とにかく6年生の夏は体力勝負!?

■とにかく6年生の夏は体力勝負!?
 
8月に入りました。
 
今年は梅雨明けが遅く、なかなか気温が上がり切らない日が多かった7月でしたが、本格的に暑い日が多くなってきました。夏期講習も始まり、早い時間から塾に行く生活に入ったお子さんも多いと思います。
 
夏をうまく乗り切るキーワードは「復習」「体調管理」「モチベーション」です。
いずれに関してもいろんなところで述べているのですが、前回のコラムで「復習」に関しては詳しくお話ししましたので、今回は「体調管理」と「モチベーション」に関してです。
 
夏期講習に通う受験生は、思った以上に体力を使います。夏期講習で拘束される時間が1日あたり5〜6時間。数日間これが続き、1日のお休み。そしてまた数日の通塾。これが何度か繰り返されます。
 
塾に着くまではじっとりと汗をかき、塾の教室はエアコンで冷えています。この温度差だけでもかなり子どもの体調に影響を与えます。朝から夜まで室内にいる講師や塾のスタッフは、そういったことに割と鈍感です。1枚上にはおるものを持って行かせておられる方も多いのではないでしょうか。
 
とにかく6年生の夏は体力勝負という面があります。少しでも学習に集中できるよう、側方支援も大変ですが、がんばりましょう。
 
 
■8月初旬の段階で学習の見直しを
 
7月が終わった今くらいの段階で、一度夏の過ごし方を見なおして見る機会をとるのもよいかもしれません。ターム中に復習、宿題のサイクルはうまく回ったでしょうか。消化不良感が残った単元はあったでしょうか。
 
そのような単元、ないに越したことはないのですが、もしもあったなら、あったということをしっかり把握しておけばいいんです。そして、それをいつ解決するかということを考えておけばいいですね。とにかく子どもは毎日のことで手一杯だと思います。ある程度親が理解度や進捗を把握し、スケジュールを立ててあげるのが現実的です。
 
毎日のお弁当に送り迎え、そして学習の進捗確認とそのフォローの段取りと、実は受験生であるお子さん以上にお母さんが大変だと思います。お母さんの体調も、とても大切ですね。
 
夏休み前半の学習の進み具合が思ったよりうまくいっていないなら、お盆や8月末の使い方が重要になってきます。サピックスの6年生は8月の終わりに「夏期集中志望校錬成特訓」という講座があります。この講座、もしも夏の「積み残し」が多いと感じるなら、受講を見合わせるのがいいかもしれません。講習がうまく回っている子を念頭に作られているからです。
 
お盆期間の時間の使い方も、そろそろ現実的に考えられるようになってきたかもしれません。つまり「やりたいこと」が出てきたということです。6年生は夏が終わるといよいよ受験対策一色です。夏に1つでも「できるようになったこと」「乗り越えたこと」を作っておきたいですね。
 
 
■モチベーションを持続させ、そして9月へ
 
お母さんから見ると「まだまだ」かもしれませんが、お子さんたちは「けっこう大変だ」と思いつつがんばっています。1日の終りは、お子さんに対しても、ご自身に対しても、ねぎらいで締めくくりたいものです。
 
6年生とはいっても、やはり息抜きも必要です。ちょっとしたお出かけの機会や遊びの時間などもバランスよくとってやりたいですね。
 
サピックスは8月からマンスリーテストが範囲のないものになります。このテストでうまく結果を出すのが、秋からの勉強に弾みをつけ、モチベーションを高く保つポイントです。四谷大塚、日能研ならタームごとに数回行われるテストで結果を出すのが、直近の目標となります。 そして9月の「合不合判定テスト」「合格判定テスト」ですね。
 
