月: 2021年3月

【関西】2021年度の関西エリアの男子難関中の受験状況

皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■2021年度の関西エリアの中学入試①…受験状況

今回は、関西エリアで行われた2021年度の中学入試について、お知らせしていきたいと思います。

はじめに、学校より公開されている男子難関中の受験状況を見ていきます。

学校名

2021年度

2020年度

募集人数

受験者数

合格者数

実質倍率

募集人数

受験者数

合格者数

実質倍率

180

650

227

2.86倍

180

762

256

2.98倍

東大寺学園

200

869

402

2.16倍

176

909

361

2.52倍

大阪星光学院

190

703

278

2.53倍

190

695

297

2.34倍

甲陽学院

200

380

215

1.77倍

200

383

217

1.76倍

洛星(前期)

180

396

254

1.56倍

180

448

264

1.70倍

合計

950

2998

1376

926

3197

1395

※東大寺学園中は高校からの募集停止に伴い、募集人数が2020年度よりも増加しています。

上記の表のように、関西エリア2府2県の男子難関中学校の受験者数は、大阪星光学院中を除くと2020年度よりも減少しており、実質倍率も概ね下がって、やや「広き門」となっています。

■2021年度の関西エリアの中学入試②…得点状況

次に、科目別の得点状況を、同じく学校より公開されたデータで見ていきます。

下記は、合格者の科目別合格者平均点(※洛星中のみ受験者平均点)を2020年度と比較したものです。

合格者平均

国語1

80点

国語2

120点

算数1

100点

算数2

100点

理科

100点

合計

500点

2021年度

63.2

78.0

83.0

67.8

76.5

368.5

2020年度

58.1

79.9

72.0

71.2

66.7

347.9

東大寺学園

四科合格者平均

国語

100点

算数

100点

理科

100点

社会

100点

合計

400点

2021年度

66.1

61.6

68.2

73.3

271.4

2020年度

62.8

64.4

72.5

69.7

272.6

東大寺学園

三科合格者平均

国語

100点

算数

100点

理科

100点

合計

300点×4/3

2021年度

66.2

75.0

71.0

283.0

2020年度

61.8

75.1

74.8

282.2

大阪星光学院

合格者平均

国語

120点

算数

120点

理科

80点

社会

80点

合計

400点

2021年度

75.9

99.8

66.5

62.5

306.9

2020年度

79.6

82.2

58.8

63.5

285.3

甲陽学院

合格者平均

国語1・国語2

100点・100点

算数1・算数2

100点・100点

理科

100点

合計

500点

2021年度

116.2

143.8

56.4

316.4

2020年度

133.5

129.0

58.6

321.1

洛星(前期)

受験者平均

国語

120点

算数

120点

理科

100点

社会

100点

合計

440点

2021年度

70.7

68.4

71.1

74.2

281.4

2020年度

66.8

78.3

64.3

78.8

実質倍率は全体的に少し低くなったのですが、合格者平均点を見てみますと、灘中で20.6点、大阪星光学院中で21.6点と大幅に上昇している学校があります。

その内訳は、灘中の場合は、国語が3.2点、算数が7.6点、理科が9.8点と各科目で上昇しており、大阪星光学院中の場合は、国語が3.7点、社会も1点と合格者平均点が下がっていますが、算数は17.6点、理科も7.7点と大きく上がっています。

また、合格者平均点が前年よりも下がった甲陽学院中ですが、科目別でみると、算数の合格者平均点は14.8点と、これも大きく上昇しています。

実質倍率は下がりましたが、算数や理科の点数を伸ばしていく必要があるという点からは、受験生にとって厳しい入試であったことに違いはなさそうです。

■2022年度の入試に向けて

2021年度の中学入試では、昨年来の新型コロナウイルスの影響で小学校が一時休校となったことをうけてでしょうか、難関中の算数が、灘中をはじめとして、比較的解きやすい問題が多かったように感じました。

(令和3年度 灘中学校 入学試験問題 算数 第1日 より)

2 3つの容器A、B、Cにあわせて600mLの水が入っています。容器Bの水の体積は容器Aの水の体積の1.5倍です。容器Aから容器Bに水を40mL移すと、容器Bの水の体積は容器Cの水の体積の1.4倍になりました。水を移したあとの容器Bの水の体積は( )mLです。

