4月も半ばになり、道端には色とりどりの花が咲き始めましたね。運動不足解消もかねて、わたしも毎日散歩を楽しんでいます。 

去年の今頃は新型コロナウィルスの影響で全国的に一斉休校になっていましたが、今年は多くのお子さんが無事に新学期をスタートしているようです。

一部の学校では、いまだに新しいクラスメイトと顔を合わせられていなかったり、ご家族の誰かが風邪を引いただけでも登校を控えなくてはならなかったりと厳しい制限が続いていると聞いていますが、皆さんお元気でしょうか。

引き続きお子さんがお家で過ごす機会も多いと思いますが、そろそろ在宅学習の新鮮さも薄れ、勉強に集中できなくなってくる頃かもしれません。

そんな時は、ぜひお子さんが勉強に取り組む環境を見直してみてください。

まずはお子さんの勉強場所です。

以前からお伝えしていますが、ご家庭では、自室よりもリビングでの学習がおすすめです。

ただでさえエネルギーを持て余しがちな小学生にとって、自由時間のほとんどを勉強に費やさなくてはならない中学受験は大きな試練。ましてやこのコロナ禍では、そのストレスは輪をかけて大きいでしょう。

静まり返った自室に閉じこもり、毎日黙々と何時間も集中するのは、大人でも至難の業ですよね。

マウスの実験では、完全な無音状態では学習することはできないことが証明されています。ある程度の雑音、たとえば、「ザー……」という砂嵐の音(ホワイトノイズ)を聞かせた方が、学習効果は高まることが分かっているのです。

これは人間にもいえることで、無音よりも50デシベルくらいの雑音がある方が学習や作業には向いているといわれていますが、ご家庭であればそれに近いのがリビングです。かすかに聞こえる冷蔵庫の音、野菜を刻む音、キッチンの流水音……。窓を少し開けておけば、虫や鳥の声、風の音や葉ずれの音、鳥の声、虫の声も入ってくるでしょう。

また、親御さんの姿が時々目に入ることも安心感につながります。

ぜひお子さんをリビングに招き入れ、無駄なプレッシャーや緊張から解放し、脳がリラックスと集中に導かれやすい環境に置いてあげてください。ただし、テレビはもちろんラジオやご家族同士の会話は集中力の妨げになるので気を付けてあげてくださいね。

次に、お子さんへの声掛けです。

親御さんによっては、「どう?進んでる?」「手が止まってるわよ」「もう少しきれいに書いたら?」などと、お子さんの様子が気になってひっきりなしに声をかけてしまうようですが、これは良くありません。

その都度、集中が途切れてしまいますし、親御さんに監視されていると感じてしまうと、無駄な緊張感も生まれます。

あくまでもお子さんの様子をそっと見守り、勉強に区切りがついたときや、プリントやテストに勉強の成果が表れたときに、「すごいね」「がんばっているね」「一緒におやつでも食べない?」などと、さりげなく、お子さんをねぎらう声掛けをしてあげてくださいね。

また、在宅学習だからといって、先生の代わりに勉強を教えてあげないと、と親御さんが焦る必要はありません。指導はできるだけ学校や塾の先生に任せましょう。

ただし、通学・通塾が難しい状況などで、お子さんが先生に質問しづらい場合は、「その数字は、どうしてそうなったの?」「次に何がわかりそう?」というような声掛けで、お子さんの思考を導いてあげると良いでしょう。

親御さんにしかできない一番大きな役割は、「勉強が楽しい」「できるようになったらうれしい」というお子さんの意識を育ててあげることです。

お子さんがお家にいる時間が長いと親御さんも大変ですが、この機会に、中学受験を乗り切れる親子の強い絆とより良い関係を育めることを祈っています。