首都圏の受験本番が明日というこの時期に、「中学受験が終わったら」という
失礼なタイトルをお許しください。

中学受験は、将来の子供の学力アップを目指す1つの過程でしかありませんね。
お子さんが受験勉強を始めた頃にお考えになったことを是非もう一度思い出してください。
・もし受験が成功したら、より高いレベルで学習を続ける事が出来る。
・もし失敗しても、受験勉強で培った知識や学習方法は今後の学習に生かすことが出来る。

このようにお考えになった方が一番多いのではないでしょうか。
私自身も同じように考えています。ですから、
「合格出来たら遊べるから」とか「入試までは頑張りなさい」という励ましは避けていただきたいのです。

あと数日で結果が出ます。お子さんの学力が入試本番で発揮されることを、
私たちが直接教えた子供たちもそうでない子供たちに対しても、心から祈っています。

1 志望校に合格したら
これまでの努力を大いにねぎらってあげてください。
これまでの努力が合格を引き寄せたことを大いに褒めてあげて欲しいのです。
それと共に、これからも、がんばれる子を続けて欲しいことははっきりと伝えておいてください。
一週間程度は、お子さんの気の向くまま過ごさせてあげてください。
一週間もすると、受験勉強をがんばってきた子供たちは、閑を持てあますようになります。
その段階で、「中学になったらね・・・」という話をしてあげて欲しいのです。

その内容は、
・これまでは合格点(7割)を目指す勉強だったけれど、今後は100点満点を目指す学習に変わる事。
・確実で丁寧な学習が必要になること。
・学校内で上位を目指すこと。
・一生学習は続く事。
この4点を話してあげて欲しいのです。

「入学式までに、数学と英語の1学期分は、予習しておく!」
とお子さんから言い始めてくれることが理想です。

2 第二第三志望校に進学する事になった場合。
「良い学校に行けることになって良かったね。」と必ず言って上げてください。
ある中学校での調査では、第一志望で入学した生徒と第二志望以下で仕方なく入学した生徒では、
入学後の成績の伸びが明らかに異なっていたそうです。
第一志望で入学した生徒の方が良く伸びていたのです。
「こんな学校に来るはずじゃ無かったんだ」という想いで入学式を迎えてしまうと、
その後の中学生活が楽しくありませんし、学業にも身が入りません。
友達関係の面でも愛校心の面でも良くありませんね。

お子さんが、「よ~し、この学校で頑張るぞ!」と気持ちを切り替えることが出来るようにして上げてください。
「あなたの努力が足りなかったから、こんな学校に行く羽目になったのよ。」
という言い方は、これから六年間通う学校への不信感を高めてしまいます。

3 公立の中学に行くことになった場合。
 大学への道筋は人によって様々。その過程でしっかりと勉強していくことが大切であることを
話してあげてください。
結果を客観的に受け止めること、これから始まる中学生活に前向きに取り組む気持ちにさせることを
意識してください。

中学受験の学習をして公立中に進む場合は、受験勉強の貯金がありますから
数ヶ月から半年間ぐらいは学校の勉強が易しく感じられます。
これが落とし穴になります。
易しいと感じる内容でも、「より確実に」「より速く」なるように努力を続ける事を話してあげてください。