■ △を◯にするために
主宰する家庭教師「名門指導会」では今「合格可能性△をなんとかして◯にするために何ができるか」を話し合っています。
もちろん、家庭教師の先生方は(もちろん塾の先生もそうですが)担当するお子さんたち、全員を第一志望校に合格させたいと願っていて、各ご家庭もそう希望しています。
だからご家庭と講師が緊密に連携し、相談することが大切なのですが、名門指導会の強みは「よってたかって合格させる」ことだと思っています。
通常、家庭教師というのは「単独」で業務にあたることが多い職業です。
「単独」というのは「フリー(?)でやっている」という意味だけでなく、大きな家庭教師派遣センターに所属していても、ふだんの業務、つまり家庭にうかがっての授業や教育相談などは「ひとりで」やっているという方が多いということです。
家庭教師は「横のつながり」のない職業なのです。
どんなに先生が頑張っていても、個人で収集できる情報には限りがあり、志望校選択や成績を上げるための方策についても、一人の情報、アイデアよりも多人数のそれがある方がうまくいきやすいものです。
しかし多くの家庭教師の先生たちは、生徒の状況について相談する相手がおらず「手持ち」の情報のみで試行錯誤しておられます。
別に宣伝ではないのですが、名門指導会では定期的に「講師研究会」を行っており、生徒たちを合格させるための方策について、担当講師以外の先生方の経験も共有いただき、みんなでよってたかって合格させるための相談をするのです。
■ 情報源は複数あるにこしたことはない
6年生は、現実的な受験計画をたてる時期です。
塾の方でも、受験校に関する面談やアドバイスが行われていきますね。
首都圏は学校が多く、親御さんもすべての学校に関して精通することは難しいのですが、いくつかの情報源を持っておくことが望ましいと思います。
もちろん塾の先生からの情報は貴重で、重要です。
ただ、それ以外の情報源も持っておくにこしたことはありません。
理由はいくつかあります。
上記の通り、一人の人間、ひとつの塾の情報源には限りがあることも、そのひとつです。
また、進路指導する先生の「好み」もあります。
お通いの塾の「得意とするレベル」の学校もありますね。
難関校、上位校を得意とする塾には、やはり中堅校に関するデータは少ないものですし、その逆もまたあります。
ですから、情報源は複数あるにこしたことはないのです。
そして、もっとも大切なことは、受験校の最終決定はご家庭に委ねられているということです。
・・・考えてみれば当然のことなのですが、塾から強く勧められたり反対されると、受験計画を変えてしまうご家庭も多いので、あらためてこの場でお伝えしておこうと思います。
■ 受験校を最終的に決めるのはご家庭
過去に実際にあった例をお伝えします。
あるご家庭は、お子さんをS女子学園に進学させたいと希望していました。
S女子学園は自由な校風と活発な生徒活動などが特徴的な学校で、おとなしいお子さんの性格を考えた親御さんは、ぜひS女子学園で前向きに物事に取り組む姿勢を身につけてほしいと考えていたのです。
しかし6年生11月の塾での面談で、「S女子学園はお子さんには向いていないのでは?」というアドバイスをもらいます。
親以外の大人の前では殆ど喋らない、という女子は意外に多いものですが、このお子さんもまさにそういったタイプだったのです。
悩んだお母さんからご相談を受けた私は「S女子学園を受験させたいと考えていた理由、お子さんの希望などをもう一度確認してみてはいかがですか?」とだけアドバイスしました。
実はこのお子さん(よくあることですが)、塾や学校ではあまり喋らない、おとなしい子という印象ですが、ご家庭では真逆で、とても明るくよく喋るお子さん。
でも、外で(特に大人名の前では)あまりそういった面を表に出しません。
そんなお子さんに、外でももう少し自己表現ができて生活を楽しめるようになってほしい、と親御さんは考え、ご本人も「変わりたい」という願望をもっていたのでした。
ご家庭の決断は、「やはり親子で憧れていたS女子学園を受験する」というものでした。
今では「小学校の頃から見違えるくらい逞しくなりました」というお話をいただくくらい、活発に部活動や生徒会活動に活躍しているそうです。
理科や数学など理系科目が好き、というのも指導した私としては嬉しい限りですが。
人生の選択は「択一」の連続です。
「この選択をしなかったらどうなったか」を確認することはできませんし、考えても仕方がないことです。
だからこそ、志望校選びもしっかり情報を吟味した上で、納得のいくものにしたいですね。
毎年この時期になると、このようなことを考えながらご相談を受けています。