月: 2016年12月

4・5年生は冬休みに1年の総括をしよう

■4、5年生は冬休みにこの1年の総括を
いよいよ冬休み、冬期講習です。6年生は直前特訓ですね。4年生、5年生は新しい学年に向け、この学年の総括をしておきたいですね。お正月が明けたらすぐ2月、新年度です。やるなら冬休みです。
5年生は、どうだったでしょう?この学年で成績が上り調子だった、あるいは上位をキープできたというお子さんは、5年生になったときに勉強法をうまく切り替えられた、あるいは4年生のときにすでに切り替えられていた、ということかと思います。
要注意なのが、5年生で急激に成績が下がったという場合です。しかも4年生までは成績が良かった、というならかなり深刻です。なぜなら、4年生までの勉強はどの科目も量(純粋な1単元あたりに必要な勉強量と1年間で学習する項目数)が少なく、覚えることが中心の学習法でも対応できますが、5年生ではそれが通用しなくなったため成績が下がった、という可能性が高いからです。
幸い4年生、5年生の冬期講習は、日程的にはやや余裕があります。空き時間でぜひ「学習のしかたの見直し」をしてほしいのです。お子さんがサピックスにお通いだと、冬休み後の目標になるのは、1月9日に行われる「新学年組分けテスト」でしょう。日能研なら冬期講習の最後に行われるまとめテスト、そして1月の公開模試(実力判定テスト)ですね。
それらのテストに向け、今年習った内容でもっとも優先度が高いもの、つまりこの冬やるべきことを意識して復習しておいてほしいのです。
■単に「作業」としての勉強にならないよう意識して
復習する際は、勉強が「単なる作業」にならないよう気をつけたいですね。「解き方を覚える」ということも大切ですが、その手前で、そもそも「なぜその解き方を使うのか」を意識することがより大切なのです。
あとひと月ちょっとで、また塾の学年が上がります。学年が変わると勉強量が増えます。そうすると、知らず知らずのうちに「勉強=宿題」「宿題=作業」になってしまいがちです。お子さんがサピックスに通う5年生で、8月末のマンスリーテストで(直近の夏期講習内容の出題が大半であったにも関わらず)散々な成績だったという記憶がある方もいるかもしれませんが、それが夏の間に「作業」に忙殺された結果です。
冬休みに同じことを繰り返してはいけません。
量を減らしてでも「考える」という時間を学習の中に増やす最後のチャンスが冬休みです。
そのとき、お子さんに声かけをするなら、
「どうしてその解き方で解くのがいいの?」
といった感じでしょうか。お父さん、お母さんが「なるほど」と思うような返答がお子さんから返ってくるとベストです。しかしうまく返せなくても「どうしてこの解き方で解くのか」を考える機会を持ってもらうこと自体が価値あることです。
ぜひこの冬、やってみてください。

過去問から学べること(開成中2016年理科)

あっという間に年末です。
受験生たちは、いよいよ、あとひと頑張りですね。
この時期は、もう過去問演習が中心というお子さんも多いかもしれません。
さて、その過去問、どのように演習しているでしょうか。さすがに「やりっぱなし」のお子さんはいないと思いますが、過去問からもいろいろ学んでほしいと思います。
■過去問演習から得られる「プラスワン」とは
時間をはかって解くのはもちろん、なおしや「解いてからの学習」も大切にしてほしいのです。
時間をはかって解き、答え合わせをする。そして、忘れていたことや覚えていなかったことなどを、みなさん確認すると思います。そして覚え直しなどするでしょう。工夫をする子なら、「正解でなかった選択肢」にも目を向け、そこから学べることはないか考えているでしょう。
どういうことかというと、問題の正解は「ア」のアブラナだったとして、残りの選択肢「イ」〜「エ」の中に知らないもの、覚えてないものはないか確認するのです。
こうやって小まめに「知識の抜け漏れ」を過去問演習(に限らず問題演習全般)で行っている子は、この時期にどんどん知識の厚みが増します。ぜひそういった「プラスワン」を演習にとり入れてください。
これが「解いてからの学習」の1つ目です。
■出題者はなぜこの問題を出したのか?
そして「解いてからの学習」の2つ目は、「出題者の意図」を考えることです。出題者がその問題を出題したのには、理由があるはずです。それを考えてほしいのです。
たとえば、2016年の開成中学校の理科の問題、大問1は天体(星座早見盤)についてでした。問1から問5までは、星座早見盤のつくりや使い方をひと通り覚えていれば、難なく答えられる問題なのですが、問6では「図1は、北緯35度、統計140度の場所で使う星座早見です。もしも、北緯35度、東経135度の場所で使う星座早見に作り変えるとしたら、・・・」という問題です。
「天体のこと、星座早見のこと、机の上の知識だけではなく、ちゃんとわかってる?」
という開成の先生の声が聞こえてきそうです。
東経135度といえば、日本の標準時子午線が通っている関西地方。経度が1度変わると太陽の南中時刻は4分ずれる、という知識は子どもたちにはあるのですが、それは太陽だけではありません。経度にして5度のずれ(20分)は、夜空に関してもそうなのです。
つまり関西地方の人たちは、20分前の東京の星空と同じものを眺めているわけです。塾のテキストで「覚えるべし」となっている知識を頭に入れれば対応できる問題ばかりは出さないのが難関校。このあたりの問題をしっかり考え抜いて入試に備えたいものです。
「超難問はとばせばいい」という考え方もありますが、受験者平均点が8割を超える開成では、「捨て問題」の選び方も難しいですね。