12 ある立体の展開図を、幅が3cmの方眼紙にかくと、下の図の太線のようになりました。斜線をつけた三角形は正三角形です。また、正方形でない四角形の面はすべて長方形です。この立体の体積は( )cm3です。

灘中の場合、2021年度入試では上記のような取り組みやすい問題が出されたことや、直近3年間の算数1の合格者平均点が、2019年度の49.8点から、2020年度は72.0点、2021年度は83.0点と、2年連続して上昇していることを考えると、2022年度入試では算数の入試問題が難化する可能性が十分に考えられます。

大阪星光学院中も、算数の合格者平均点が、2017年度に87.4点、2018年度に88.3点と続けて上昇した翌年の2019年度では、74.8点と大幅に下がりました。

その後、2020年度に82.2点、そして今年が99.8点と上昇しましたので、2022年度の入試で再び合格者平均点が低くなる可能性があります。

ですから、新型コロナウイルスやその変異株が小学校などの学校教育にどのような影響を及ぼすのか、今の段階では予測がつきませんが、2020年の夏以降のように休校という事態がおこらない(そうあって欲しいと心より願っています)場合のことも見すえ、2022年度の受験生はこの2月から十分に対策を講じておくことが望ましいといえます。

【関西】2021年度の関西エリアの女子難関中の受験状況

皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■2021年度の関西エリアの女子難関中の受験状況

前回は、関西エリアで行われた2021年度の男子最難関中の入試についてのお話をいたしました。

今回は、女子の最難関中の入試についてお伝えしていきたいと思います。

はじめに、公開されている女子の最難関中(共学校を含みます)の受験状況を見ていきます。

学校名

2021年度

2020年度

募集人数

受験者数

合格者数

実質倍率

募集人数

受験者数

合格者数

実質倍率

神戸女学院

(女子)

135

265

154

1.72倍

135

240

153

1.57倍

四天王寺

(女子)

医志約40

医志227

医志96

2.36倍

医志35

医志547

医志93

5.88倍

洛南高附属

(共学)

男女約280

女子263

女子81

3.25倍

男女約280

女子248

女子75

3.31倍

西大和学園

(共学)

女子約40

女子230

女子64

3.59倍

女子約40

女子208

女子36

5.78倍

高槻

(共学)

女子約90

女子588

女子195

3.02倍

女子約90

女子558

女子219

2.55倍

※注1…四天王寺中学校は、医志コースから英数コースへの変更合格(まわし合格)があります。

※注2…洛南高等学校附属中学校の募集人数は、内部進学者90名を含みます。

※注3…西大和学園中学校の受験者数、合格者数は、県外入試を含みません。

上記の表のように、関西エリア2府2県の女子最難関中学校の受験者数は、四天王寺中の医志コースを除くと、2020年度よりも増加しました。

■見かけ上は実質倍率が大きく下がった四天王寺中の医志コース

上の表を見ると、大阪府の人気校である四天王寺中の医志コースは、受験者数、実質倍率が、ともに大きく下がっています。

というのも、四天王寺中は2021年度より募集するコース制度に変更があったからです。

これまで四天王寺中には、医志コース、英数Ⅱコース、英数Ⅰコースの3つがあり、その中で最も難しい医志コースを受験し惜しくも合格点に達しなかった場合、英数Ⅱコース、英数Ⅰコースの合格点を満たしていれば、それぞれのコースへの変更合格、いわゆる「まわし合格」がありました。

2021年度からも、医志コース、英数Sコース、英数コースの3コース編成にはかわりがありません。

ですが、医志コースの受験結果が残念なものとなったときに、これまでの英数Ⅱコースに相当する英数Sコースではなく、従来の英数Ⅰコースにあたる英数コースへの変更合格に変わりました。

学校ホームページによれば、医志コースは「医歯薬学系進学」、英数Sコースは「非医歯薬学系を目指す生徒のために再編し、最難関大学進学」、英数コースは「最難関大学の文系・理系進学にとどまらない、社会で活躍できるリーダー」を可能にする学力を養成するとあります。

