いよいよ朝晩の寒さが本格的になってきましたね。先日、深夜の京都駅で久しぶりに「寒っ!」って、思わず声が出てしまいました。
家庭教師先の医院ではインフルエンザの貼り紙も登場していました。受験生ならずとも、気をつけておきたいところです。
さて、このところ名門指導会へ小学1年生、2年生のお子様を持つご家庭からのお問い合わせが続いています。
中には幼稚園年長さんのお子様もいらっしゃいます。
皆さん受験準備のためにすでに通われている塾のことや、塾に通うための準備の中で何かしら疑問をお持ちになって、
お問い合わせをくださるのです。
今回は、そこでのご質問へのお返事を紹介しますね。
・浜、希、日能研・・・は何年生から?
とても多くの方からのご質問が、「何年生から大手進学塾に通うのが良いのか」です。
これはお子様の成長度や性格に大きく左右されるので、とてもお返事が難しい質問です。
活発で大勢の中でも平気なお子様もいらっしゃれば、まだ不特定多数の中では埋れがちなお子様もいらっしゃるでしょう。
小学1年生くらいの時期は、お子様ごとの成長度の差も大きいものです。
これからどんな勢いで成長していくのかは、お子様を取り巻く環境にも大きく左右されます。
ですから、このご質問には、できるだけご家庭にお伺いしてお子様を拝見させていただいてからお答えすることにしています。
ごく一般論でお答えするなら、進学塾のカリキュラムは4年生から受験準備らしさを増してきます。
担当される先生方も4年生を境に顔ぶれが変わることが多いようです。
3年生までと4年生からは学ぶ内容が変わるわけです。
ならば、学ぶ場所を変えるとしたら、これを機にと考えるのが自然だと言えるでしょう。
・何を身につけておけば良い?
進学塾の低学年テキストには、受験学年の内容をスライドしただけのものもみられますが、
受験学年の担当者が集まって話をする時に聞こえてくるのは、「低学年では、言葉の力と計算力さえつけてくれれば、
後はむしろ学習習慣や勉強への興味付けを期待したいね。」なんてことなのです。
意外ですか?
受験学年を長く担当すると飛び級で成功して目立つお子様の影に、多くの飛び級失敗組を見てしまうそうです。
また、受験生の多くが計算力や語彙力の不足で入試直前期まで、テストでの得点力を伸ばせずに困っている現実を知っているのです。
また、たくさんのお子様が、どこかの時期で塾の過大なカリキュラムについていけず停滞したまま
元にもどる機会を失ってしまっているようです。
成果をあげるためには、難しい知識を身につけるのに適した成長を遂げているかどうかを判断して、
勉強の内容を吟味することが望ましいですね。
最難関校を目指すならば、4年生までに小6レベルの計算力と語彙力を身につけてください。
最難関でなくとも4年生が終わるころには身につくようにしたいですね。
・受験のプロに見てもらった方がいいの?
お問い合わせの中には、小学1年生のお子様のために最難関校への合格実績を数多く持つ講師を指名される場合があります。
私は一概にお勧めはしていません。
低学年では、基礎力の徹底や学習サイクルの構築など、高学年とは異なる成果が必要なはずだからです。
高学年の指導経験が豊富な先生方は、膨大な量の解法知識をお持ちです。
しかし、その圧倒的な知識を武器に小学1年生のお子様から知的好奇心を引き出し、満たしてあげる技までお持ちの先生は数多くありません。
一方で、普段は灘や東大寺と言った超一流校の入試問題に数多く触れているわけではないけれども、
学習時のお子様の表情をとてもよく輝かせることの出来る先生が名門指導会にはいらっしゃいます。
この先生にお任せしたお子様は絶対に勉強が嫌いにならないのです。
そのお姿を見ていると、受験のプロとは受験学年を担当して輝かしい合格実績を持つ先生だけではないのだな、と感じさせられます。
受験のプロとの出会いが合格への近道に違いありませんが、お子様の性格や成長度合いによって求めるプロのタイプが異なるわけですね。
・志望校はいつ決めるの?
私立中学を受験することが決まっているならば、志望校は早めに決めておかれると良いでしょう。
最終到達点を意識することで、お子様に学習の必要性を感じてもらうことができるでしょうし、
何よりもそこからの逆算で、「今、したいこと」が見えてくるはずです。
低学年のご相談が増えると、早くに志望校を決めてしまうことに抵抗をお感じの親御さんが意外に多いことに気づきます。
はじめは夢、希望でいいじゃありませんか。ぜひお子様にも学校を見学していただいて決めてしまいましょう。
また、そのために、お父様、お母様には中学校の情報を数多くお持ちいただきたいですね。
それには学校説明会に参加されるのが第一歩と言えるでしょう。
同時に、ご両親が中学受験に詳しいプロの意見を聞ける環境をお持ちになることをお勧めします。
低学年のお子様の指導を担当させていただくときほど、事前に綿密な相談をさせていただきたいのが私の正直な気持ちです。
大切なお子様の将来の夢を広げるのも、狭くしてしまうのも低学年での成功があってこそですから。
どうしたら適度に集中して学習時間をすごせるのか、何がお子様の興味を引き勉強に前のめりにしてくれるのか、
そんなことを考えるとワクワクしてしまう自分に共感してくれる先生を、私はお勧めしています。
小学1年生って、新たな一歩を踏み出す大切な学年ですもんね。