■インターネットの情報は正しいとは限らない
 
新刊の執筆をしています。そんな中で、中学受験を検討しているご家庭のお母さんの持つ、受験に関する情報の多さと、誤った情報の多さをあらためて感じています。
 
ちょっとインターネットで検索すれば、本当に様々な情報を手に入れられる時代になりました。少し前には考えられなかったことです。
 
ただ、気をつけたいのは、それらの情報のすべてが正しいとは限らないということです。実はインターネットで検索してみると、意外に多く誤った情報が流通していることに気付きます。すべての個人が発信できる情報化社会では、しかたがないことなのかもしれません。
 
間違った情報でないとしても、自分にとってぴったりの情報でないということはよくあります。
 
各塾が発表する「合格体験記」もその一例で、情報としては正しい。実際に経験したご本人が書いているわけなので、多少の記憶違いがあるかもしれませんが、誤った情報ではないでしょう。しかし、それをそのまま自分の子どもに当てはめても、うまくいくとは限らないのです。
 
「算数が苦手だったので、5年生の夏は◯◯という問題集を購入して、毎日1ページやらせてみたんです。そしたら算数の成績がみるみる・・・」こんな体験記を読むと、「◯◯という問題集はそんなにいいのか。」という気持ちにもなります。でも、うまくいったのはそのお子さん一人だけで、同じように算数が苦手であったとしても、同じ方法が我が子にとってぴったりという保証はありません。
 
そういう意味では、情報が多い時代というのは、情報の取捨選択が難しい、大変な時代といえるでしょう。
 
■信頼できる情報源とその使い方は
 
そんな中、お子さんにぴったりの情報をどのように手に入れればいいのかというと、もっとも確かなのは、お子さんのことをよく知っている人からの情報。受験勉強に関しては、塾の先生や担当の家庭教師や個別の先生ということになります。
 
先生の過去の経験の中から、できるだけお子さんに近い条件だった事例を教えてもらう。今のお子さんに最も近い状態だったお子さんは、どんな勉強をして結果を出したのか。
 
こういった知識と経験のストックを多く持っているのが、スキルの高い講師の1つの特徴です。
 
塾の先生はたくさんの生徒を担当しているので、わが子のことだけを考えてくれるのか、と思われるかもしれませんが、ふだんからちゃんとコミュニケーションを取っていれば、相談に乗ってくれるはずです。
 
上手に塾と講師を使い、お子さんにとってもっとも効果的な学習とは何かを見つけ出していきましょう。