皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■浜学園の公開学力テストが変わる?!

昨年の暮れのことですが、浜学園が開催した進学説明会で「6年生の公開学力テストの算数の平均点がこれまでより高くなるように変更する」というお話があったと、参加された方より教えていただきました。

これまで、浜学園の公開学力テストの6年生の算数の平均点は、5年生の公開学力テストの算数や6年生の公開学力テストの国語や理科に比べてかなり低くなる傾向にありました。

算数

国語

理科

2018年1月実施 5年公開

59.9

55.0点

63.2点

2018年2月実施 6年公開

43.7

64.0点

51.1点

2018年3月実施 6年公開

41.1

63.1点

53.0点

上記の場合、5年生の最後に行われる1月の公開学力テストと6年生の1回目に行われる公開学力テストでは算数の平均点が16.2点も低く、また、同じ6年生の1回目に行われる公開学力テストの算数と国語では平均点が20.3点も差があります。

そこで、浜学園としても科目間の平均点の差を小さくしようと考え、説明会で前述のようなお話しをされたものと推測されます。

■2019年2月の公開学力テストの結果は?

では、2019年2月に行われた6年生の公開学力テストの結果はどうだったのでしょうか。

算数

国語

理科

2018年2月実施 6年公開

43.7

64.0点

51.1点

2019年2月実施 6年公開

44.5

50.9点

52.3点

2019年2月に実施された新6年生の公開学力テストの算数の平均点は、昨年の2月の公開学力テストよりも0.8点上がっただけにとどまりました。

このように平均点の推移だけを見ると、「なんだ、結局変わっていないじゃないか」と思えるのですが、得点分布を見てみると実はそうではないことがわかります。

2019年2月の公開学力テストは前年よりも「グラフの形状がなだらか」になっています。

これまでの公開学力テストよりも「実力通りの得点になりやすいテスト」に変わっているということです。

これまでの公開学力テストであれば、学力差が少しあっても解けない問題数が同じなため、点数上は差がないように見えました。

しかし、変更後の公開学力テストは、学力が高ければ正解できる問題数が多くなり、学力が低ければ正解できる問題数が少なくなるように構成されており、点数に学力の差が現れるやすくなっています。

言い換えると、以前よりもさらに「ミスが許されない」テストになったといえるのです。

■4月の公開学力テストに向けた準備

では、このようにこれまでとは問題の構成が変化した公開学力テストが継続されると仮定した場合、どのような準備をして今後のテストに臨めばよいのでしょうか。

その資料として、公開学力テストの問題を昨年度と今年度で見比べて見ます。

覆面算や文章から式を作る力を必要とする問題が2019年度には出されていません。

このように、2019年2月の公開学力テストの1は「純粋な計算力」だけを問うものに変わっており、「計算ミス=マイナス4点」と差がつきやすくなっています。

同様に、2以降の問題も、基本問題は「解法が身についているか」、応用問題は「条件を整理することができるか」、難問は「持っている解法と整理力をフル活用できるか」を問う、シンプルながらも現在の学力がはっきりとわかる問題となっていました。

ですから、仮に基本問題の2-③をまちがえていたのであれば「余りの処理」問題や「最大公約数や最小公倍数の利用」問題などを、2-⑨をまちがえていたのであれば、「食塩水のやりとり算」や「売買算」など条件整理を必要とする比と割合の問題など、まちがえた問題の類題とその周辺分野の問題を振り返って、解法の確認や条件整理力を確かめることが準備として必要になるでしょう。

振り返りには5年生のマスターコースのテーマ教材や演習教材でも構いませんし、問題の選択が難しければ復習テストを使ってもよいでしょう。

テーマ教材や演習教材、復習テストでは「量がありすぎて時間が取れない」ようでしたら、5年生の夏期講習や冬期講習の教材を利用する方法もあります。

一度使った教材が使いにくいようでしたら、「プラスワン問題集(東京出版)」や「四科のまとめ(四谷大塚)」、「分野別シリーズ(サピックス)」などの市販問題集でも構わないと思います。

時間に限りがあるでしょうから、「もう少し固め直せば…」という問題から優先的に取り組んで次の公開学力テストに備えることができればいいですね。