月: 2014年7月

夏期講習 小6編

いよいよ夏の講習が始まりました。小4・5・6年生すべての学年にとって大切な講習です。

今回は、受験の天王山の小6について、夏期講習の上手な使い方をお話しします。
 

小6生にとって、この夏期講習の目的は2つあります。

1つは、知識の確認・解き方理解の確認・弱点補強などのインプット全般の棚卸し。

2つ目は、今ある知識を最大限に利用して正解にたどり着くというアウトプットの訓練。
 

1つ目のインプットの棚卸しは、これまでの講習でもそうであったように復習が大切です。

2つ目のアウトプットは、授業の受け方(気持ちの持ちよう)が大切になります。
 

小6生にとっては、この2つ目が講習の成否を分けます。

これまでに身につけた考え方や知識を利用して必要な点数を確保する練習を始める時期なのです。
 

講習の授業スタイルは、まず数問の問題演習→解説です。

過去の講習では、解説を集中して聞き理解する事が主目的でした。

でも、小6の夏期講習では、演習時間にどこまで頑張れるかが勝負です。
 

問題演習を始めて、「難しそう!」「面倒くさそう!」「解けそうにない!」と思ったときは、

これまでは、「解説をしっかり理解して家で復習をしよう。」と思ことが正しい心の動きでしたが、

今回はそうではありません。

「何とかして、1問でも2問でも正解にたどり着いてやる!」と

自分の気持ちを鼓舞することが大切なのです。

特に、難関校を目指している場合は是非とも気持ちのチェンジをお願いします。
 

開成・麻布・桜蔭・筑駒・駒東・渋幕・渋渋・海城・栄光などの入試問題は、

すぐに解き方が見つかりません。

条件を自分なりに整理したり、図に書き表したり、時には書き並べてみたりしてやっと、

「もしかしたらこうすれば解けるかも!」と見つかることが普通です。

淡白な解き方から執念を持った解き方に変えて下さい。

その時の自分への声掛けは、

「鮮やかで無くてもいい、ダサい方法でも良いから、何とかして正解を出してやる!」です。
 

小6生には、授業教材の復習以外に多くの宿題が出されていると思います。

サピックスではコアプラス、日能研ではメモリーチェック、

四谷大塚や早稲田アカデミーでは4科のまとめの暗記が多量に課されていることでしょう。

これらの課題は、インプット全般の棚卸しにおいて非常に大切です。これもがんばってほしいのです。

授業の復習に多くの時間を割かれてしまうと、この時間が確保できません。

執念を持って授業内演習を頑張り、その結果として復習時間を短縮する。

それによって基礎事項の暗記時間を確保することが可能になります。
 

授業中にがんばって、家庭学習の負担を減らす。そんな気持ちで講習に参加して下さい。

「かしこい塾の使い方」再確認

ここ数週間、問い合わせが増えています。

毎年,

休み前は問い合わせが増えるのですが、今年は例年以上に多いように感じています。

たぶん、私の本が出版されたり雑誌記事をご覧になる機会が増えたからだと思います。

的確なご返答をする責任を強く感じています。


お寄せいただく相談の中で非常に気に掛かることがあります。

それは、いろいろな塾をさまよっていらっしゃる方が多いことです。

まずある大手塾、その後地元塾や単科塾、そこも合わずに別の大手塾。

塾を変わるたびにペースをつかむのに時間がかかり、

カリキュラムの抜けを学習する間もなく次々と単元が進み、

そうこうしているうちに成績が下がってしまっている、そんな方が多いのです。


塾のメリットは、ちゃんとしたカリキュラムがあることです。

単元の進行表であるカリキュラムリスト、

それに基づくテキストとテストがカリキュラムの総体です。

そして、それはほとんどの子どもにとって、

単元が欠たりレベルが低すぎたりしないように作られています。

また、ものすごく出来る子にとっても飽きないようにも作られています。

だからこそ、多くの生徒にとってレベル的にも量的にも過剰になります。
 

一方、塾の授業スタイルは、ほとんどの塾は大量演習繰り返し学習型です。

ある大手塾などは、典型的な裏技多様型の暗記算数です。

基礎知識が不足していたり、基礎的な処理力が不足していれば、

(実は、このような子どもが多いのですが)解く順序だけを覚えてそれに当てはめようとします。

なぜそうすれば解けるのか、その式で何が出たのかが分からずに進んでいくことになります。

「なるほど」という納得がないまま進んでいくのですからすぐに忘れてしまいますし、

少しでも文章が変わったり条件を変えられると解けなくなってしまいます。

 