夏は「天王山」と言われますが、9月からの受験対策期間の準備期間とも言えます。上手く過ごしていきましょう。

夏の最大のポイントは「復習」

■夏は復習が最大のポイントです
夏休みですね。塾でもそろそろ夏期講習が始まり、その宿題を夏期講習以外の時間にするという学習サイクルが始まりつつあると思います。数日間塾の授業が続けてあり、1日休みというサイクルの繰り返しになることが多いと思います。夏のはじめにお伝えしておきたいのですが、夏の学習の最大のテーマは「復習」です。
「夏期講習自体、1学期の復習なんじゃないの?」と思われたかもしれませんね。確かにそうなのですが、ここでいう復習とは、その日に習ってきたことの復習です。つまり夏期講習の授業の復習をしっかりしましょう、という意味です。
確かに、夏期講習のカリキュラム内容は(塾によって異なりますが)復習の場合が多いです。過去に一度習った単元を夏期講習でもう一度教えてもらうのだから、それ自体がいい復習になる、という考え方もあります。しかし別の見方をすれば、教える先生の方も、そして使用するテキストも、「一度習った内容」ということが前提だということで、1学期に初めてそれを習った時ほどには、すべてが丁寧ではありません。
■講習会テキストは完璧ではない
多くの講習会テキストは「まとめのページ」に習うことの概要が書かれていて、それを補足するような内容の授業を先生が行い、あとは問題演習が中心になるように作られているのです。だから、授業では積極的にテキストの余白に先生の授業内容を書き込み、それを見ながらしっかり復習した上で、宿題に臨んでほしいのです。
普段の授業で使われるテキストは、オールマイティに作られています。それで勉強すれば習った単元の基本はひととおり理解、習得でき、その塾が考える「中堅校」くらいには十分対応できる力がつくように、との目的で作られています。
しかし、講習会のテキストは「ダイジェスト」とも言えるもので、これまで習ったことのうちエッセンス、一番重要な「これだけは」的な作りになっているのです。だから、先生が授業で言ったこと、ノートに書いたことまで合わせて1つの完成形になるというつもりで、しっかりメモを取り、宿題の前にしっかり復習することが大切なのです。
夏は私が提唱する「家庭内ミニ授業」を採り入れるチャンスでもあります。
夏期講習で習ってきたことを、ご家庭でお父さん、お母さん相手にお子さんが「授業」することで、お子さんの理解度は、はっきりわかります。うまく説明できなかったり、お父さん、お母さんが聞いていて矛盾していることに気付くようなら、塾の授業の理解度が低いということになります。早く気付けばその分早く手が打てますから、是非試してみてください。
■週単位での見直しをしっかりすることが大切
夏期講習がうまく回っているか、講習会の授業をしっかり理解できているか、家庭内ミニ授業などでチェックし、その結果対策を打たなければならないなら、すぐにでも動かなければなりません、そのためチェックは週単位、まずは7月末くらいのタイミングで一度チェックし、修正すべきことは修正しましょう。全部解決しなくてもOKです。課題として残ることは何かがわかっていれば大丈夫 です。
残った課題は、
①夏の間に片付けておかねばならないこと
②秋以降にじっくり解決すべきこと
に分類し、①はお盆、そして講習会が終わって学校が始まるまでの期間に解決しましょう。
4年生、5年生はあまり欲張りすぎず、各科目1単元、2単元でも解決できれば大きいですね。
しばらく気温が高くない日が続いていますが、本格的な夏に入っていきます。うまく毎週を回していきましょう。 

