「算数を上げるには、国語を勉強しましょう。」とTBSの「100秒博士アカデミー」で話しをさせていただきました。

「てにをは」の使い方の大切さについて、いくつかの教育雑誌の取材がありましたから、ある程度の反響はあったようです。


今回は、算数における国語ではなくて、国語そのもののお話です。

関西に比べて関東の国語の問題は難しい、と言われます。

確かに関東の方が格段に難しいのです。

算数は西高東低ですが、国語は逆なのです。

 

また、4年ほど前に国語の問題は一段難しくなりました。

今回は、この”国語の難しさ”のお話です。

国語の問題は、「正誤選択問題」「記述問題」に分かれます。

そして、記述問題は、「書き抜き記述」「条件記述」「自由記述」に分かれます。

これは、関西も関東も同じです。もっと範囲を広げて、高校受験や大学受験でも同じなのです。

 

異なるのは、長文(素材文)のレベルです。

あるとき、塾の模試に、登場人物の中に義父が出てくる問題がありました。

その模試の平均点はがくんと下がりました。

子どもは、自分が経験していないことにはからっきし弱いのが普通です。

と言って何から何まで経験させてあげることは不可能です。

だって、お母さんが離婚して再婚したから義父が出来たわけですから、子どもに義父の存在を経験させてあげるには

お母さんは離婚しなければならないことになってしまいます。
 

それ以外にも、「幸福感に潜む不幸」や「悲しさの中に感じる安堵感」や「嫌悪している相手に対する共感」・・・。

人の心の重層構造に思いをはせないと理解できない物語文が多いのも、難しい理由です。
 

説明文では、「美と美の状態」や「西欧的なものと日本的なもの」というようなテーマも扱われています。

日常生活の中では考えたり感じたりするはずのないこと、一種の教養としての思考が要求されています。

実際に出題された問題の出典の一部を挙げてみます。

友だち幻想 菅野仁/著

科学と科学者のはなし 寺田寅彦/著

思考の整理学 外山滋比古/著

日本人とすまい 上田篤/著

 生物学的文明論 本川達雄/著

日本のデザイン 原研哉/著

大人が読んでも読み応えのあるものばかりです。

次回は、このような難しい素材文に強くなる方法について書いていきたいと思います。