ここ、3週間ぐらいお問い合わせを頂いた方々への電話でをかけ続けています。

お子さんの学習について何らかの問題点を抱えていらっしゃるからこそのご相談です。

本当にいろいろなご相談があります。内容毎に質問内容を考えながら、お尋ねしています。

いろいろ質問させて頂く中で、何が問題なのかをこちらも理解し、お母様方にもご理解して頂くためです。

たくさんの電話をかけている中で、お願いしておきたいことがはっきりしてきましたので、今回はその内容にしたいと考えています。
 

子どもを客観的にとらえるのは、元々難しいものです。

特に親子関係においては、期待感が強い分だけ難しいのです。

こうなって欲しい、でも言うことを聞いてくれない。そう思われたときに、あのときもこうだった、ああ言ってもこうしてしまった。

このように、親御様の気持ちを乱れさせるのが子どもです。

自分の子どもを客観的にとらえることは、親にはほとんど不可能だということをおわかりください。

 

それには、2つの理由があります。

1つは、我が子と比較するサンプルを持っていらっしゃらないことです。

私たちのように、毎年多数の子どもと接していますと、この子は2年前のあの子とよく似ているな、とか、

今は能力が発揮されていないけれど、昨年のあの子と同じように成長していきそうだなと判断できます。

それによって、入試までに間に合うか、どこまで伸ばせそうか、いつ頃になりそうかまで予想することができます。

ほとんどの親御さんは、我が子とだけ深く関わっていらっしゃいますから、他の子に比べてどうなのかは判断できません。

せいぜい、自分の子どもの頃との比較です。そのために、ちょっとしたことに過剰に反応しがちです。

2つ目は、感情が先立ってしまうことです。

長い年月の間に積み上げられた感情の蓄積があるために、過去の記憶に引きずられた見方をしてしまいます。

また、強い期待感を込めて見ていますから、現実を肯定できないことも多いのです。

今、お願いしたいのは、「子どもの現状(事実)」と「親御様の気持ち」を分けて頂くことです。

勉強に身が入っていないと感じられたとしましょう。(親御様の子持ち)

そのときに、

1日に何時間ぐらい勉強をしているのか。

1日に何をどのぐらい勉強しているのか。

勉強中の姿勢はどうか。

投げやりな態度で勉強をしているのか。

投げやりな態度だと感じさせる子どもの行動は何か。

このように、事実を細分化して観察してあげて欲しいのです。

 

もっと細かく言いましょう。

問題文の行数だけ視線は往復しているか。

ノートの字は読みやすいか。

勉強の時間帯や場所によって子どもの書く字は変化するか。

授業中にちゃんとノートは取ってくるか。

その日に学習すべきものを考えて、箇条書きにしているか。

塾から帰ってきたら、宿題をする前に授業の復習をしているか。

計算練習は毎日やっているか。

漢字練習は毎日やっているか。


このように、親御様が「勉強に身が入っていないと感じられた」原因となっている事実を考えて頂きたいのです。

実は、上に書き上げた項目は改善策そのものです。1つでも2つでも改善できれば必ず成績が伸びていきます。

そして、このような事実の書き出し作業をしている中で、

こうすれば良くなってくれるんじゃないか、

これだったらやってくれるんじゃないかと、

親御様自身の中に成功の予感が生まれる可能性が高いのです。
 

また、私どもへの相談時に、このような事実をお知らせ頂ければより適切なアドバイスを差し上げることが出来ます。

親は、我が子の悪いイメージが無限ループになりがちです。

そうなっているかもしれないと思われたら、事実の書き上げ作業を是非お願いします。