夏の満足度を高めるための数日間です

今日が終業式である小学校も多いのではないかと思います。何回かお伝えしてきましたが、塾の夏期講習が始まるまでの数日間、貴重です。ここで学校の宿題の大半を済ませてしまおうと計画しているご家庭もあるでしょう。また苦手単元の補強や復習などを予定しているかもしれませんね。
いずれにしても、この数日間を「ただなんとなく」過ごしてしまわないようにしたいものです。
■6年生はもう入試対策しかない
夏期講習は、6年生はもう入試対策しかないですね。どんどん問題を演習する中で自分なりの課題を発見し、足りないところ、忘れていたところを埋めていく、というイメージの授業になります。一般に「演習型」と呼ばれる授業ですが、後期の学校別の特訓などは、この典型的なものです。
6年生の夏期講習は「これまで習ったことを総復習」するのではなく、「これまで習ったことが身についていることを前提に、入試問題タイプの『総合問題』に対応できるよう練習する」と考えてください。夏までに1つでも2つでも、苦手分野を「つぶして」おかなければなりません。
もう一度夏期講習のカリキュラムを確認し、不安のある分野や単元があるか確認しておきましょう。
■5年生は塾によって夏期講習の考え方に違いがあるが、準備は必要
5年生の場合は塾によってかなりの違いがあります。基本的に夏休みもカリキュラムが進んでいくサピックスに対して、日能研は1学期の復習、そして四谷大塚はこれまでの復習が中心で、これに2学期以降に学習する単元の予習が加わります。
浜学園の夏期講習も1学期までの学習範囲の復習ですが、これに平常授業が加わるため、2本のカリキュラムを併行して進めている状態になりますから大変です。当然宿題も2倍、もしも「最高レベル特訓」といったオプション講座までとっていたら、さらに大変です。
5年生の夏期講習は「復習中心」とはいえ、すべての学習単元において「一から丁寧に」という授業ではありません。1度習っている単元だという前提で授業は進められるので、不安のある単元はこの数日間にちょっとでも解決しておきましょう。
弱点単元、苦手分野の特定は、過去のテスト結果からです。お子さんの記憶と実際の苦手分野にズレがある可能性があるからです。「見たことがある・知っている問題」と「自分が解くことができる問題」を混同している子どもは多いものです。
■達成感もあり、夏を満喫できる数十日にするための、ここから数日が大切
どの塾も、5年生は6年生に比べると夏期講習の日程には余裕があります。4年生ならさらに余裕がありますね。夏期講習のカリキュラムの中で、特に何を身につけたいか、あまり欲張りすぎないテーマを設定し、その達成具合を夏休みの起点起点で確認するようにしましょう。夏期講習のタームの切れ目ごとに「何ができたか」「何ができなかったか」を確認すれば、夏期講習のない日の時間の使い方も決まってきますね。
お子さんが5年生までのご家庭なら、「勉強だけ」にせず、遊びやお出かけなどバランスよく予定を組んで、達成感もあり「夏を満喫した」という満足感を感じる夏にしたいですね。
ここから数日、しっかり準備しましょう。

