□書くスピードのアップ□


間違ったスピードアップ方法は、子供特有のいい加減さを助長したり、ミスを誘発したりします。

スピードアップは、あくまでもテストの点数を上げるための手段として考えたいと思います。
 

必要なことを漏らさずに書きながらも不要なことを書かないことが理想ですが、それを子供に要求するわけにはいきません。

試行錯誤の途中経過は、後で見ると不要なものですが、正しい解き方に到達するために必要であったものです。

ですから、たくさんのことを素早く書くことを目指すべきだと思います。

そのために必要なことは、下の4つだと考えています。


1 手先の器用さ

2 正しい鉛筆の持ち方

3 書くスペースの事前予測の練習

4 たくさん書くことへの心理抵抗を減らす

1の「手先の器用さ」は、2の正しい鉛筆の持ち方につながります。

たぶん幼少時に、ものをつかむ・離す・回す・移動させる・投げる・置く、このような動作を通じて身につけるものだと思うのですが、

近年手先が不器用な子が多くなっているように感じます。

鉛筆を持ち始める以前に、遊びを通じていろいろな作業をさせてあげてください。

そして、いよいよ鉛筆を持つ年齢になったら、小学校1年生の教科書に出ている正しい持ち方を参考にして、練習させてください。

シャープペンシルはしばらくは禁止です。

親指が被さる、鉛筆を握って書く、鉛筆の頭が向こうを向く、これらは良くない持ち方です。


受験間際の小6生は、この段階で鉛筆の持ち方を修正するのは慎重さが必要です。

原則、入試が終わってからの方が安全です。

小5以下の場合は、今すぐ直してあげてください。

親御様自体が、正しくない持ち方をされていたり、正しい持ち方をご存じないことも多いと思います。

その際は、一緒に練習されることをお勧めします。

3の 「書くスペースの事前予測の練習」は、テスト時のスピードアップに有効です。

計算を始めて見たら、どんどん行が増えて下の問題文と重なってしまって、書き直す羽目になってしまった。

子供の計算を見ているとこんなことがよくあります。

このあたりから、この程度の大きさの字で書いていくと収まりそう。

このような予測をする習慣をアドバイスしてあげてください。
 

あとは、なんと言っても4の「たくさん書くこと」です。

字を早く書けない子は、だいたい字数の多い記述問題をいやがります。

また、「うちの子は面倒くさがり屋で」とおっしゃる場合も、ほとんど早く書けない子供です。

小2や小3の頃に、教科書の文章をそのまま写す「書写」も効果的です。

また、毎日の漢字練習や社会の暗記の際に、書きながら覚える癖をつけることで、少しずつ早くなってきます。

 


繰り返しになりますが、無闇にスピードアップを図ろうとすると、いろいろな弊害が現れます。

少しずつ少しずつ、自然に身につくスピードを大切にしてあげてくださいね。