今回の小6生用のサピオープンとマンスリーについて、算数の出題の感想を書いてみようと思います。

まず、サピオープンです。

算数A
ほとんどの問題は、素直な問題だと思います。どこかでその類題を解いたことがあるようなものばかりだったのではないでしょうか。

一見すると取り組みやすい問題です。

 このような素直な問題で余り点数が取れなかった場合に考えれる原因を考えてみましょう。
1 B問題の後に取り組むために、持久力を無くしてしまった。
  B問題は、自分で手を動かしながら作業をして、解き方の糸口を見つける問題です。

これがお子さんのタイプによっては疲れの原因になります。

2 B問題での失敗が尾を引いて焦ってしまった。
  子持ちの切り替えがうまくできないお子さんも多いのです。

3 35分で21問という量に焦ってしまった。
  (問題数は、小問合計21ですが、1問の中で2つのことを問われているものもありますから、実際にはもう少し多くなっています。)

時間的なプレッシャーから、雑な計算や考え方をして、解けるはずの問題を落としている子供が多いのです。 1番や2番の易しい部分で間違いが多いにも関わらず、後半まで解いているお子さんの場合がそれに当たります。

4 図形の知識が思い出せなかった。
大問3番は30°三角形の知識や、図形の回転移動の知識が必要な問題です。繰り返し学習の慣れによって覚えていくタイプの学習をしているお子さんの場
合は、まだこのあたりの知識が定着していない時期です。図形問題の場合も、「理解すべき内容」「覚えるべき内容」をしっかりと分けて学習していく必要があ
ります。

算数B
今回は、前回と異なり目新しい問題が多く、難しいと感じたお子さんが多かったのではないでしょうか。

この中で、部分点を稼ぐとすれば、1番の(1)(2)、2番の(1)(2)、3番の面積に関する問題です。それにも条件がつきます。

1番の(1)(2)については、どのような場合に最大・最小になるのかを見抜く力が必要です。

2番の(1)(2)では、長い問題文をきっちりと読む力が必要です。

逆にほとんど手がつかなかったのではないかと思える問題は、2番の(4)、3番の(3)以降です。このあたりの正答率は非常に低いと思われます。

前出の部分点を稼げるところで、ちゃんと○がついたお子さんたちの中で差がつくいたのは、1番の(3)だと思います。

このタイプの問題は、難関校で頻出
の全てを書き出す問題です。

思いつきで書き出していくと重複したり足りなかったりが必ず起こります。きっちりと整理して、書き出す方針を見つけることが必要です。

5月マンスリー
授業内での立体図形の扱いが、ここ2年どんどん増えています。
2年前:小6後期に「今週の立体切断」なるプリントが毎週登場。
1年前:「今週の立体切断」がアプローチに組み入れられる。
今年:前期から立体切断が毎週テストされるようになった。(教室によるかもしれません)

今回のマンスリーで立体の切断が出題されるかどうかに興味を持っていたのですが、やはり出題されました。(2で切断後の辺と頂点の数、3で切り口の名称)

この立体の切断は、訓練だけではなかなか上達しません。

いろいろなものを切って見たという経験の数が大切な部分です。

以前、立体の切断が苦手なお子さん
の相談を受けたときに、「大根で立方体をたくさん作っておいて、お子さんにいろいろ切らせてください。」とアドバイスしたことがあります。

オチとしては、
「大根が高いのでにんじんにしてみました。1週間にわたり毎朝の味噌汁の具は、子供が切り刻んだにんじんでした。」です。

このお子さんは、これ以降立体図
形の切断に苦労することなく開成中に合格しました。

ですから、今から立体の切断の問題を解く経験を積ませるというサピックスの方針に大いに賛同しています。

さて、今回のマンスリーテストの問題レベルは、3月と4月のちょうど間ぐらいでした。

非常に易しい問題と、テキストから多少形を変えた問題が適度に混じっています。

問題数も25問と比較的少なく(それでも十分な量ですが)、全体的に穏やかな出題でした。

でも、きちんとした理解が出来てないと高得点は取れないようになっていることはいつも通りです。