6年生のテストは「得点力」が求められます

■苛酷さを増してきた6年生のテスト
7月3日、サピックスの組分けテストが行われました。純粋な問題難度は(平均的には)そう高くはなかったのですが、出題のしかた、問題配列など受験生にとってかなり「とっつきにくい」部分もあったようで、特に「理科が難しかった」という声を多くの子ども達から聞きました。
その理科の問題ですが、分析して難度別に分けてみたところ、以下のようになっています。
A・・・易しい・基礎知識・・・23問(52.3%)
B・・・標準・思考系問題・やや難度の高い知識・・・13問(29.5%)
C・・・難しい・複雑な思考、計算を伴う問題・・・8問(18.2%)
上記のような配分で、これだけみるとそう難しいテストには見えません。
以下、具体的な大問ごとの問題配分を見ていきます。
■大問ごとの内容と難度は・・・
大問1
小問集合でレベルAとBのみの出題。難関校狙いなら絶対に落とせない部分。一方中堅校が第一志望のお子さんも、この部分で点を稼がねばなりません。約半分が天体に関する知識の問題でした。多く間違っていた受験生は、覚えなおしが必要ですね。
大問2
溶解度計算に関する問題。レベルBの問題が中心で、AとCのレベルがバランスよく含まれています。レベルCは(3)②(7)①②のみ。これ以外でどこが間違っていたか、確認しましょう。
大問3
人体、消化と吸収に関することが中心の出題。この大問もレベルAとBのみ、しかもA問題が中心の出題。間違いが多かった受験生は、明らかに知識不足、つまり習ったことを忘れています。次にサピックスのカリキュラムで人体が扱われるのは9月「人体総合」です。ひとまず夏休みまでに復習と覚えなおし、知識の点検をしておきましょう。
大問4
てこに関する問題。・・・ですが、受験者全員にとって「初見」だったのではないかと思います。てこを利用した体重計の話題で、結局その仕組みがわからないまま、この大問すべてを「捨て問題」にした受験生も多かったでしょう。しかし、実はそれで「正解」ともいえます。少なくとも第一志望校が中堅レベルの中学校なら、時間と労力を使うべきはここではありません。
■入試問題を戦略的に解くという視点を
大問4のB問題は(1)のみ、あとはすべてC問題。Cの中でもかなり難度が高いといえるでしょう。配点は18点。サピックスの塾生なら問題数を数えてそれくらいの計算はしたのではないでしょうか。
ああ、ここで時間と労力をかけて勝負するより、大問1〜3に戻って不安のあったところを解き直そう、と考えた受験生も多かったと思います。ここで「大問4をほぼ丸ごと投げ出した」ということに気持ちをどれくらい揺さぶられてか、が問題です。
大問4に差し掛かった時点で、残り試験時間は数分だったはずです(理科のテストの制限時間は30分です)。ここで気持ちのタフさが求められるんです。これまでも組分けやオープンテストはそうでしたが、ここからはさらに「実戦力」「得点力」が求められるテストになっていきます。秋からの学校別オープンなどその典型です。
夏には過去問の演習も始まりますが、戦略的に「残り時間で何に取り組めば最も得点を得られるか」という視点で問題を見ることが大切になってきます。今一度、お子さんとこのテストを見なおしてみてください。夏休みが始まるまでにやるべきことが見えてくるはずです。
■四谷系・日能研でも同じことがおこります
早稲田アカデミーを含め、四谷大塚系の塾では7月10日に合不合判定テストが行われましたね。やはり受験生の夏前、いよいよ「入試対策」という言葉がリアルに聞こえるこの時期のテストだけに、同じことが起こっていると思います。
日能研は9月から6年生の公開模試が「合格判定模試」になります。こちらも入試問題並みの実戦的なテストになるでしょう。6月までのテストを「得点力」という視点で見直して夏に臨んでください。
テストで解ける問題は一人ひとり決まっています。今できないことが、テストのときに急にできるようになることはありません。「このテストで、自分の実力で最大限取れるのは何点か」を常に確認し、得点をそれに近づける努力が必要です。
そんな視点で、夏休みまでの期間にやるべきことを考えてみてください。 

親子で取り組む自由研究

7月に入りました。
夏休みも間近、親子ともにやりたいこと、準備したいことなど様々ありそうですね。
今回も、前回に続いて自由研究についてです。特に6年生は夏期講習や特訓など塾の予定も盛りだくさんで忙しく、学校の夏休みの宿題については「すきま時間に手際よくやる」といった扱いになりがちです。中でも自由研究や読書感想文は手がかかり、時間を取るのでお困りのご家庭も多いと思います。
自由研究に関しては、宿題である限りやっていくべきだと思います。そしてどうせやるなら、受験にも役立ち「学び」のあるものにしたいものです。前回はお子さんひとりでできる簡単なものをご紹介しましたが、親子で取り組む場合はもうちょっと複雑なものもできそうです。
■お湯、缶など身近なものを使って
ちょっと見た目にもインパクトのある実験として有名なのが、大気圧に関する実験。
【用意するもの】
・大きめのボウル
・熱湯(少量)
・フタを閉められるタイプのコーヒー缶
・水
【実験方法】
(1)お湯を沸かし、空のコーヒー缶の中に少量注ぎます
(2)しばらくフタを閉めずに放置します(30秒から1分程度)
(3)缶の中の湯を捨て、缶にフタをします
(4)ボウルに缶を入れ、缶に水をかけます
さて、結果どうなるでしょうか。
水をかけ始めて程なく「パキッ!」と派手な音を立てて缶がへこみます。
缶はどうしてへこんだのでしょうか。
(1)(2)でコーヒー缶の中の中の熱湯、湯気以外の大部分の空間は水蒸気で満たされます。(3)で熱湯を捨てた直後は、缶の中は大部分が水蒸気です。
(4)フタをした状態で水をかけると中の水蒸気が冷え、水に戻ります。
そうすると缶の中が真空状態に近くなり、外側にかかっている大気の圧力(=大気圧)の力でへこむという訳です。結構大きな音がする実験で、お子さんも興奮すると思いますよ。
■本格的な実験を水草一本で
光合成の実験に関する入試問題も多いですが、家庭で再現することも可能です。
【用意するもの】
・オオカナダモ(数本)
・煮沸して冷ました水
・電気スタンド
・ストロー
・ペットボトル
【実験方法】
(1)ペットボトルに水を入れ、ストローで息を吹き込む
(2)ペットボトルの水に根元を切ったオオカナダモを入れる
(3)部屋を暗くし、スタンドの明かりをペットボトルに当てる
(4)5分毎にオオカナダモの切り口から出た気泡の数を数える
(5)電気スタンドをペットボトルに近づけた場合、遠ざけた場合などくらべる
光量が強いほど光合成はさかんになるので、そのことが気泡の数で確かめられたら実験成功です。
水中の二酸化炭素が光合成で使われて減ったということは、どうやって確かめればよいでしょうか。
これには前回述べた「ムラサキキャベツ液」を使用するのもいいですね。水のかわりに使えば、水溶液の声質の変化を目で見て確かめられるはずです。
息を吹き込んで二酸化炭素を溶けこませたとき、溶液は酸性に、そして光合成で二酸化炭素が使われ減っていくと、中性に近づいていくはずです。
またこの実験で使うペットボトルは、炭酸飲料用のものがいいでしょう。
なぜだかわかりますか?
こんなことを考察してみるのもいいですね。
(答えは「表面がツルンとしていて、中が観察しやすいから」です) 

