以前フジテレビの「フルタチさん」という番組の特集で、古舘伊知郎さんといっしょに聖徳学園という小学校を訪れ、独特の教育方法を体験したのですが、中学受験する、しないにかかわらず、考える習慣をつけることの大切さを、改めて考えた経験でした。
古舘さんはとても頭のいい方で、「できない子」でしかもヒールという役割を演じつつ、子どもたちから率直な意見を見事に引き出しながら、私を持ち上げてくれたのですが、そういった種類の頭の良さも「丸覚え」や「詰め込み」では育たないものです。
■難関中学が求めているのは「単にものをたくさん覚えている子」ではない
今解決しなければならない問題は何か。
それを解決するには何が必要か。
それが必要なのはなぜか。
こういったことを自問自答しながら考えなければ解けない、決して「習ったことをそのまま当てはめれば解ける」ということがないのが、中学受験の難関校の問題。
あれを覚えてるんです、これを知っているんです、だけでは解けない。
「そうじゃなくて、今から条件を与えるから、それをもとに、習ったことも使って、一から考えてごらん。」
そう語りかけてくるのが難関校の入試問題。
ただたくさんのことを知っていればいいとか、そんなに単純なことではないんです。
中学校だって「たくさん知識だけを詰め込まれてきた子どもがほしい」とは思っているはずがありません。
■塾も実は「詰め込み」をしているつもりはない
「中学受験の勉強は『詰め込み』だ」という考え方というか、意見がありますが、結果的にそうなってしまっている例は数多くあります。
しかし、実は進学塾も「知識をとにかく詰め込んでやろう」なんて考えていないはずです。
自分の力で考えられる子を多く育てたいと思っているはずです。
でななぜ結果的に「詰め込み」になってしまっている例があるのか。
「自分の力で考えられる子に入ってきてほしい」と願う中学校は、いわゆる「パターン問題」をたくさん詰め込んできただけの子には解けない「新作」の問題を出題します。
するとその「新作」は、次の年の塾の「◯◯中学対策講座」のテキストに収録されます。
年月がたつうち、その「新作」は「標準問題」として塾の平常授業テキストに収録され、かつての受験生が入試会場で知恵を絞って「考えた」問題の解き方を「覚える」生徒が続出します。
塾も「詰め込み」をするつもりはないのですが、やはりいかんせん量が多すぎるのです。
ゆっくり考える時間が惜しいから、覚えることで対応しようとする。
これが世間で言われる「詰め込み」の実態です。
ここから逃れるためには、受験生、ご家庭が主体になって「やるべきことの取捨選択」をしなければなりません。
「捨てるものの決定」と言ってもいいですね。
ゴールデンウィーク、数日の休みをうまく使って、勉強の優先順位にしたがった復習を心がけてみてください。
PS
実は、面白い企画へのお誘いがテレビ局からあり、春休みの間ロケが続いていいました。
まだ内容は詳しくは言えないのですが、もちろん勉強に関する企画です。
TBSテレビの「ピラミッドダービー」という番組です。
放送は7日(日)の夜7時から。
ちょっとおもしろい結果になったので、みなさん放送を楽しみにしていてください。