そのため、2年進級時にコース変更の機会があるとはいえ、「まわし合格」よるコースの違いが、受験コース選びをより慎重なものにさせたものと思われます。

この他、英数コースに併願、専願の2つの募集形態ができたことも2020年度との大きな違いです。

これらの募集方法の変更の結果、四天王寺中の2021年度の受験状況の詳細は下記のようになりました。

コース

2021年度

コース

2020年度

募集

人数

受験

者数

合格者数

実質

倍率

募集

人数

受験

者数

合格者数

実質

倍率

医志

約40

227

96

2.36倍

医志

35

547

93

5.88倍

英数S

約40

155

57

2.72倍

英数Ⅱ

90

189

変更合格185

合格30

­

英数

併願

約170

21

変更合格128

合格5

­

英数Ⅰ

120

変更合格178

合格69

英数

専願

316

160

1.98倍

合計

約250

719

446

1.61倍

合計

245

736

555

1.33倍

■2022年度の入試に向けて

四天王寺中の受験状況は上記の通りですが、その他の女子最難関中も見ていきますと、昨年度は応募者が前年比で10%近く減った神戸女学院中は過去5年で最も多い受験者数、洛南高等学校附属中や高槻中は前年比で約5%、西大和学園中は前年比で約10%、それぞれ受験者数が増えました。

このように女子最難関中が人気を集めるその理由の1つとして考えられるのが、新型コロナウイルスへの対応です。

学校が休校措置となったとき、いちはやくオンライン授業に取り組むなどした私立中学校の危機管理力は、最難関大学の受験を考えるご家庭にとって大きな安心材料になったことでしょう。

また、2021年度に限ればこれまでのセンター試験とあまり大きな違いがなかったといえそうな大学の共通テストも来年以降どのようになっていくかが不明ですから、そのような場合にも私学の素早く適切な対応力に期待するところが大きいのだと思います。

そういった意味で、2022年度の入試も最難関中や人気校については厳しい競争が予想されそうです。

2021年入試は「取り組みやすい」学校が多かった!?

この時期は行われた入試に関して、傾向の変化などについて聞かれることが多く、メディアの取材も「2021年の入試はどうだったか」という内容が多くなります。

 

私たち名門指導会の内部でも、入試問題の研究会や傾向分析のミーティングなどを頻繁に行い、先生方の間で情報交換を行っています。

 

その中で私が強く感じるのは、2021年の入試は例年にくらべて易しかった学校が多いことです。

易しかったというと語弊があるかもしれませんが、少なくとも「解きやすかった」という印象をもった受験生が多かったようです。

 

都内はもとより全国でも屈指の難度の、筑波大学附属駒場中学校。

この学校の理科では例年「てこ」など力学の難問が出題されます。

どのような部分で「難問」なのかというと、「考えられる場合をすべて考えて検討しなければならい」というもの。

単に計算が複雑とかそういったことではなく、さまざまな要素を考えて比較検討し、答えを絞り込んでいくということが必要で、それには非常に時間と手間がかかるのです。

 

今年も力学の問題はありましたが、例年にくらべてぐっと手間が少なくて済む問題でした。

 

他の難関校も、傾向は例年と大きく変わらないものの、問題の解きやすさ、取り組みやすさでいうと、例年よりもちょっとハードルが低い問題を出していた学校が多かったように思います。

 

開成中の算数は、大問3では例年よく出る「手を動かしているうちに解き方が見えてくる」という問題がありましたが、特にテスト前半の問題では「塾で習ったような」問題が多く、差が付く部分が見えやすかった印象です。

 

開成に関して言えば、例年難度の変化は大きく「どんな問題が出ても対応できるように準備しておく必要がある」と言えますから「今年易しかったから来年もこの傾向が続く」とも言えないと思います。

 

桜蔭のように、今細かい作業が必要で得点がしにくかったという学校もありました。

「見たことがあるような問題が多い」と感じても、いざ解き切るにはかなりの「作業力」が必要というわけです。

 

今年は「少し解きやすくなった学校が多かった」とはいえ、難関校では、難度が下がれば「ミスができなくなる」テストになり、その面での競争が顕著になるわけで、受験生としては「どちらに転んでも」という準備はしておかなければなりませんね。

学校ごとの入試分析の細かな結果は、名門指導会のホームページで近日中に発表できると思います。

 

志望校の入試傾向に変化があったのか、難度はどうだったのか、ぜひ確認いただければと思います。

 

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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