今回のコラムは、名門指導会の関西統括、都関靖治氏のコラムを掲載したいと思います。関西では12月から始まる中学入試。
そのあたりの実際はどうなのでしょうか。
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皆さん、こんにちは。
塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。
西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。
■岡山県の中学入試は12月からスタート
名門指導会は、関西エリアの場合、主に大阪府、兵庫県、奈良県、京都府で指導を行っていますが、この2府2県で行われる2018年度の中学入試は、2018年1月13日の土曜日から始まります。この入試本番でも本来の実力が発揮できるように、いわゆる「前受け」と呼ばれる併願受験をする受験生が、関西大手進学塾の指導もあり、決して少なくはありません。この「前受け」の対象となるのは、大阪や神戸などで県外受験を実施する岡山県、香川県、愛媛県、長崎県、北海道などの中学ですが、その中でも岡山県には、今月12月に入試を行う学校があります。
入試日 | 男女区分 | 中学校名 | 科目数 |
12月3日 | 共学 | 朝日塾 | 3科目 |
12月3日 | 共学 | 岡山学芸館清秀 | 3科目 |
12月9日 | 共学 | 岡山 | 4科目 |
12月10日 | 共学 | 就実 | 3科目 |
12月16日 | 共学 | 岡山 | 3/4科目 |
12月17日 | 女子 | ノートルダム清心 | 3/4科目 |
12月17日 | 共学 | 就実 | 2科目 |
12月23日 | 女子 | ノートルダム清心 | 2科目 |
12月23日 | 共学 | 岡山学芸館清秀 | 3科目 |
1月にも入試を実施しますが、いわゆる「2次募集」の意味合いが強く、メインの入試はこの12月です。
■岡山中の入試問題
入試日が大阪府や兵庫県よりも約1ヶ月早いということは、岡山県の受験生にとってはそれだけ受験の準備期間が短くなっているということを意味します。そのような受験生でも取り組むことができるようになっている岡山県の中学入試問題はどのようなものでしょうか。昨年行われた「平成29年 岡山中学 B方式」を見てみましょう。
5 図のような、たてが10cm、横が15cmの長方形の外側に円A、内側に円Bが接しています。この円A、Bがそれぞれ長方形の各辺に沿って転がりながら1周しました。次の問いに答えなさい。
(1) 省略
(2) 円Aの中心が移動した距離と円Bの中心が移動した距離の差が47.4cmになりました。円A、Bの半径がともに整数になるとき、円A、Bの半径はそれぞれ何cmですか。(円周率は3.14)
近年よく出題されている作図力を問う問題です。作図力を問う問題を解くためには、知識に基づいた正確な作図と計算力が必要ですから、受験生の実力を測るのに適しているためでしょう。
【解答例】
作図をすると下の図のようになります。
図より、
円Aの中心の移動距離=長方形の周りの長さ+円Aの円周、
円Bの中心の移動距離=長方形の周りの長さ-円Bの半径×8
とわかります。
円Aの中心が移動した距離と円Bの中心が移動した距離の差が47.4cmなので、
円Aの円周+円Bの半径×8=47.4cm となり、
円Aの円周は小数第一位までの数で、その小数第一位は4となることもわかります。
従って、
円Aの半径が5cmのとき、5cm×2×3.14+円Bの半径×8=47.4cm より、
円Bの半径×8=2cm
のようにして、答えを求めることができます。
■12月校の「前受け」について
この問題からもわかるように、準備期間が短くなる12月の前受け校の入試問題は、「基本がどれだけできているか」を測る問題が多くなりがちです。ですから12月に「前受け」をする場合、まずは、受験予定校の直近2ヶ年程度の過去問に取り組んでどのような問題が出題されているかを知っておくとよいでしょう。さらに11月に塾で行われた公開学力テストなどの模擬テストで、正答率の高い問題の解き直しとその問題に関連した周辺知識の再チェックに取り組み、本番入試にも必要とされる基本問題が正解できる力をより確実なものにしておくことが望ましいと考えられます。
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