写真は伊達市の北黄金貝塚です。広い草原に夕日が映えて美しいですね。

今年の7月、日本に新たな世界遺産が登録される見通しとなりました。
一つは、こちらの貝塚を含む北海道・北東北の縄文遺跡群。
もう一つは、独自に進化した固有種や亜種が多く生息していることから「東洋のガラパゴス」とも称される奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島です。

ところで中学受験生の皆さんは、そもそも世界遺産の目的が何であるか、だれが審査・認定を行っているか知っていますか?

まず、世界遺産の目的は、「人類共通の文化遺産と自然遺産を守る」ことです。
ですから、認定されることで注目され訪れる人が増えたり、歴史的に価値のあるものを未来に向けて守りやすい環境ができるなどメリットがある一方、それらを守るために数々の義務が発生し、これまで以上に管理が難しくなる難点もあります。

次に、世界遺産条約に基づいて候補地を募り、世界遺産の審査・認定を行う組織ですが、それらは UNESCO (ユネスコ) という、国際連合の関連機関が行っています。
正式名称である「国際連合教育科学文化機関」は入試で問われることも多いので、正確に覚えておきましょうね。

また、 世界遺産には人類が築いた建造物や遺跡を指す「文化遺産」、地形や生態系を指す「自然遺産」、それらの「複合遺産」の3種類があることも確認しておきましょう。
特に皆さんが勘違いしていることが多いものが、富士山です。
こちらは自然遺産ではなく文化遺産なので気をつけてくださいね。

中学受験の社会科では「地理」「歴史」「公民」に加え、時事問題を扱う学校がほとんどですが、中でも世界遺産に関する問題は毎年必ずと言ってよいほどどこかしらの学校で出題されています。
最低限、日本の世界遺産は全て言えるようにしておきましょう。

ちなみに入試に取り入れられる時事問題は大体その年の夏までのニュースですから、この夏に「北海道・北東北の縄文遺跡群」、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が正式に登録されれば、入試にはもってこいの最新ネタです。
多くの学校で、新たな日本の世界遺産に関する出題が相次ぐことが予想されるので、これらの候補地の位置を地図帳で確認しておくのはもちろん、それぞれの土地にまつわる歴史、気候・風土や特産物についても確かめておくと良いと思います。
入試では世界遺産を切り口に、それらを絡めて問われることも多いですよ。

また、日本で初めて世界遺産に認定された、1993年登録の「屋久島」・「白神山地」・「法隆寺」・「姫路城」や、「原爆ドーム」、「富岡製糸場」に関する出題は、年度によらず頻出です。

「知床」や「厳島神社」のように、特殊な読み方・書き方をする世界遺産も好んで扱われるので、新たな2つの候補群と合わせて、漢字で書けるようにしておいてくださいね。