「低学年のうちにどんな勉強をさせておけば良いのか」というご相談がたくさん集まりました。
今回は、小学1年生から3年生までのお子様について、受験学年を担当する立場から期待したい学力や能力についてのお話です。
・右脳教育
近年は、中学受験を意識して勉強を早くからスタートするお子様が増えてきました。
なかでも小学校就学前から低学年にかけて、いわゆる右脳教育的な学習経験をお持ちの方が多いようです。
私の経験では、右脳教育が受験勉強に大きな効果を挙げている例は少ないのです。
上手くいけば、早くから高い学習効果を得る成長を遂げることが期待できます。
一方で、この時期からお子様にとって勉強がノルマになってしまい、小学6年生になる前に疲れてしまうケースや、
直感的な学習が癖になってしまって落ち着いて考えることが出来なくなってしまう例も多くありますので、注意してくださいね。
・低学年に期待したいこと
受験生をお預かりする立場から、小学3年生までにつけておいていただきたい力は以下の4つです。
・ 言葉の力(大人の言葉、小学6年生までの漢字)
・ 計算力(小数、分数の混合計算まで)
・ 学習習慣(短時間でも良いので机の前に座って取り組む姿勢、1週間の学習サイクル)
・ 好奇心(理科、社会は好き嫌いで学習効果が大きく変わります)
これらの力がついていれば、受験に直結する技術の勉強は小学4年生からでも遅くはありません。
算数に関して言えば、受験技術の勉強よりも、最近は低学年化が進む「算数オリンピック」のような思考力系の勉強が適しているでしょう。
国語なら活字に慣れ親しむこと、本を読むことが好きな子どもにしてあげてくださいね。
・褒めるなら低学年
低学年で勉強の楽しさを知り、成功体験を持った子どもたちは、高学年になっても勉強を嫌がることが少ないように思います。
この時期には、お父様、お母様に褒めてもらうことが一番のご褒美です。
褒めてあげた分だけ、どんどん次の成果をご両親に見せたい欲求が刺激されるようです。
小さなことでもその都度、達成出来たことを見つけて褒めてあげたいですね。
・勉強好きの芽を育てましょう
小学3年生頃までは、素直にご両親の期待にこたえようとがんばる姿を見せてくれます。
たとえどんなにしんどいことでも、笑顔で取り組んでくれます。
それだけに、お子様にあった学習環境や、学習内容をしっかりと検討して渡してあげたいものです。
宿題や通塾がノルマになるような勉強ではなく、幅広く自然科学に興味が持てるような学習環境が準備されているお子様を見ると、
とてもさわやかな気持ちになり安心するのは、私だけではないと思います。
どんなことをさせてあげればよいのか迷ったときには、低学年のお子様こそ受験のプロの声もお聞きになることをお勧めします。