皆さん、こんにちは。
塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。
西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。
■関西エリアの2018年度 中学入試を振り返る
少子化が話題になる昨今ではありますが、中学受験をする6年生の人数は、2015年を境に再び上昇傾向にあります。
NHKの「けさのクローズアップ」でも、「首都圏では、今年小学6年生の5人に1人、およそ6万人が中学受験をするとみられるとありました。受験者の数は一時、不況の影響で減りましたが、ここ3年は増え続けています」(1月15日放映)とも報じられていました。
関西エリアでは2018年度の中学入試が終わりましたが、結果をみると、この流れのように、最難関中や人気校の受験は昨年以上に厳しい入試となっています。
下記は、このブログを書いている時点で、学校HPに公開されている2018年度と2017年度の入試結果の一部をまとめたものです。
偏差値 | 中学校名 | 2018年 | 2018年 | 実質倍率 | ||
募集定員 | 合格者数 | 2018年 | 2017年 | 増減 | ||
(ポイント) | ||||||
男子64 | 灘 | 男約180 | 252 | 2.88 | 2.76 | 0.12 |
女子64 | 洛南高等学校附属 | 男女280 | 71 | 3.58 | 3.4 | 0.18 |
男子 | 210 | 2.62 | 2.14 | 0.48 | ||
併願64 | ||||||
専願58 | ||||||
男子61 | 東大寺学園 | 男176 | 373 | 2.44 | 2.46 | ▲ 0.02 |
女子63 | 西大和学園 | 女約40 | 51 | 5.61 | 5.49 | 0.12 |
男子60 | 男約180 | 471 | 2.27 | 1.93 | 0.34 | |
男子59 | 大阪星光学院 | 男190 | 284 | 2.57 | 2.1 | 0.47 |
男子59 | 甲陽学院 | 男200 | 222 | 1.81 | 1.68 | 0.13 |
※偏差値は、「浜学園 2018年度入試用 小6 浜学園 公開学力テスト 偏差値一覧」(2017年10月8日時点)より、A判定の値を抜き出したものです。
この表のように、東大寺学園中の実質倍率が2017年度入試と比べてわずかに低くなったことを除くと、最難関中や人気校は、軒並み、前年よりも実質倍率が高くなっています。
特に募集人数が少ない洛南高校附属中と西大和学園中の女子においては、それぞれ約3.6倍、約5.6倍となっており、非常に厳しい入試が続いています。
■2019年度 中学入試予測
正確なところはこれから実施される各塾の新6年生を対象とした模擬テスト受験者数の推移を見ていかなければわかりませんが、国公立・私立中の受験人気はおそらく来年度も続くことと思われます。
というのも、この中学受験人気の大きな要因のひとつに、2020年度の大学入試改革があるからです。
今回の大学入試改革では、これまでの知識重視の形から「思考力」「判断力」「表現力」などを評価する方針に変わり、それにともない、センター試験も「大学入学共通テスト」に変更され、記述式の問題が導入されることになっています。
中学入試を行う中高一貫校であれば、これらの変更にいち早く対応してくれるという期待が、小学生のお子さんを持つ保護者にあることが、ここ数年の中学受験者数の増加に繋がっていると考えられるからです
事実、2017年度の入試でも、首都圏屈指の難関中である駒場東邦中(サピックス 80%合格偏差値60)において、「今まで算数を学んできた中で、実生活において算数の考え方が活かされて、感動したり、面白いと感じた出来事について簡潔に説明しなさい」といったように、つるかめ算や相似の解き方などと全く異なる記述の出題があり、中学入試を行う中高一貫校がいち早く2020年度の大学入試改革に対応しようとする動きが見られます。
■これからの受験勉強
とはいうものの、中学入試問題の大半はこれまで通りの問題が中心です。
算数の場合ですと、「記述」といえども多くは「理由説明」になります。
実際、2018年度の灘中2日目算数の問題3に記述問題の出題がありましたが、「第7部分列に並んでいる数のうち、一の位が1である数は、(理由① )から、その個数は第6部分列に並んでいる数の個数と同じです」のように、解き方の理由を書くものでした。
従って、これからの受験生に求められるものは、問題を解く力と、その解き方を「紙の上に書いて残す」力だと言えます。
ですから、もし、お子さんが「条件整理をしない」「途中式を書かない」「答えさえ合っていればいい」といった傾向が見られるようでしたら、6年生の早い段階で、問題の正解・不正解にかかわらず、テキストやテストの解答・解説を読んで自分なりに「納得」し、答案の書き方を学び、採点者に伝わる答案を作る家庭学習となるように、お父さん・お母さんをはじめとした、周りの方々がサポートしてあげていってください。
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