■夏休みはけっこう忙しい
夏至が過ぎ、夏休みが近づいています。今一番気になるのは、やはり夏期講習のことでしょうか。塾の夏期講習にお子さんを行かせることを前提に予定を立てているご家庭も多いと思います。
夏期講習に関しては注意すべきことがあります。たとえばサピックスの5年生の場合、夏期講習は全20日の日程で行われます。連続して5日間通塾日があり、1日のお休み。そしてまた5日間の通塾があり・・・の繰り返しです(お盆期間、8月末の一週間はお休み)。これは日能研など他の塾でも同じようなもの。
サピックスでは、夏期講習で扱われる単元は、算数で14単元。つまり、連続する5日間で扱われる単元数は3〜4つ。ついつい「夏休みは時間がある」と思ってしまいがちなのですが、夏期講習の単元をこなしていくのはけっこう忙しく、大変なのです。ふだん週に1単元という進度に馴染んでいるお子さんにとって、目まぐるしく5日間を過ごして1日休んだら、また5日間フル回転という毎日です。
■「あたふた学習」に注意
このことをあらかじめ念頭に置いて、夏期講習に臨まねばなりません。講習会は午前中ですから、復習と宿題はその日のうちに済ませ、テンポよく毎日を過ごしたいものです。注意すべき点は(サピックスにおいては夏期講習に限ったことではないのですが)その学習進度の速さから「あたふた学習」に陥ってしまいがちということ。
「あたふた学習」と私が呼んでいるのは、とにかく宿題を終わらせることが目的になってしまっているような勉強のこと。内容を深く理解しないまま「当てはめる」「習った手順通りに作業する」というふうになってしまうと、せっかく時間をかけて勉強しても身につかず、何より「考える」ということが勉強の中で少なくなってしまうので、勉強していても「なるほど!」という納得感がなく、楽しくありません。
午後からは自由に使える時間ですから、意識的にお子さんに「今日何を習ってきたのか」を説明してもらうようにしたいですね。
■今から「夏の毎日」をイメージして
夏期講習の5日ごとのタームの学習をうまく回せているなら、お盆期間や8月末の塾のお休み期間は別のことに使えそうです。やっつけておきたかった苦手単元や、7月の組分けテスト、復習テストで間違った単元など、いくつかやるべきことを用意しておけばいいですね。
親も子もついつい「夏休みは長い」「夏休みは時間がある」と思ってしまいがちですが、始まってしまえば結構バタバタと過ぎていきます。やるべきことはあらかじめ準備しておくのがいいでしょう。
このように「6年生でなくても夏はけっこう忙しい」ということを念頭に置けば、7月、学校が夏休みに入ってから塾の夏期講習が始まるまでの数日間も貴重です。学校の宿題や自由研究、読書感想文などもあり、それなりに時間をとられます。今から「夏の毎日」をイメージして予定を立てておきたいものです。
次回は1日でできて受験にも役立つ自由研究についてお話ししましょう。