示されている上、熟語も豊富です。

すべての漢字に成り立ちに関するコラムもあり、こちらも大変重宝すると思います。

漢字学習は読み書きだけでなく、熟語・対義語・類義語などの知識や語彙力のアップ、ひいては国語力そのものの底上げに繋がるので、夏休みまでに特に終えておいてほしい基礎ざらいのひとつです。

受験生の皆さんがここからの2ヶ月を上手に使い、準備万端で夏休みを迎えられること、そして、各科目の総ざらいを通じて、コツコツ取り組んだ暁には大きな結果がついてくることの楽しみ、喜びを体感してくれることを大いに期待しています。

夏休みまでの計画を立てよう

ゴールデンウィークも終盤を迎えています。

 

 お子さん達は、充実した連休を過ごすことができたでしょうか。

ゴールデンウィークが終わると、夏休み前まで祝日のない日々が続きます。

 

大切な夏休みまで、モチベーションを下げることがないよう、工夫をして過ごしたいですね。

 

この5月から6月、7月の夏休み前にかけて、各学年非常に重要な時期になります。

例えばサピックスの5年生の算数では、5月から6月にかけて

 

・立体図形

・点の移動

・規則性、

 

そして算数において最重要単元の一つである「割合」の学習が続いていきます。 

日能研でも5月は集中的に図形を学習し、 6月に入ると夏休み前までにかけて「割合」に関する学習を何週にも渡って続けます。

 

まさに中学受験の勉強において算数の学習の大きな「山場」になる時期と言えるでしょう。

四谷大塚では4年生の時に「割合」の基礎を学習し、5年生でも2月、3月、4月と「割合」の学習を少しずつ進めてきました。

これから夏休み前にかけては「場合の数」などとともに算数の中でも最重要単元の一つである「速さ」に関する学習を進めていきます。

もちろん5年生に限らず、他の学年もそうですが、ここからの2ヶ月間は非常に重要な時期になります。

 

気温が高くなり、 梅雨に向けて湿度も高くなります。

 

そんな中、体調もモチベーションも万全な状態で学習に向かえるよう、日常の習慣としては、 やはり塾の復習をしっかり続けていただきたいと思います。

 

セミナーなど色々な場でお伝えしていることですが、塾から帰ってきたら「今日は塾でどんなことを習った?」と親御さんが声かけをしてあげてください。

 

居残りなどで宿題をできるだけ済ませる、という塾もありますが、宿題に取りかかれなくても授業の内容をざっと思い出して整理しておくだけでも、大変効果的です。

 

整理をしないまま寝てしまうと、次の日には前日に得た知識が随分曖昧になってしまうものですが、授業後に整理しておくだけで、宿題の進み方もかなり違います。

 

また基本的なことですが、朝学習などのルーティンもしっかり続けたいですね。

 

特に6年生は「夏休みが受験の天王山」と言われますが、逆にあまり過度に夏休みに期待しないことが大切です。

 

つまり、理科や社会の暗記、国語の漢字や語句など、コツコツと知識をつけなければならないものを、全て夏休みに回してしまうと大変危険です。

 

6年生は夏休みに夏期講習会で総復習をしながら、早い塾では過去問の演習も始まります( SAPIX では「銀本」と呼ばれる入試過去問集を配布され、そこから宿題が出ます)。

 

もちろん理科や社会、国語の知識など夏休みにも総復習に入りますが、 できれば夏休みまでに一巡しておくことが望ましいでしょう。

 

完璧でなくてもよいので、ある程度の知識を夏休み前に完成させておくことで、夏休みの学習の成果が大きく変わってきます。

 

ここから2か月、今習慣となっていないならすぐにでも、朝学習や就寝前の短時間の学習時間をルーティンとして設け、知識問題や漢字、 計算などに充ててみてください。

ゴールデンウィークの終わり、ぜひここから2ヶ月の過ごし方について改めて計画を立ててみてください。 

中学受験 五月病にならないためには?

日に日に木々が芽吹き、緑の美しい季節になってきましたね。

前回4月下旬からゴールデンウィークの過ごし方についてお話しましたが、今日は同じ頃に話題になる五月病についてお伝えしたいと思います。

塾の新年度が始まり3ヶ月、小学校では新学年に上がって1か月が経過し、疲れが出始めるこの時期。

長い連休を挟むことで一気に緊張の糸が切れ、なんだか憂鬱で調子が出ない、体調が優れない、やたら眠ってしまう、イライラする、学校や塾に行きたくなくなる、不安や焦りで落ち着かない等、いわゆる五月病の症状が現れることがあります。

五月病は主に疲労やストレスが原因と言われており、病気ではなく軽い「適応障害」や「起立性調節障害」に近いものですが、ひどくなるとうつ病に移行することもあるので気をつけたいですね。

また、近年ではゴールデンウィーク明けではなく、六月に入ってから調子を崩してしまう新五月病も増えています。

新五月病というのは、連休明けは本人も保護者の方も五月病を意識し、注意深く過ごすことでなんとか不調を避けられたものの、梅雨時の気候が不安定になってきた頃に、同様の症状が現れてしまうことを指します。

特に中学受験生の皆さんは、5月から一気に増える模試の影響で休日が減ってしまい、課題や宿題も増える上に梅雨のジメジメした気候や日照不足も重なって、6月は心と身体のバランスを崩しやすい時期です。

ぜひ注意深く自分の心や身体に耳を傾けてあげるようにしてください。

そして、五月病にならないよう普段からストレスを溜め込まないことも大切です。

たとえば新学期が始まり、大きく生活環境やリズムが変わってうまく課題や宿題をこなせていない人は、具体的にどのようなスケジュールを組めば解決出来そうか、この機会に見直してみましょう。