中学受験にも役立つ自由研究とは

■1日でできて受験にも役立つ自由研究
夏休みがまもなく始まります。読書感想文や自由研究など、ふだんは出ない種類の宿題も出ますね。塾の夏期講習などで忙しい受験生は、なかなか自由研究などにも長い時間、期間を割くことはできません。今回は1日でできて受験にも役立つ、そんな自由研究についてです。
毎日何かを観察したり観測することが難しい受験生の場合、観察は観察でも1日で、深く観察するようなものがオススメです。たとえば花の作りを細かく観察してレポートするなど。夏ですから、庭や花壇に咲いている花はたくさんあります。
アサガオ、ヒマワリ、ヘチマなど身近な花を分解し、スケッチしたり写真を撮ったりして詳しく形やはたらきなどを調べ、レポートします。こういったレポート系の自由研究でポイントとなるのは、必ず「仮説」を立てること。「こうではないか」という仮説を立て、実際に観察し、調べ、結論を出す。
仮説⇒実験・観察⇒結論
というつくりにすると、それを見る人にも「なるほど」という気付きを与えられます。
■実験をしよう
1日でできる自由研究といえば、オススメなのは実験です。入試問題にもよく出てくる実験を自分で行えば、理解を深める事にもつながります。
たとえば酸とアルカリの実験。身近な水溶液が酸性・中性・アルカリ性のどれにあたるかを実験するだけでも楽しく、学びがあるものです。
水溶液の性質を性質を調べるには指示薬が必要ですが、リトマス紙は薬局などで購入することが可能ですし、BTB溶液も購入可能です。劇薬ではないですが、薬品の取り扱いには十分注意しましょう。ムラサキキャベツ液は自分で作れます。スーパーなどで売っているムラサキキャベツを煮て、その煮汁を冷ませばできあがり。一度に大量に作ることができて使い勝手がいいですね。
これらの試薬にいろいろなものを加え、その色の変化を記録し、レポートします。鮮やかに色が変化するので、それを写真などに撮っておくとよいですね。特にビーカーなど使わなくても、使い捨ての透明なプラスチックカップなどでもいいでしょう。色の変化をわかりやすく見せるため、カップを白い紙の上に置くとよいでしょう。
水道水、炭酸水、石けん水、酢、食塩水、砂糖水、重曹水など、いろいろな水溶液を作って、親子で楽しみながら実験しましょう。
この実験の場合も、やはり「仮説⇒実験⇒結論」という流れは同じです。
次回は自由研究に関してもう少し掘り下げてみたいと思います。 

