私が主催する名門指導会は、HPでは中学受験専門とうたっています。
ところが内情は実はそうではないのです。
中学受験から引き続いてという生徒もいますし、新規に中学生や高校生の指導をすることもあります。
今では全体の30%以上が中学生や高校生となっています。

中学生や高校生の理系教科の指導をしていて切実に感じるのは、
「比や割合の感覚」・「比や割合の処理」と「速さの感覚」・「速さの処理」の大切さです。

モル濃度から始まって中和滴定にいたる一連の化学カリキュラムは、比と割合そのものです。
 これとこれが比例していると理解出来れば、公式を無闇に覚える必要なく解く事が出来ますし、
公式を自分で素早く作ることも出来ます。
元々、覚えなければいけない項目が多い化学において、計算公式を機械的に
覚えていかなければいけないとしたら、その教科をセンター試験に利用出来るレベルに
持ち上げるのはほぼ不可能です。

物理においては、速さの感覚が大切です。
速さが一定(等速直線運動)なのか、速さがぐーんと増えていく(等加速度運動)なのかという
名前と感覚の一致。
また、「速さと時間とのグラフにおいてある時間までの面積が進んだ距離にあたる」という理解。
これらは全て中学受験時に身に付けることが出来ることです。
速さを縦に、時間を横に書く面積図において、「その面積が進んだ距離にあたる」ことを、
当然のこととして理解出来ている生徒は有利です。
例えば、s=1/2gt^2は、v=gtの比例のグラフの面積に過ぎないと理解すれば、
覚える必要がなくなります。
 
中学受験の学習は、中学に合格することを目的に行うわけですが、その過程で得られる
いろいろな気づきや処理の工夫は大学受験において強い武器になります。
ところが、機械的な暗記量で勝負をしようとしている中学受験生が多い事が非常に多いのです。
中学受験生を教えていて、「この子は中学になっても大丈夫」・「この子は中学になったら心配」
と感じる事があります。
その安心感や不安感が数年後に現実のものになっていることが多いのです。

目の前の塾の復習テストをクリアーする事だけを目的にするのではなく、正しく頭を使った学習、
将来も使える学習方法を学ぶ事を目標に学習を続けて欲しいと願っています。