4月に入り、春休みも後半。

新しい元号「令和」が発表され、いよいよ来月から新しい元号に切り替わります。
何か新しいことを始めたり、チャレンジしたくなる春ですが、今年はことのほかそんな気持ちになりますね。

さて、お子さんたちは春休みを終えると学校でも新学年、1学期を迎えます。
新しい学年、新しいクラス、新しい友達や担任の先生、新しい環境での生活を迎えつつも、塾ではカリキュラムが本格的に難度を増していきます。

■5年生最大の「山場」は

6年生はいよいよ夏に向けて、最重要単元の総復習となっていきます。
(多くの塾で、社会科だけは公民分野が未習ですが、他の教科はほとんど5年生までで基本的なことは全て学んでいる状態で、6年生1学期は復習&応用発展的なカリキュラムです)

では5年生はどうかというと、特に算数では5年生の「山場」ともいえる単元が2つ登場します。

ひとつは「速さ」であり、もうひとつは「割合」です。

多くの塾で、4年生でその基本は学んでいますが、本格的に学習するのは5年生です。
サピックスでも5年生の1学期、速さは「旅人算」として登場し、夏休み直前には割合も本格的に学習します。

入試問題にも頻出の単元であり、これらの分野に苦手があると、受験において大きく不利になるといってもいいでしょう。
その意味で、5年生の1学期はとても重要です。

■塾カリキュラムの特性を意識して

大手進学塾の算数カリキュラムにおいて、もっとも「堅実」なつくりになっているのは日能研ではないかと思います。
たとえば小数や分数の計算の単元が出てきたかと思えば、それらを数週に渡って「これでもか」と言わんばかりに徹底的に続けて指導するカリキュラムです。

一方でサピックスは、図形を学習したかと思えば次の週には約数や倍数、というように目まぐるしく学習単元が変わっていきます。

どちらがよくてどちらがよくない、といったことではなく、一長一短なのです。

日能研のように1つのテーマをじっくり学習するタイプのカリキュラムの塾は、時間をかけて理解し、コツコツ積み上げていきたいお子さんにはぴったりです。
一方サピックスのように目まぐるしく単元が変化する塾は、どんどん新しいことを学習したいお子さん向きです。そのためには1回1回の内容を短いサイクルで身につけていくことが必要ですね。

四谷大塚はその中間的なカリキュラムです。

お子さんが通う塾の授業がどのようなカリキュラムで進んでいくのか、そしてお子さんの学習に取り組むときのタイプや姿勢はどうか、そのあたりを親御さんが見極めてあげる必要がありそうです。

■「わかったつもり」のままでは身につかない

乱暴な言い方をすれば、塾の一斉授業で習って「わかった」と言って帰ってきたお子さんは、半分くらい「わかったつもり」の状態です。

確かに塾の先生の言うことは理解できたし、授業中にそのとおりに問題を解けばできた。
でも、時間がたっても同じことが確実にできるようになるかどうかは、家庭学習にかかっています。

習ったとおりに問題を解くだけではなく「どうしてそのように考えるのか」「なぜこの解き方で解くのか」を自分なりに考えながら、習ったことを反芻する学習時間が必要です。

各塾なりに、テキストやテストはそのような学習となるようにできているはずなのですが、「追われる学習」が続いてしまうと、いつのまにか「機械的な作業」が勉強であるかのようになってしまいがちです。

家庭学習がそのような「機械的な作業」にならないためのヒントは、「スピーディーな学習とスローな学習の使い分け」だと感じています。

完全に理解できている基本問題や計算問題などは、テキパキと(ときには制限時間を設定して)スピーディーに処理する。
応用問題を考えるときや授業の内容を振り返るときは、じっくりと考え方をことばにして説明するなど(親御さんに対してお子さんに説明してもらう「家庭内ミニ授業」もおすすめです)スローな学習を心がける。

すべてが「あたふた」にならないように気をつけて、1学期を上手く乗り切りたいですね。