サピックスも日能研も、5年生の夏はけっこう忙しい

■夏休みはけっこう忙しい
夏至が過ぎ、夏休みが近づいています。今一番気になるのは、やはり夏期講習のことでしょうか。塾の夏期講習にお子さんを行かせることを前提に予定を立てているご家庭も多いと思います。
夏期講習に関しては注意すべきことがあります。たとえばサピックスの5年生の場合、夏期講習は全20日の日程で行われます。連続して5日間通塾日があり、1日のお休み。そしてまた5日間の通塾があり・・・の繰り返しです(お盆期間、8月末の一週間はお休み)。これは日能研など他の塾でも同じようなもの。
サピックスでは、夏期講習で扱われる単元は、算数で14単元。つまり、連続する5日間で扱われる単元数は3〜4つ。ついつい「夏休みは時間がある」と思ってしまいがちなのですが、夏期講習の単元をこなしていくのはけっこう忙しく、大変なのです。ふだん週に1単元という進度に馴染んでいるお子さんにとって、目まぐるしく5日間を過ごして1日休んだら、また5日間フル回転という毎日です。
■「あたふた学習」に注意
このことをあらかじめ念頭に置いて、夏期講習に臨まねばなりません。講習会は午前中ですから、復習と宿題はその日のうちに済ませ、テンポよく毎日を過ごしたいものです。注意すべき点は(サピックスにおいては夏期講習に限ったことではないのですが)その学習進度の速さから「あたふた学習」に陥ってしまいがちということ。
「あたふた学習」と私が呼んでいるのは、とにかく宿題を終わらせることが目的になってしまっているような勉強のこと。内容を深く理解しないまま「当てはめる」「習った手順通りに作業する」というふうになってしまうと、せっかく時間をかけて勉強しても身につかず、何より「考える」ということが勉強の中で少なくなってしまうので、勉強していても「なるほど!」という納得感がなく、楽しくありません。
午後からは自由に使える時間ですから、意識的にお子さんに「今日何を習ってきたのか」を説明してもらうようにしたいですね。
■今から「夏の毎日」をイメージして
夏期講習の5日ごとのタームの学習をうまく回せているなら、お盆期間や8月末の塾のお休み期間は別のことに使えそうです。やっつけておきたかった苦手単元や、7月の組分けテスト、復習テストで間違った単元など、いくつかやるべきことを用意しておけばいいですね。
親も子もついつい「夏休みは長い」「夏休みは時間がある」と思ってしまいがちですが、始まってしまえば結構バタバタと過ぎていきます。やるべきことはあらかじめ準備しておくのがいいでしょう。
このように「6年生でなくても夏はけっこう忙しい」ということを念頭に置けば、7月、学校が夏休みに入ってから塾の夏期講習が始まるまでの数日間も貴重です。学校の宿題や自由研究、読書感想文などもあり、それなりに時間をとられます。今から「夏の毎日」をイメージして予定を立てておきたいものです。
次回は1日でできて受験にも役立つ自由研究についてお話ししましょう。 

