日能研小6のカリキュラムが、ちょうど「比の利用」です。この単元のカリキュラムテストはいかがでしたか。

 この単元の解き方の基本は、線分図を書いて、差や和に当たる部分をから解いていくものと、濃度のように「面積図」や「てんびん」を使って解いていくものに2分されます。その中で、毎年教え方に迷うのが、「倍数算」と「倍数変化算」です。
倍数算は、「A君がB君に500円上げたので・・・」というように和が一定の問題と、「A君もB君も同じ金額の本を買ったので・・・」というように差が一定の問題が中心です。これは、線分図にしたり、比の数字の和や差をそろえることで解けるのですが、倍数変化算(A君は2000円使い、B君は1500円もらったので・・・というように和も差も変わってしまう問題)をどう教えようかと考えてしまいます。

 ○○君は、数字の操作がうまいから「比例式」が合いそうだとか、□□さんは、逆算が得意ではないから、「線分図を書かせて、○か□の数字をそろえるやり方」が良さそうだ、などと考えてしまうからです。

 算数は、原則的に数学の方程式を使用しないで解くものです。お父様がお子様を教えていらっしゃる場合、方程式的な解き方が多くなる傾向がありますからご注意ください。
ただ、この倍数変化算だけは、比例式で解かせる方が圧倒的に簡単なのです。

「A君とB君ははじめ4:3のお金を持っていました。A君が2000円使いB君が1500円もらったので所持金の比が4:5になりました。A君がはじめに持っていたお金はいくらでしょうか。」
という問題は、比例式を使う場合、
4×○-2000:3×○+1500=4:5となります。
これを計算するだけで答えが出ますから、解き方としては簡単です。
ところが、この計算は、途中で、
12×○+6000=20×○-10000
となります。この先が計算できない子供が多いのです。
両辺から12×○を引いて
6000=8×○-10000となります。
こう出来れば、ほとんどのお子さんはこの先の計算が出来ます。
(ここで、移項を教えない方が良いと考えています)

計算力があるお子さんで、倍数変化算に手こずっている場合は、一度「比例式解法」をお試しください。