前回は、計算間違いを少なくする「短期記憶力」を高める練習を書きました。
でも実は、計算間違いの原因は、多くの場合もっともっと単純なことが多いのです。
「字がきたない!」これが大きな原因なのです。
な?んだとおっしゃるかもしれませんが、これでどれほど多くの子供が損をしていることか。
家庭学習用のノートにはきれいな数字が並んでいるお子さんの中にも、テスト問題に残った計算を見ると、乱雑であることが珍しくありません。
「字は人をあらわす」と言いますが、人をあらわすかどうかは別にして、少なくともその瞬間の気分を推し量ることがでします。普段のノートに書かれた数字と、テスト中の数字が異なると言うことは、気分が違ってしまっていることになります。
早く解かなければとか、「これを計算し終わったらすぐにこれをやって…」などとその問題に集中できていない可能性が高いのです。
■ノートの字もきたない場合■
第1に 鉛筆の持ち方
近頃、正しく鉛筆を持っている子供にはあまりお目にかかれません。親指がかぶさっていたり、極端な場合は鉛筆をむんずと握った持ち方で書いていたり。ま
た、鉛筆を持つ手首が内側に折れていたり。練習を積めばそれなりに書く事が出来るのでしょうが、きれいな字を素早く書くにはちょっと無理だと思うのです。
鉛筆を正しく持つ事で生まれるメリットは、これだけではありません。線や図形がフリーハンドできれいに書けるようになります。
第2に 普段の数字をきれいにする練習。
はじめは5mm方眼のノートを使いましょう。ここで注意が必要です。一マスに1字を入れていくと、間隔が空きすぎます。
少し小さめの数字を書いていく場合には、1マスに2つの数字を入れるぐらいが適切です。
大きな数字を書くお子さんの場合、下線にそろえて書く事に注意をはらいますが、数字の間隔は方眼にこだわらないようにします。
(計算練習に適したノートってなかなか無いんですよね)縦がきれいにそろうように注意してあげてください。
方眼のノートにきれいに書けるようになったら、(約半年後)罫線のノートに変えます。
■ノートの字は良いのにテストに残った数字が乱雑な場合■
どこに計算をするのかという「スペース取り」の練習をさせてください。この問題には、このぐらいの計算量が必要だから、ここにやろうという予測をさせるわけです。
筆算の割り算をする場合、下の方から始めてしまって、その横に書きつなげているお子さんが多いのですが、これでは小数点の位置がよく分かりません。縦にどのぐらいの空きが必要なのかに注意が向いていないからです。
「計算のスペース取り」にまで注意が向くようになれば、テストの数字はきれいになります。
これ以外にも計算ミスを減らす方法があります。
ある特定の数字でよく間違えることはありませんか。九九で言うと7の段。引き算でいうと25-18のように1の位が5の場合。…これらは、気がつい
たときにカードに書き出して、何度も練習させるとすぐに間違わなくなります。親御さんの方で、「うちの子はどこでよく間違えるんだろう」と少し見てあげる
事が出来れば、すぐに見つかります。
ミスは、ミスをする習慣を身につけてしまったから、必然的にそうなっているのですから、その習慣をちよっと変えてあげるだけでミスをしなくなる場合が多いのです。