高学年につながる「デキる」勉強法を

■小学校高学年で「やる気」を無くす子どもたち
ここ最近よくあるご相談が「子どものやる気が急になくなってしまった」というものです。親から、あるいは塾の先生から見れば「急」なのかもしれませんが、割と時間をかけてそうなったとか、張り詰めていたものが切れたとか、そんなケースが多いのです。
高学年になるにつれて、勉強において最も求められる力は、考える力であり、その気力になっていきます。子どもが勉強していて、「自分にはこの問題が解けるはずだ」と思えるかどうか。それはこれまでの経験で決まります。
試行錯誤し、手を動かして、やっているうちに法則なり、決まりに気づく。あぁ、苦労したけどこれでやっと少し楽に解けそうだぞ、なんて考えながらニンマリしたり、頭を抱えたり。
そんな経験を惜しまずやってきたか。
■「手っ取り早く答えが出る方法」を知るのが勉強なのか
担当を始めたばかりの頃、「その説明はいいから、答えが出る解き方を早く教えてほしい」といった意味のことを言う子がいます。手っ取り早く、すぐに解決できる方法を教えてほしい、という意味です。
すぐに答えが出る方法を知ることが大切なんじゃなくて、自分で解き方や考え方がわかるようになることが大切なんだ、と言っても、いや、そんな悠長なこと言ってられないよ、だってこの1時間で10問解かないと、お母さんに怒られちゃうんだ、とでも言いたげです。
答えを出すための「手っ取り早い方法」を求めるこの子が悪いのでもなく、この子がなかなか宿題を仕上げられないからと気を揉んで、ついつい口うるさくなってしまうお母さんが悪いのでもありません。
でも、もしもお子さんがまだ低学年なら、「来週のテストのための勉強」ばかりにしてあげないでくださいね。低学年のお子さんが「来週のテスト」でいい点をとるのは、割に簡単です。すべて覚える、写真のように記憶の中に写しとって、次の週に再現する、ということが低学年のお子さんには可能だからです。
可能だからといってそんな勉強ばかりしていると、考えずに覚えるということが勉強だとお子さんが勘違いしてしまいます。
でも、低学年のうちから塾に通わせていると、知らず知らずのうちにそういう罠に気づかずにはまってしまいがちなのです。
■「できた」と思っていたのに
一週間がんばった「証」としての確認テスト。先週やったことと「同じようなこと」が再現できれば、親は安心します。「この単元は身につけてくれたな」と。でも、できたできたと思っていたのに、範囲のない大きなテストになると、似たような問題ができない。
忘れてしまったの?ちゃんと出来ていたのに。
親はそう思いますが、実は単にあたりまえのことがおきているに過ぎません。最初から「わかって」いなかったのです。「やりかた」「答の出し方」を覚えていただけだからです。
このような状態にならないために必要なのが、何かに没頭し、考え、どうすればいいかな、と考える習慣、機会です。未解決な問題の解決法を、自分でいろいろ悩んで考えるのです。
大人から見てくだらないことでもいいので、お子さんが深く考えて没頭できる何かに、集中させる時間をとってあげる。とくに「勉強」でなくてもいいと私は考えています。どうしたらいいだろうと考え、試行錯誤し、悩んで、行動して、反省したり納得したり。
そんなことに費やせる時間をとってあげると、お子さんが小学校の高学年になったとき、「あの時のあれがここにつながっているのかしら」と思うことが待っているはずです。 

6年生は「夏までに仕上げる」つもりで

■次のテストこそ・・・

 

6月になりました。

 

お子さんを浜学園に通わせているお母さんの中には、今ちょっと落ち着かない気分の方も多いのではないでしょうか。

 

なぜなら、浜学園の6年生は、7月から志望校別特訓が始まるからです。この志望校別特訓には、コース別に資格審査があります。

 

男子・女子それぞれに「最難関中コース」というコースが設定され、このコースの受講資格は偏差値が一定以上でないととることができません。「最難関中コース」の資格が取れなければ、男女混成の「難関中コース」を受講するしかありません。

 

この2つのコースの学習内容、レベルには大きな違いがあります。

 

上位校を目指すお子さんの場合、なんとしても「最難関中コース」に在籍したいのですが、その資格審査の対象になるテストが、もうあと少ししか残っていないのです。

 

6月の公開学力テストで資格が得られなかったら、ひとまず7月の日曜特訓は「難関中コース」で受講を始めるしかありません。

 

だから、今度の日曜の公開テストではなんとしても・・・という気持ちのお子さん、お母さんも多いのです。

 

 

■テスト結果より、結果を出せる実力が大切

 

浜学園に限らず、夏を控えて、非常に大切なテストが控えているのが6月、7月です。サピックスでは6月にサピックスオープン、7月組分けテストの結果が夏以降の学習に大きな影響を及ぼすことになります。四谷大塚系の塾では、7月10日に第2回合不合判定テストがありますね。

 

「夏は受験の天王山」と言われますが、夏に伸びるというよりは、夏からのがんばりが形になる「下地」ができていてこその「天王山」なのです。

 