一人でうまく計画が立てられなければ、塾や家庭教師の先生に相談してみるのもおすすめですよ。

また、この時期に心や身体に不調を感じ始めていたら、ぜひ学習面だけでなく、新年度が始まってから人間関係や生活リズムに支障や課題が生まれていないかどうかも振り返ってみてください。

問題が見つかった場合は具体的に解決策を考え、改善のために行動を起こしてみましょう。

ノートに書き出してみたり、友達や保護者の方に話してみたりするだけで気持ちが楽になる場合もあります。

いずれにせよ、辛いことは一人で心の中に抱え込まないでくださいね。

その他効果的なのは、いわゆる幸せホルモンである「セロトニン」の脳内分泌が活発になるよう散歩をしたり、日光を浴びたり、乳製品・バナナ・白米などを積極的にとることです。

たまには気分転換に好きなことをしたり、体を動かしたりするのも良いですね。

また、連休中に就寝時間が後退することで体内時計が狂い、心身の不調が生じ始めるケースも多いので、連休中も早寝早起きを心がけ、夜更かしの悪習慣を作らないようにしましょう。

前回も書きましたが、皆さんが気負いすぎず、うまくメリハリをつけ、心身共に健康で充実したゴールデンウィークを過ごせることを願っています。

4月下旬〜ゴールデンウィークの過ごし方について

 

今回は、4月下旬〜ゴールデンウィークの過ごし方について考えてみたいと思います。

 4年生、 5年生はゴールデンウィークは塾が日付通りお休み、そして宿題が出るというケースが多いと思います。

 

塾がお休みということで、絶好の家庭学習期間になります。

この期間を上手に利用して、春の学習でできなかったことをやりたいですね。

 

その準備として、普段の家庭学習をしっかり見直しておくということをお勧めします。

 

学年が変わって2ヶ月あまり、前の学年よりも塾の勉強の負担が増えた、と感じているお子さん、 ご家庭も多いと思います。

 

そのため家庭学習も、 宿題を「こなすこと」が中心になってしまい、しっかり理解して学習を進めることや、じっくりと問題と向き合う学習がうまくできなくなっているケースもたくさんあります。

 

まずは家庭学習が上記のような状況に陥っていないか、しっかり確認して立て直しをするようにしましょう。

 

特に5年生はこの時期から、受験に直結する非常に大切な単元を扱っていきます。

算数では「比と割合」「速さ」などが中心となりますが、これらの分野は今後、他の単元とも密接に結びついて、応用問題などとしてテストに出題されることも非常に多くなります。 

 

習ったことを「公式」として丸覚えするのではなく「なぜそのような式で求めるのか」理詰めで考えることが大切です。

 

以前からおすすめしていることですが、学習内容をしっかり理解しているか確認し、定着を図る目的で「家庭内ミニ授業」を行うようにしましょう。

 

お父さん、お母さんが生徒になり、お子さんに学習した内容を説明してもらうのです。

「どうしてそうやって解くの?」といった質問をしながら、ここさんに問題を解説してもらいましょう。

 

もちろんこの時、親御さんの態度としては「教えてもらう」であって「詰問」にならないように注意してください。

教えてもらうお父さん、お母さんが納得できるようにお子さんが上手に説明できれば、かなりしっかり理解できていると判断できます。

 

理解が不十分な場合は説明が上手くいかなかったり、聞いていて辻褄が合わないと感じるはずです。

お子さんが自分の理解不足に気づくきっかけにもなります。

 

塾で習ったことを十分に理解できていない、ということに気づけば、塾の授業の聞き方などについて親子で一緒に考えるのも良いでしょう。

 

家庭学習で復習した問題に関しても(すべてでなくてもよいので)上記のような「家庭内ミニ授業」を行うことで、定着の度合いを測ることができます。

6年生はゴールデンウィークの時期に、特訓授業が塾で行われるケースがあります。

代表的なのは サピックスの「GS 特訓」などですね。

 

このような特訓授業は、根本的に普段受けている平常授業とスタイルが違います。

 

普段の授業は「先生から習い、習ったことができるようになったかを確認する」というスタイルですが、特訓授業は6年生後期から始まる「日曜特訓」と同じようなスタイルで「演習授業」と呼ばれるものです。

 

まず問題を解いて、忘れていたことや知識の抜け漏れ、 不足が無いかを確認し、「穴」を埋めていく、そんなスタイルの授業になります。

 

ある程度学習の完成しているお子さんにとっては効率がよい学習になるのですが、まだまだ知識が足りず、教えてもらわなければならないことが多いお子さんにとっては、 実はロスが多い授業スタイルとなります。

 

ゴールデンウィークの特訓を受けるのかどうかは、 もうすでに決定しているご家庭も多いと思います。

申し込んでしまったので参加するしかない、とお考えの親御さんもいらっしゃるでしょう。

 

もちろんこのような特訓授業は「みんなと競うことでモチベーションが上がる」という副次的な効果も期待できる面がありますから、参加することが全て無駄になるというわけではありません。

 

ただお子さんの状況を見て「この状況だと演習授業は受けても得られるものが多くない」 と強く感じられる場合は、申し込んでいても思い切って欠席する、そして家庭学習でこれまでの復習に力を入れる、という対応も考えていいでしょう。

間近に迫るゴールデンウィークですが、是非事前に上記のような準備を整えたうえで迎えるようにしていただきたいと思います。 

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