月: 2019年3月

春休み・ゴールデンウィークにやっておきたいこと

■日程がゆるい春期講習だからこそやっておきたいこと

春休みですね。

塾では春期講習が行われることと思います。
春休みは短いこと、そしてまだ学年が始まって2か月たらずということで、やや日程、時間がゆったりとしている塾がおおいことと思います。

たとえばサピックスでは、4年生、5年生が5日間、そして6年生でも6日間の日程です。
これだと春期講習以外の勉強もやれそうですね。

さて、そんな春休み、もちろん家族でのお出かけなどもあっていいのですが、一方で2月から始まった新しい学年の勉強がどのように進められているか、そしてテストなどに結果としてどれくらい出ているかを冷静に判断する時間、そして見直しの時間などもとってほしいと思います。

特に6年生は「まだ春休み」という意識を捨てたほうがいいように思います。
なぜなら夏にはもう完全に「受験モード」になるのが進学塾であり、「夏からがんばろう」という目論見はうまくいかないことが多いからです。

春休み、そして1か月少し先のゴールデンウィークは、この学年をどう乗り切るかという学習サイクルを見直す、貴重なチャンスなのです。
脅かすつもりはないのですが、早め早めに学習サイクルの見直しの機会をとるのが、受験を上手く乗り切る秘訣の1つだとは思います。

2月、3月で消化できていないと感じる単元があったなら、その補強を春休みに補充しておきたいですね。
また、前の学年からの「持ち越し」もあるかもしれません。
その「持ち越し」が、2月からの塾の勉強、テストによって明らかになってきた、というようなケースもあるかもしれませんね。

日程的にハードでない春休みだからこそ、+αでやりたかったこと、できそうなことをリストアップし、少しでも取り組んでおくとよいと思います。

■6年生は、新たに習うことはもう無い?

6年生は、特に算数では「今後新たに習うことはそう多くない」という心づもりをしておきましょう。
入試において出題される問題についても、5年生までにその基礎はすべて習ってしまっていると考えてよいということです。

6年生の1年間では、それらの基礎を応用、発展させた問題にどう対処するか、といったことが多くなります。
つまり基本の習得に不安がある単元や分野に関しては、春休みやゴールデンウィークなどの機会に復習しておく必要があります。

サピックスなどでは、ゴールデンウィークにも「GSM特訓」といった授業がありますね。

こういった授業は「演習授業」と呼ばれるもので、5年生までに習った基礎部分がガッチリできていることを前提に、それを使って応用、発展問題、つまり入試問題に近いものを演習する授業です。
このことから考えると、5年生までに習った基礎部分に不安がある単元については、こういった演習授業を受けてもあまり効果はないということになります。

私の経験や感覚では、最上位クラスでラクラクやっているという子以外は、ゴールデンウィークは基礎の復習をしっかり固めたほうが受験に有利と強く感じます。

このあたりこのことも、6年生に関しては心に留めておいていただければと思います。

【関西】2月よりも難しかった3月の浜学園の公開学力テスト6年算数

皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■2月より難しかった!3月の「浜学園 小6 公開学力テスト 算数」

前回のコラムでは、浜学園で行われた2月の小6の公開学力テストの算数が「実力通りの得点になりやすいテストに変わった」とお伝えしました。

しかし、3月10日に浜学園で行われた小6の公開学力テストの算数は、2月の公開学力テストよりも難しいものとなりました。

算数

国語

理科

2019年2月実施 6年公開

44.5

50.9点

52.3点

2019年3月実施 6年公開

42.2

58.5点

58.4点

上記のように、3月の公開学力テストの算数の平均点は、2月に行われた公開学力テストよりも2.3点下がっています。

というのも、テスト用紙1枚目にある大問2が難化したからです。

次の表は、2月と3月の公開学力テストの大問2の正答率の一覧です。

このように、正答率20%以下の問題数が2月の公開学力テストでは1問であったのに対し、3月には5問(20点/満点100点)と大きく増加しています。

さらに、テスト全体を見ても正答率50~79%の問題が6問(全23問)も減っていることが次のグラフからわかります。

■得点帯ごとの人数分布はどのようになったのか?

では、2019年3月に行われた6年生の公開学力テストの得点帯ごとの人数分布はどのようになったのでしょうか。

正答率50~79%の問題数が大幅に減少したために、得点帯別の人数分布も30~49点に受験者全体の46.2%が集中し、2月ほどは「実力通りの得点になりやすいテスト」とはなっていないことがわかります。

■3月の公開学力テストで求められた力と今後に向けた準備

では3月の公開学力テストで得点を伸ばすために求められていた力はどのようなものだったのでしょうか。

2月と大きく正答率が下がった3月の公開学力テストの大問2から、問題を1つ見てみましょう。

2-⑦ 「1個500円で仕入れた品物  個を2割のもうけを見込んで全部売るつもりでしたが、3個こわれたので、残りを全部売って全体で900円の利益になりました。」

この問題の条件を線分図に表わすと次のようになります。

上記の線分図から「仕入総額の2割=900円+1800円」とわかりますので、2700円÷0.2=13500円…仕入総額 13500円÷500円=27個のようにして答えを求めることができます。

この問題の正答率は18%ですが、上記のように、「問題の条件を整理する力」があれば決して正解できない問題ではありません。

ですから、前回のコラムで「(2月の公開学力テストの)大問2-⑨をまちがえていたのであれば、食塩水のやりとり算や売買算など条件整理を必要とする比と割合の問題など、まちがえた問題の類題とその周辺分野の問題を振り返って、解法の確認や条件整理力を確かめる」ことが3月の公開学力テストにむけた準備として十分にできていれば、正解できたかもしれません。