塾で伸びていくためには、繰り返し学習する場合でも、

いつも「なぜそうなるのか」「その式で何が出たのか」「次はどうできるのか」と、

一つ一つを納得しながらやっている子です。
 

塾をさまよっていらっしゃる方の話を聞いていると、次の2点が気に掛かります。

・我が子の何が不足しているのかがピックアップされていない。

 授業を聞く力・板書を書き取る力・文章を読み取る力・暗算力・筆算力・語彙力・・・・・・など、

基本部分を検証する必要を感じています。

・「何を」勉強しているのかはある程度掌握されているが、

「どのように」勉強しているのかに注意を払っていらっしゃらない。

たくさんの課題や宿題をあたふたと「こなしている」だけの子が多いのです。

算数では、図や式をちゃんと書いているか。一つ一つの式で何が出たのかに注意を払っているか。

国語では、長文をしっかりと読んでいるか。設問の文章を一つ一つの単語に注意しながら読んでいるか。

理科や社会では、問題を解く前に、説明を読んで理解し、覚える時間をとっているか。
 

その子と塾の相性は確実に存在します。

だからといって、その塾のすべてがその子に合っているなんてことは、絶対にありません。

先生との相性はいいのに宿題が多すぎるとか、

テキストは良いのに教え方がわかりにくいとか、

解き方は見事なのに速すぎてついて行けないとか。

その塾の良いところを上手に使いながら、我が子に合わない部分を修正していく必要があります。

そして、必ず何らかの方法があるものなのです。

ご相談をいただいたときには、できる限り具体的にそして細かいことをお聞きすることになります。

その内容をもとに、私の頭の中でお子さんのイメージを作ってお話しするようにしています。
 

塾を変わろうかと思っていらっしゃる場合は、それが良い結果を生むことなのかそうでないのかを

一緒に考えさせていただければと考えています。

小5生 「割合でいきなり苦手に」そんな子が増えています。

今、大手塾のほとんどで「割合」の単元が進行中です。

この割合の単元は、今後習う比の単元の基礎になります。

また、速さの単元の基礎にもなります。

この「基礎」には2つの意味があります。

1つは、今後習う問題を解くための感覚、もう一つは技術です。


この感覚で大切なことは2つです。

・「何が何の何倍か?」をとらえる力。

割合とは、かけ算なんだ。

これがストンと腑に落とすことが出来れば、割合はわかったことになります。

ところが、割合を教えるときに、よく使われるのが「割合の3用法」です。

(比べられる量)=(元になる量)×(割合)

(割合)=(比べられる量)÷(元になる量)

(元になる量)=(比べられる量)÷(割合)
この3つです。

この3用法の丸暗記から入る教え方では、感覚が身につきません。

ところがこの公式を暗記させて、当てはめる方法で解かせている講師が多いのです。

・かけた結果が小さくなる場合が多いことを当然と感じることが出来る。

これまで、かけ算をすると元の数よりも大きくなりました。

3をかける、12をかける、3.2をかける。

1より大きな数をかけると、元の数よりも大きくなりますから、これまで整数や1より大きな小数のかけ算ばかりをやってきた子どもたちが、

「かけると元の数より大きくなる」と思うのは当然なのです。

ところが、割合で現される数字の多くは1未満です。

かけたのに元よりも小さくなってしまったという違和感で立ち止まってしまっている子どもが多いのです。
 

たとえば、割合の導入時においては次のような方法が有効です。

「Aの30%が360です」という問題の場合、「Aの0.3倍が360だ」と頭のなかで翻訳させます。

それを「□×0.3=360」の逆算の式で解かせることを繰り返していると、割合の理解は進みます。
 

応用部分の技術としては、線分図が大切です。

割合の線分図では、

・割合数字は、必ず○や□で囲む。

・複数本以上の線分図が必要な場合は、端をそろえる。

この2つが大切なのです。和差算で書いてきた線分図よりも、複雑になります。“

線の上には○や□で囲まれた割合数字、下には実際の数字”という使い分けが必要になるからです。

これまで以上にわかりやすく線分図を書く技術が大切になります。

・フリーハンドで横線をまっすぐに引く技術

・複数本以上の線分図を引く場合、その間に書く数字の数を予測して、間隔を調節する技術

・読みやすい数字を線分図に書き込んでいく技術

つまり、“ちゃんと線分図を書く”ことが大切なのです。

 

式や計算だけで問題を解くことが習慣になってしまっている人は、この単元で「図を書いて考える」習慣を是非取り戻してください。

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