12月も後半戦を迎えました。

中学受験生の皆さんは、風邪など引かず元気に過ごしていますか?

世の中はクリスマスだ、年末だとにぎわう楽しい季節ですが、皆さんはそんなものにかまっている暇はありませんね。

受験が終わるまで皆さんのお楽しみは「お預け」になってしまいますが、今しかできないことに全力で取り組み、ぜひ悔いのない中学受験にしてください。

皆さんのがんばりが報われる日は、もうすぐそこですよ!

さて、今日は受験直前期にやっておきたいこと・やってはいけないことをお話します。

まず、何度もお伝えしていますが、未だに夜型の勉強をしている人がいたら今日から朝型に切り替えましょう

新しい生活リズムに身体を慣らすには時間が必要です。

本番数週間前からでは間に合いませんから、今が最後のチャンスです。

午前8時~9時スタートの入試本番でしっかり頭が働くように、6時~遅くとも7時までには起きるよう習慣づけておきましょう。

また、起床からお昼まで何も食べないという人も明日からは朝食を取ってください。

ご飯など脳のエネルギー源となるブドウ糖を含む食材をしっかり摂り、頭が働きやすい状態で試験に臨みましょうね。

次に、学習内容についてです。

この時期は焦りや不安が高まりやすく、学習内容の「抜け」「苦手な部分」に目が行きがちです。

けれど、この時期「できないこと」にとらわれるのは禁物です。

もちろん学習内容の抜けや苦手分野を発見したら、その部分を埋め、克服すべきです。

しかし間違ったときは、しっかりその内容を理解し、類題を数問解いたらもう次に進みましょう。

この時期は「できない」部分の学習に膨大な時間をかけることよりも、得意分野で確実な得点力を磨くことの方が有効です。

いつまでも「できない」部分に固執して「もっと解かないと」「そもそも基礎から分かっていない気がする」「すべて初めからやり直さないと」「もう間に合わない……

と、無駄に自分のモチベーションを下げ、過去問に掛けるべき時間をそこに費やすのはやめましょう。

時間は限られています。

特に直前期は計画的に、志望校の教科ごとの配点や出題傾向を鑑み、必要な部分を、適切な優先順位で学習しましょう。

当たり前ですが、合格可能性アップ=総合得点アップです。

自分がどのようなバランス・順序で学習するのが最善なのか、ぜひ塾の先生や家庭教師の意見も取り入れながら進めてくださいね。

同じ理由で、この時期に新しい問題集に手を出すのも避けましょう。

「こんなこと知らない、今更どうしよう!」「買ったけれど最後まで終わりそうにない!」と、不安な本番を迎えることになるのは本末転倒です。

知識は一つでも多いに越したことはありません。

実際、以前お伝えしたとおり当日の朝覚えた年号や名称が受験に出たということもよくあることです。

けれども、最も得点アップに有効なのは、得意分野で確実に得点できるようにすることだということを忘れないでください。

新しいものに手を出すよりこれまで自分が一生懸命取り組んできたテキスト・問題集・参考書・過去問を何度も復習しましょう。

そして、同じ問題や類題が出たら、確実に得点することが重要です。

 最後に、保護者の方に気をつけていただきたいことが3つあります。

1つ目は、お子さんの睡眠時間です。

この時期のお子さんは気丈に振る舞っていても、心のどこかに緊張や不安を抱えているものです。

もっとやらなければと深夜まで勉強して寝不足になると翌日のパフォーマンスは著しく落ちます。

具体的には、計算ミス、誤脱字、文の読み違い、勘違いによる失点が多発し、集中力・記憶精度が落ちるため学習効率が下がります。

さらに、寝不足はメンタルの不安定も招くので、不安で眠れなくなってしまい、また眠れなくなる、という悪循環に陥る可能性もあります。

お子さんがいくら勉強したがっても、23時前には必ず就寝させてあげてください。

2つ目は、保護者の方の気持ちです。

この時期、ご本人はもちろん親御さんも不安定になりがちです。

ご自身ではどうにもしてあげられないもどかしさも相まって、余計にいても立ってもいられずあたふた取り乱してしまう場合もあるかもしれません。

けれど、そんなご自身の感情を「(お子さんの手前)隠さなくては」と無理に抑えようとなさらないでください。

大切なお子さんの受験を控えたこの時期、応募状況や倍率も耳に入ってきて、保護者の方は不安になって当たり前です。

どうかそんなネガティブな感情も、お子さんを想うからこそと受け入れてあげてください。

その上で改めて日々努力を続けるお子さんに目を向けられれば、きっといつもの調子が戻られ、大きな気持ちで構えていただけると思います。


そして最後が、声掛けについてです。
直前期の受験生は、自信を持つことが大切です。

「がんばれ!」「○○しておかないと駄目だよ」「不合格になったって良いじゃないか」など、お子さんの感情を逆撫でしかねない声がけは避けてください。

そして、大切なのはどんな言葉をかけてあげるかよりも、「この子は大丈夫」と、保護者の方ご自身がどんと構えた態度でいてあげることです。

ご自身の心の安定のためにも、ぜひお子さんの学習量、がんばり、今できていることの方に目を向け、日々の声がけは「おつかれさま」「がんばっているね」「ゆっくり休んでね」などのねぎらいの言葉にとどめてあげてください。

ご自身のどんと構えた態度と「大丈夫」の一言こそが、きっとお子さんに安心感と大きな自信を与えてくれると思います。