■6年生は「入試モード」
9月、各塾の6年生は一斉に「入試モード」に入っていきます。
サピックスでは「学校別サピックスオープン」が、早稲田アカデミーでもNN志望校別コースの学校別オープン模試が行われます。日能研も公開模試の表題が「合格判定テスト」になりますね。いよいよ学校名のついた模試や判定の出るテストがどんどん行われるわけですが、これらの模試を受けていく中で、「志望校」と「受験校」をはっきりさせていく段階に入っていきます。
第一志望校の関する考え方は、ご家庭によりそれぞれです。実力相応のところを、と考えているご家庭もあれば、第一志望校はチャレンジなんだけれども、それ以外の学校でしっかり「押さえる」という考え方もありです。
■用意したい「押さえの学校」
意識しておいていただきたいのは、この「押さえる」という感覚です。私たち講師はよく「押さえの学校」と呼んだりしますが、お子さんの実力なら合格できる可能性がまずまず高く、「ここなら通わせてもOK」と親御さんも思えるような学校です。
早々と第一志望校をあきらめる、というのではありません。入試が近づいてくればくるほど、お子さんも親御さんも気持ちの余裕はなくなるし、視野も狭くなってしまうのがふつうです。
「何が何でも◯◯中学校」
という気持ちはわかるのですが、お子さんはさておき親御さんは一歩引いて「受験戦略」を考えるべきです。
一番危ないのが、「実力よりもちょっと上」の学校ばかりで受験計画を立ててしまうこと。最良の場合は「さて、どの学校に通わせようか」という嬉しい悩みになりますが、最悪の場合は・・・と考えると、お勧めできません。
せめて1つは「押さえ」を用意してください。
今すぐにでなくても大丈夫です。ここから学校別の模試を受けてその結果が出る中で、考えていけばいいのです。
■入試問題の「共通点」「違い」をチェック
特に首都圏は学校が多く、受験校選びも難しいのですが、受験する可能性のある学校に関しては、過去問をしっかり見ておくようにしましょう。「解く」よりもまず「見る」ことからです。
過去問を「見る」というのは、たとえば国語は記述が多いのか、選択式回答が多いのか、算数はパターン問題中心か、高度な思考を要する問題が中心なのか、解き方は書かなければならないのか、理科の計算は多いのか、といったことをまずはチェックするのです。
受験校が多くなりがちな首都圏で、受ける学校が全部タイプの違う問題ばかりだと、対策に手が回りません。まずは解答用紙を親御さんがチェックするところから始めましょう。受験校の過去問の「共通点」「違い」を把握することで、受験戦略の修正ができるわけです。
残り5ヶ月足らず、冷静に過ごしていきましょう。