このところ高学年向きの話題ばかりでした。


今回は、低学年向けのお話をしましょう。気になる夏休みの過ごし方について、「その1」です。

・夏には知的な経験をたくさんさせてください。

6年生になると各塾ともに長時間、長期間の拘束がかかることは皆さんもご存知の通りです。

それに比べると、5年生の時間割はあっさりとしていることが多いようです。

それ以下の学年では、もっともっと自由な時間が増えます。

お母様方の中には、もっと面倒をみて欲しいとおっしゃる方も少なくありません。

塾の掛け持ちをお考えになる方も多いのですが、机に向かう課題消化だけでは今後に伸びる頭を作るためには不安があります。

今後に伸びる頭の栄養は生活知識です。生活の中で知的好奇心を刺激する体験です。


夏休みだからこそ触れ合うことの出来る自然や史蹟を見逃す手はありません。

理科や社会は興味の有る無しで、学習の成果が大きく変わる科目です。

夏の経験を知的財産にするための事前準備が、お子様を理科好き、社会好きにすると言っても過言では無いのです。
 

・決め手は事前準備

神戸在住のご家庭の例をご紹介しましょう。

お子様が3年生、4年生の頃には、青少年科学館へ、人と自然の博物館へ、水の科学博物館へと足しげく通われたそうです。

リニアモーターの見学には前夜にこっそりと電磁石を勉強し、丹波竜の化石では発掘現場をカーナビに登録、

お約束のインターネットで関連記事を読んでおくなんてことは全てお父様の役割でした。

事前に準備していたため、お父様は現場での解説をお子様に説明したり、解説員に質問までできるようになっていたと言います。

3年生の時にそんなお父様の姿を見て育ったお子様は、4年生になると自分で質問をするようになっていたのです。

そうやって好奇心を満たされることが、教わったことを身につけることにとても役立っていたようです。

たくさんの知識を身につけたお子様は、夏休みの自由研究には困るとが無かったとおっしゃいます。

ごく当たり前に下調べをしておくことが、ご家族でのお出かけを実り多いものにしてくれていたのですね。


・その子が6年生になって

私が始めてこのお子様とお会いしたのは、小学5年生の2月でした。

塾では6年生に進級するタイミングです。

最初の印象は、優秀な理科の先生といった感じです。

私が知っている優秀な理科の先生の多くは、豊富な知識を持ち、それを惜しげもなく披露することが大好きなのです。

まさしくそんな姿のお子様を見て、成績がすぐに伸びるであろうことは直感できました。

予想通り好奇心を満たしてあげる授業で、算数の成績も3ヵ月後には

公開模試での偏差値が50台前半から60程度まで一気に上がったのです。

基礎知識を原理原則から興味を持って接して身につけた知識おかげで、

その後も成績を落とすことなく受験を迎えることが出来ました。
 

この理想的なお話はきっと、机に向かうだけが勉強だとは考えておられなかったご両親のセンスの賜物でしょうね。


ご紹介した例を参考に、皆さんもこの夏を実り多いものにしてくださいね。

(都関)