公開学力テストのような実力テストは、返却されてからどのような取り組みをするかが非常に重要です。

間違えた問題の直しをすることは大切ですが、それに加えて類題と間違えた問題に関連する周辺分野の問題を利用して解法の確認や条件整理力を確かめることが、その後のテストにつながっていきます。

次の公開学力テストに備え、「あと少しがんばれば解けそう…」という問題から優先的に、5年生のマスターコースの演習教材や講習会の教材、あるいは市販問題集などを利用した振り返り学習ができればいいですね。

入試問題は学校からのメッセージ

昨年の開成中の算数入試が易しかったことは、このブログ以外の記事やさまざまなメディア向けのコメントでお伝えしてきました。
で、今年はどうだったかというと、さすがに昨年より難化していました。
昨年は「いったい開成中はどうなっているんだ!?」といった声もあちこちからあがっていたのですが、今年の問題を見て、学校の考えや苦悩がわかるような気がしたのも確かです。
開成を目指してくる子たちは、全国でもトップレベルの実力の持ち主たち。
もちろんもっともっと算数の難度が上がっても、対応できるはずです。
今年の出題は、まさに「オーソドックス」というにふさわしい難問だったと思います。
ただ、難問奇問ばかり出す学校ではないのが、開成中学校。
基本的な問題もあれば、手を動かすだけで正解が見えてくるような、そんなつくりの問題もあります。
学校側としては、スマートな方法で難問をサラリと解く生徒ばかりに来てほしいわけではないのだと思います。
しっかり作業して細かいことを積み上げていく、そんな努力ができる子、その努力の末に見つけた糸口にワクワクできる子に来てほしいと思っているでしょう。
そんな子のために、問題に趣向を凝らします。
でも、それが塾のテキストに収録されると「解き方を教えてもらう」対象となり、あまり難問だと「捨て問」と判別され「誰も解かない」ということがおこるのです。
結果、算数で差がつかないということになれば、算数に力を入れてこなかった子が有利になる場合だってあるかもしれません。
入試は「選別するため」のテストで、それに向けて行う受験勉強は「合格するため」の勉強だと割り切れば、ある程度はしかたがないのかもしれませんが、ちょっと味気ないですね…。
でも、今年の開成中の最後の大問4などは、まさしく「思考系」の権化のような問題であり、パズルのような、算数好きのお子さんはワクワクするような「初見」の問題。
学校からのメッセージがビシビシと伝わってくるような問題でした。
入試問題は、学校からのメッセージとよく言われます。
もちろん「対策」も大切なのですが、そのメッセージを読みとく楽しさも味わいながら勉強できるといいですね。 

2019年入試を終え、新中1セミナーでお話ししたこと

■3月2日、新中1セミナーに登壇しました

2019年3月2日(土)、新宿にて「マイナビ家庭教師」さんと中学受験情報局が共催するセミナーにて、弁士を務めさせていただきました。

表題は「6年間を成績上位で過ごすための 新中1スタートアップセミナー」です。

やっとのことで中学受験を乗り切り、さあ進学校も決まって一安心・・・そこでお母さんたちが気になるのは「中学校が始まる4月までに、どんなことをさせればいいの?」ということ。

塾や予備校からは、どんどん「売り込み」がかかります。

「さあ、次は大学受験ですよ」

そんな煽りのきいた広告やDM、そして学校の合格発表や説明会に行けば、正門前でさまざまな塾がチラシを配っています。

まわりからは「●●塾の中学受験日講座に行かせる」なんて声も聞こえてくるかもしれませんね。

■進学校が決まったら、さっそく塾に通わせるべき?

私がふだんから親御さんたちに伝えていること、そしてセミナーでもお話ししたことは同じ。

それは「煽られるままに塾に行かせないほうがいい」ということです。

中学受験の勉強内容は、小学校の内容とはかけ離れているものでした。
だから「塾は必須」と言われますね。

「大量演習」「暗記型学習」「詰め込み」
など揶揄されることも多い塾の勉強でしたが、限られた期間で中学受験に向けた「特殊」な勉強を乗り切るためには必要なものでした。

でも中学、高校の勉強はちょっと違います。

というのは、少なくとも中学受験の結果お子さんたちが進学した学校での勉強は、その先に大学受験を見通して行われています。
「学校だけじゃダメだから塾に通わせなくちゃ」
という発想を、ちょっと変える必要があるのです。

■進学校出身の大学生たちのアンケート結果は

セミナーに先立って「マイナビ家庭教師」で現役の家庭教師として活躍する大学生たちに、アンケートをとってみました。

当日も数人の大学生が来ていましたが、物腰からも話しぶりからも、とても優秀な学生さんだなぁと思わせる方たちでした。

彼らの多くは、麻布中、駒場東邦中、桜蔭中、雙葉中などの6年一貫の進学校出身です。
そんな彼らに、こんな質問をしてみたのです。

「中学時代、クラスで塾に行っている人はどのくらいいましたか?」

その回答の多くは
「ほとんど行っていなかった」
「少数だった」
多くても
「半数くらいだった」
でした。

その結果を見て、私はとても安心したのでした。

学校の先生たちは、大学受験だけを見ているのではなく、多感な時期のお子さんたちの成長をさまざまな面から見守っています。
そして、学校で力いっぱい生活し、成長を遂げればその先にそれぞれのお子さんに適した進学先がある、そんなカリキュラムを組んでいるはずです。

そんな素晴らしい学校を目指して、中学受験するお子さん、サポートする親御さんはがんばっているのだと思います。

そのことを、進学が決まったそのときには、もう一度思い出されるといいと思ったのでした。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

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▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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