新学期が始まりました。
学年も後半戦に入り、塾で習う内容も難しくなっていきます。
6年生はいよいよ志望校対策の授業が本格化しますね。
この時期からは学校行事も多く、体力を奪われがちでもあります。
バランスをとりつつ、上手く乗り切っていきたいですね。
さて、サピックスでは8月末のマンスリーテストが終わったばかりです。
そのマンスリーテストの算数の結果を見て、やはり今年もそうなのか、と思ったことがあります。
8月マンスリーの内容は、ほとんど夏期講習で習った内容というのは、例年のことです。
そして、その結果が「2極化」しているのも例年どおりでした。
夏期講習で習ったことばかりなのでよくできている子と、習ったことばかりなのにできていない子に分かれているのです。
せっかくがんばって夏を過ごしたのに、その最後にあるテストで振るわなければ、お子さんも親御さんも意気消沈してしまうかもしれませんね。
「夏期講習で習ったことばかり」の8月マンスリー(日能研の夏期講習まとめテストなどの場合も同じ)で点が取れていないということは、夏の勉強が「あたふた学習」になっていた可能性があります。
私が「あたふた学習」と呼ぶのは、とにかく宿題を仕上げることが目的のようになってしまった学習のこと。
「気をつけて」と言ってはいるものの、フタを開けてみればそうなってしまっているお子さんは多いものです。
さて、「あたふた学習になっていたな・・・」と感じているお子さんは、9月からどんなことに気をつけて過ごせばいいでしょうか。
まず思い出していほしいのは、夏の間に算数で習ったことでもっとも大切なことは、「比・割合」と「速さ」だということです。(これは他塾でも大きくは変わりません)
どちらも多くの子どもたちがつまずく単元であり、他の分野との掛け合わせなどでもよく出てくる単元であり、この2つの単元の掛け合わせで「速さと比」という形でも出てきます。
まず、9月からの学習でつまずきを最小限にするには、この2つの単元の根本的なところを押さえておくことです。
ここでは、「割合」について考えてみたいと思います。
「割合」の単元を苦手とするお子さんが多いのは、この単元の計算ではお子さんたちのこれまでの「常識」に反するタイプのものがでてくるからです。
それは「割り算は大きな数を小さな数で割るもの」という「常識」です。
答えが整数になる範囲では、割り算というのは「大きな数 ÷ 小さな数」という式になります。
しかし割合の単元では、全体のうちの一部分が全体のどれくらいにあたるかを計算するため、「一部分 ÷ 全体」という式になるのです。
はじめ、このことに違和感を感じるお子さんは多いものですが、理屈よりもまずことば、表現に戸惑うお子さんも多いのです。
「240円は1200円の何割にあたりますか」
「500人の3200人に対する割合を答えなさい」
このような表現です。
このような表現に加え「もとにする量」「比べる量」といったことばも、お子さんたちにはこれまで馴染みがなかったものです。
上手な先生は、これらのことばや表現をやさしく読み解いて、お子さんたちの身近なところに落とし込んでくれます。
たとえば、割合というのはとにかく「何倍」という意味なんだ、と考えれば
「2400円の3割は・・・」
「2400円の0.3倍は → 2400×0.3」
となります。
ぜひ一度、お子さんがはじめて割合を習ったときに、どのようなことばで習っているかを確認してみましょう。
それだけでわかってくることがあります。