「集中力」と「基礎学力」が高学年での伸びしろになる

■「暗記型学習」になっていないか

 
サピックス、日能研、希学園といった大手の進学塾で高学年時に、特に5年生あたりで中位のクラスで伸び悩む典型的なタイプが「暗記型学習」タイプの子どもです。4年生くらいまでの単純な問題では、繰り返しパターンを暗記することで好成績をとれてしまいますが、5年生になると一気にパターンが複雑化するので、思うように点数が取れなくなります。
 
この暗記型の学習に決定的に欠けているのは「考える力」です。「考える力」というのは、何を問われているのかを正確に理解した上で、求められている答えまで、自分の中にある知識のストックを組み合わせながら筋道立てて考え、答えへ至る力のことです。
 
こういった「考える力」を養わずにきた暗記型の子は、今まで自分が見たことがない、解いたことがない問題を極度に恐れます。高学年になると学習内容はだんだん複雑になり、パターンも多様になってきます。暗記で全てのパターン網羅していくのは非常に非効率になり、ましてや難関中学で出題されるレベルの問題パターンを全て暗記していくのはほぼ不可能です。
 
 
■高学年は「考える力」をつけるチャンスでもある
 
しかし「考える力」がある程度身についている子であれば、初めて見る問題だったとしても、恐れることなく立ち向かっていけます。例えば、数列の1000番目の数字を求める問題で、公式のような解き方が分からなかったとしても、1000個の数字を間違えずに書くことができれば答えに到達できるというように考えます。そして2030個の数字を書いているうちに、簡易な計算で答えに到達する方法をみつけてしまったりします。
 
「暗記型」の勉強方法の子たちが、伸び悩んだり、成績を落としていく高学年の応用学習は、逆に考えると「集中力」と「基礎学力」をしっかりと身につけている子どもであれば、「考える力」をつけていく絶好のチャンスになるのです。

考える力を伸ばす3つの質問

12月3日(土)、東京ミッドタウンで行われた【WOMAN EXPO TOKYO 2016 Winter】のトークセッション「本番で勝てる中学受験生の育て方」に登壇させていただきました。
セッションでは、近年の入試問題で学校は何を求めているのか、特別な対策は必要なのか、2020年の教育改革では何が起こるのか、そしてそれを見据えて、これからの学習に求められているものは何かなど、様々な話題でお話しさせていただきました。
セッションの中でも出た話題なのですが、私が学習の2本柱と考えているのが「何をやるか」と「どうやるか」です。
■「何をやるか」「どうやるか」が大切
学力の2本柱「何をやるのか」と「どうやるのか」で注目したいのは「どうやるか」です。
学習プランを作って欲しいという依頼は多いです。1日1日「やること」を示すことはできますが、プランづくりで大切なのは、「何をやるか」もそうですが、「どうやるか」がもっと大切なのです。
ノートをどう使うかとか、必ず図をかいてやりましょうというのもそうですし、「どういう気持ちでやるのか」というのも「どうやるか」には入ってきます。たとえば、6年生が受ける日曜日の志望校別特訓のテキストの問題は所見のものが多い。そんな場合に「絶対最後まで解き切ってやる」と考えながら解くのかそうでないのかで、出来は違ってきます。
■理解が進む具体的な行動と声かけを考えてみる
「これさえできれば問題を正解できる」という計算で間違う子どもは多い。気持ちが切れてしまうというか、やはり気を抜いているわけです。諭してもなかなかなおるものではないですが、「最後の計算の前に、椅子に座りなおす」「最後の計算の前に、ちょっとテスト問題を目から遠ざけて俯瞰してみる」など、具体的な動作ですぐに試せることから始めるのがよいでしょう。
問題を一瞥しただけで、ろくに読まずに解いているお子さんも多いです。小さい頃から塾通いをしていたこに多いのですが、一瞥しただけで「わかったつもり」になってしまう。お子さんがろくに問題を読んでいないなと感じたら、以下の質問をお子さんにするようにしましょう。
「何がわかっているの?」
「何が聞かれているの?」
これにすぐに答えることができないということは、考えているように見えても思考が止まっているということです。
答えられたなら、次の質問は
「何を書けば答えが出そうな気がする?」
です。この3つの質問で、子どもの理解はずいぶん進みます。
ふだんの勉強にとり入れてみてください。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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