中学受験を考えていて、4年生から塾に通わせようと考えているご家庭では、そろそろ塾選び、入塾テストの準備が始まっているかもしれません。受験勉強を始めるのは、早ければ早いほどいいというものではないと、私はいろんなところでお話ししていますが、4年生くらいから始めるのがちょうど無理がないのです。

進学塾のカリキュラムは、4年生〜6年生の3年間で無理なく中学受験の学習が仕上がるようにできているからです。1年生〜3年生から進学塾に通わせるご家庭は、かなり早くにスタートを切っているということになります。

 

3年生までは塾に通わせないほうがいい、というわけではありません。お子さんが楽しんで通塾し、得られるものが多いなら何の問題もありませんし、私が知っている限りでも、低学年から塾に通わせて、色んな意味で成功されているご家庭も多いのです。

 

では、早くから受験勉強を始めて失敗する例とは何かというと、お子さんの自己肯定感がとても低くなってしまう場合です。

 

子どもの「できない部分」ばかりが目について、できること、もっといえば「今はできないけれどがんばっていること」に対してねぎらい、褒める声かけをせず、逆の声かけを続けてしまうと、子どもは「どうせ僕はがんばっても無理」という気持ちになり、自分もがんばればできるという気持ちを持ちにくいのです。

 

子どもに限らず、努力しても認められることがないと、人は充実感、充足感を感じられません。特にお子さんがいちばん好きなのは、お母さん、お父さんの「よくがんばったね」「すごいね」といった言葉。言葉でなくても、お母さんやお父さんの喜ぶ顔だけで、子どものやる気は天にも上るくらいになるはずです。

 

「褒められると伸びるタイプ」とよくいいますが、子どもはみんな「褒められると伸びるタイプ」だと私は思っています。

 

もちろんできたことに対して褒めてあげるのは当然ですが、できた、できないにかかわらず、努力したことに対して褒めてあげることが大切だと思うのです。

 

大人だって、ふだん張りつめた気持ちで頑張っていればいるほど、身近な人の感謝の言葉や嬉しそうな顔に癒され、明日からもがんばろうと思えるものです。逆にそれがなければ、そんな小さなことでと思うようなことで、心が折れてしまったりするものです。

 

ここまで考えてくると、小さなお子さんだけでなく、ここから受験に向かって直前期を過ごす6年生にも同じことが言えるとわかってきます。

 

寒くなってきました。ここからが受験期本番ですね。

 

今夜お子さんが帰ってきたら、どんな言葉をかけてあげましょうか。