7月に入りました。
夏休みも間近、親子ともにやりたいこと、準備したいことなど様々ありそうですね。
今回も、前回に続いて自由研究についてです。特に6年生は夏期講習や特訓など塾の予定も盛りだくさんで忙しく、学校の夏休みの宿題については「すきま時間に手際よくやる」といった扱いになりがちです。中でも自由研究や読書感想文は手がかかり、時間を取るのでお困りのご家庭も多いと思います。
自由研究に関しては、宿題である限りやっていくべきだと思います。そしてどうせやるなら、受験にも役立ち「学び」のあるものにしたいものです。前回はお子さんひとりでできる簡単なものをご紹介しましたが、親子で取り組む場合はもうちょっと複雑なものもできそうです。
■お湯、缶など身近なものを使って
ちょっと見た目にもインパクトのある実験として有名なのが、大気圧に関する実験。
【用意するもの】
・大きめのボウル
・熱湯(少量)
・フタを閉められるタイプのコーヒー缶
・水
【実験方法】
(1)お湯を沸かし、空のコーヒー缶の中に少量注ぎます
(2)しばらくフタを閉めずに放置します(30秒から1分程度)
(3)缶の中の湯を捨て、缶にフタをします
(4)ボウルに缶を入れ、缶に水をかけます
さて、結果どうなるでしょうか。
水をかけ始めて程なく「パキッ!」と派手な音を立てて缶がへこみます。
缶はどうしてへこんだのでしょうか。
(1)(2)でコーヒー缶の中の中の熱湯、湯気以外の大部分の空間は水蒸気で満たされます。(3)で熱湯を捨てた直後は、缶の中は大部分が水蒸気です。
(4)フタをした状態で水をかけると中の水蒸気が冷え、水に戻ります。
そうすると缶の中が真空状態に近くなり、外側にかかっている大気の圧力(=大気圧)の力でへこむという訳です。結構大きな音がする実験で、お子さんも興奮すると思いますよ。
■本格的な実験を水草一本で
光合成の実験に関する入試問題も多いですが、家庭で再現することも可能です。
【用意するもの】
・オオカナダモ(数本)
・煮沸して冷ました水
・電気スタンド
・ストロー
・ペットボトル
【実験方法】
(1)ペットボトルに水を入れ、ストローで息を吹き込む
(2)ペットボトルの水に根元を切ったオオカナダモを入れる
(3)部屋を暗くし、スタンドの明かりをペットボトルに当てる
(4)5分毎にオオカナダモの切り口から出た気泡の数を数える
(5)電気スタンドをペットボトルに近づけた場合、遠ざけた場合などくらべる
光量が強いほど光合成はさかんになるので、そのことが気泡の数で確かめられたら実験成功です。
水中の二酸化炭素が光合成で使われて減ったということは、どうやって確かめればよいでしょうか。
これには前回述べた「ムラサキキャベツ液」を使用するのもいいですね。水のかわりに使えば、水溶液の声質の変化を目で見て確かめられるはずです。
息を吹き込んで二酸化炭素を溶けこませたとき、溶液は酸性に、そして光合成で二酸化炭素が使われ減っていくと、中性に近づいていくはずです。
またこの実験で使うペットボトルは、炭酸飲料用のものがいいでしょう。
なぜだかわかりますか?
こんなことを考察してみるのもいいですね。
(答えは「表面がツルンとしていて、中が観察しやすいから」です)