皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■浜学園の10月の公開学力テストから

浜学園のテストシステムは、6年生の場合、毎週の復習テスト(日曜志望校別特訓は隔週・特訓講座は実戦テストもあります)、毎月行われる公開学力テスト、年4回実施される合否判定学力テスト、年に1~3回ある学校別オープン模試、そして年に1度だけ塾生だけが対象となる学校別プレ入試の5種類からなっていて、おおむね、回数が少ないものほど難度が高く設定されています。

ですから出題範囲が決まっていない実力テストの中では公開学力テストが最も難度が低く設定されていることになりますが、さる10月8日に行われた6年生の公開学力テストの問題を見てみると、2018年1月13日から始まる近畿圏の中学入試までおよそ3ヶ月となる時期に実施されただけあって、入試本番レベルの問題も数問見受けられました。

■入試本番レベルの通過算

6 長さ230mの列車Aが西から東へ向かって、長さ200mの列車Bが東から西へ向かって走ると、列車Aと列車Bが地点Dで出会ってから、地点Dより西側の地点Eで完全にはなれるまでに10秒かかりました。次に、列車Bが西から東へ向かって、長さ340mの列車Cが東から西へ向かって走ると、列車Bと列車Cが地点Eで出会ってから、地点Eより東側の地点Fで完全にはなれるまでに12秒かかりました。さらに、列車Bと列車Cがともに西から東へ向かって走ると、列車Bの先頭が列車Cの最後尾に地点Dで追いついてから、列車Bの最後尾が列車Cの先頭に地点Gで追いつくまでに1分48秒かかりました。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、列車A、B、Cは常に一定の速さで走っています。

① 列車Bの速さは毎時何kmですか。

② 2地点間FGの距離は何mですか。

問題文の長さだけで降参してしまいそうですが、通過算の基本解法「図を描く」を用いて条件整理をし、解ける問題かどうかを判断しましょう。

図2と図3は、列車BとCの「すれ違い」「追い抜き」を表していますから、これを使うと①が解けるとわかります。

(200m+340m)÷12秒=45m/秒…速さの和

(200m+340m)÷108秒=5m/秒…速さの差

(45m/秒+5m/秒)÷2=25m/秒=90km/

もし図を描かなくても、速さの和と差が求められることに気づけば正解できる問題でしたので、正答率も20%と比較的高い値となっています。

しかし、②を図なしで解くのは難しいでしょう。

①と図1から、25m/秒×10秒-200m=50m…ア

①と図2から、25m/秒×12秒-200m=100m…イ

①と図3から、25m/秒×108秒-200m=2500m…ウ

50m+2500m-100m=2450m=2.45km

図があれば②の正解も難しくはないのですが、テストでの正答率は1%と非常に低い値となりました。

■公開学力テストの得点方法

公開学力テストの2枚目の問題では、この問題6のように、小問①の正答率が高く、②が低くなりがちです。しかし、上記の②の解き方が通過算の基本解法であったように、②自体は奇問や超難問ではありませんから、テスト時間が残っていれば正解することは十分に可能です。ですから、公開学力テストで高得点をとるためには、計算力と知識が問われるテスト1枚目の1行問題を素早く処理し、2枚目の各問で条件整理をする時間を残すことが重要になります。一方、そこまで高得点を取ることが目標でない場合は、テスト1枚目で「ミス」をしないように少し時間をかけて解き、2枚目は条件整理があまり必要とされない①の正解を目指すという「戦い方」になるでしょう。公開学力テストも残り2回となりましたが、どれだけ得点したいかに応じた「戦い方」ができるよう、この10月のテストを振り返って、次につなげていくことができるといいと思います。