だから、6月を迎えた今から夏期講習が始まる7月下旬までの数十日の過ごし方は、非常に大切です。テストで結果を出すことも大切ですが、テストで結果を出せる力をつけておくことが何より大切なのです。

 

 

■夏までに「仕上げる」つもりで

 

夏期講習の内容、カリキュラム、クラス編成などは塾によって違います。しかし、6年生の授業では共通していることがあります。

 

それは、6年生の授業は「すでに習ったことが前提」で進められるということです。ひととおり受験に必要なことは学習し終わっているという前提で、授業が進められます。

 

すべてのことがらが「わかってるよね?」とう前提で行われると考えて差し支えありません。だから「塾の夏期講習で復習しよう」と考えていてはいけません。

 

夏期講習で復習して定着できるよう、6月のうちに準備しておくのです。

 

「なんとかしなきゃ」と漠然と引っかかっている単元、分野はありませんか?

 

テストの答案と正答率表を用意し、ある正答率よりも高い正答率の問題で間違っているものをチェックしましょう。ようするに「みんなできているのにお子さんが間違った問題」をリストアップするのです。

 

1つでも2つでもそういった問題を解き、夏期講習ではそのような問題を復習して身につけられるよう、準備するのがここからの数十日です。

 

がんばりましょう。

 

お母さんの笑顔は、あらゆる面でお子さんにいい効果がある

■受験では何があるかわからない
昔々、あるところにこんな子がいました。
かなりの秀才児で、だれもが最難関中学校であるA中学校に「当然」合格すると思っていたお子さん。大手進学塾の模試でも、よくトップ10に入るくらいできる子だったのです。
いよいよ小6の冬、中学受験のシーズンを迎えました。その子は当然、他の多くの「できる子」同様、第一志望校がA中学校。そしてB中学校、C中学校などにも出願、受験しました。
結果、何とその子はA中学校を不合格になってしまったのです。
これは親が肝に銘じておかなければならないことですが、受験に100%はありません。
限りなく可能性が高くても、当日何があるかわからないのです。
ずいぶん体も大きくなるとはいえ、生まれてからまだ12年しかたっていないのです。
生まれて初めての状況に、頭が真っ白になることだってあります。
不幸だったのは、その子が不合格だったことよりも、その子が不合格だったことで、お母さんが打ちひしがれてしまったこと。
自分のために大好きなお母さんが悲しみ、打ちひしがれる姿を見たら、子どもはどれほど傷付くでしょう。
■大人になると忘れてしまうこと
お母さんの機嫌がちょっと悪いだけで、皆さんはどれくらい憂鬱な気分になったか、覚えていらっしゃいますか?
私は子どもの頃、親に隠し事をしている時、もう何もかもなくなってしまえばいいのに、と思うくらい憂鬱だったことを覚えています。今から考えたら、友達から(子どもにしては)ちょっと高価なおもちゃを貰って親に言い出せなかったとか、そんなことでです。
理由は何であれ、親は子どもにそれほど大きな影響を与えます。こんなこと、現役のお母さん、お父さんなら私に言われなくても、日々身をもって感じておられるかもしれませんね。
昔のこと、そしてあまり思い出したくないことは、人間は無意識の中に閉じ込めてしまうものです。そして、「どうしてあの子は私の言うことを聞かないんだろう」と悩んだりするのです。
よく自分のことを思い出してみれば、子どもには子どもの事情があるんだと気付くこともあります。
■逆手に取りましょう
子どもがどれだけ大きく親から影響を受けるか、自分が子どもの時のことを思い出し、実感することができれば、意識的に「機嫌よく過ごす」という選択肢をとることができます。
「この子は口うるさく言わないとちゃんとやらないんです」
そう仰る方もいますが、そうでもありません。また、口うるさく言うことと機嫌がいいことは両立できます。お母さんが、「言うべきことは言うけど、機嫌がいい状態」だとお子さんは安心してがんばれるものです。
お母さんが笑顔でいることは、お子さんにとってあらゆる面でいい効果があります。
ちょっと意識してみるだけでも、ずいぶん違うものです。 

Page 27 of 60

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

COPYRIGHT@西村則康公式サイト