月: 2012年9月

9月以降の学習(小5中位生編)

小5小4で成績が中位、そして上がらずに困っている人向けに書いて行きます。

見直すべき大項目は3つ。
1 時間の使い方。
    1日の中での時間の割り振りと、1週間での曜日毎の時間の割り振り。
2 学習内容
    授業の復習・宿題の取捨選択・テスト対策
3 勉強をするときの気持ちの持ち方

この中の1つでも欠けると効果は半減します。

1の時間の使い方について。
理想は1週間の曜日毎の学習プランに基づいて、その日の学習内容を決めていくことですが、
それが出来る子はそうそういません。
そこでお勧めしたいのが、その日一日でやろうと思うことを箇条書きにすることです。

 小学校から帰ってきたら紙を一枚出して、「今日やれれば良いな~」と思うものを箇条書きにします。

 ・算数の○○の宿題
 ・社会のP○○からP○○までの暗記
 ・国語の長文P○○の演習

このような具合です。

お母さんは、横で多すぎないかどうかのチェックです。

「そんなにたくさん出来ると思っているの!ちゃんと考えなさい!」悪い見本のような声かけです。
「やる気になってるわね。そのやる気は認めるけれどちょっと欲張りすぎだと感じるんだけれど、どう?」
このように、何かを認めてあげる言葉をかけてから修正を持ちかけてください。

子供はこの箇条書きしながら、「これを頑張ろう」とか「これが出来たら気持ちいいだろうな」とか
「できそう気がする」というように少しは感じ始めています。
その気持ちをボッキリと折ってしまうようなセリフはやめましょうね。

そして、このときに大切なのは、お母さんとの非言語のコミュニケーションです。
 「うちの子、放っておけば何を書くか分からないんだから。」
と思いながら眉間にしわを寄せて見ていれば、そのお母さんの感情は間違いなく子供に伝わっています。
その結果、反抗的なめちゃくちゃな計画を書くか、
それともお母さんをその場だけ満足させるような(本人にとってはあまり気乗りがしない)
計画をでっち上げる事になります。
 
「子供なりに、少しは成功の予感を感じながら書いてくれているはずだ。」と
無理にでも思いながら、笑顔で「どれどれ」とのぞき込むようにしてください。

このときにお母様にもう一つお願いがあります。
子供は、1週間の学習すべき内容を俯瞰して、その日一日のやるべき内容を考える事は
ほぼ不可能です。
それをお母様の役割にしていただきたいのです。でも、これも表現の仕方に注意してください。

「あれはいつやるのよ!いつも嫌いなことを後回しにして!」と叱るよりは、
「それだけ出来たら気持ち良いだろうね。その良い気持ちで○○もやってみれば?」
というように提案してあげて欲しいのです。

箇条書きにしてた内容の1つが終了する度に、蛍光ペンでグイと消していく事も提案してください。
「よ~し終わった」という開放感と共に、「よく頑張った」という満足感も感じながら、
この作業が子供にとってのささやかな快感になります。
 
このような、一日毎の箇条書きが1~2週分たまったところで、
1週間の学習プラン作成に取りかかってください。
また、この「日々の箇条書き」をずっと受験まで続けていただいても構いません。

学習内容と学習マインドについては次回以降に書いて行きます。

9月以降の学習(小5上位生編)

今回は、9月以降の小5生の学習についてです。
ある程度は出来るんだけれど、親御様としては何か物足りなさをお感じになっている。
このようなお子さんが多いのではないでしょうか。

今回は、実際に寄せられた御相談を例にしてお話ししたいと思います。

まさにある程度以上出来るお子さんです。
狭い範囲の復習テストでは点数が取れるのに、総合的な問題では点数が取れない。
どうすれば良いかという御相談です。

(御相談への返信)
○○塾の□□クラスとのこと、優秀なお子さまなのですね。
 
さて、○○テストでは点数がとれるのに組み分けなどの範囲の広いテストになるととれないという理由から
考えていきたいと思います。

小5段階で、上位クラス以外のお子さんなら、各回の理解が浅いことが原因のほとんどです。
 一方、上位クラスのお子さんの場合は高得点を目指すことになりますから、
上記の原因を払拭したとしてもなかなか満足できる点数には到達できません。
メールにお書きの通り、初見の問題への対応力が大切になってきます。

 この初見の問題への対応力をつけるには、授業中の演習で真剣に正答を目指す学習姿勢が
大切になります。
ところが、真面目である程度成績がよいお子さんたちの中には、かなりの割合で、
「授業中の真剣さや理解の不足を家庭学習で取り返す」タイプの学習を重ねている生徒が多いのです。
 この学習方法ですと、習った問題やよくある問題を完璧に仕上げることはできますが、
切り口の見つかりにくい問題や条件が複雑に絡まった問題では歯がたちません。

 小5の今は、初見の問題であっても、そんなに難しくはありません。
これが、小6の2学期になりますと、数段階難しくなります。
 それは、小5では、「この問題の解き方を知っていますか?」とか
「この知識を覚えていますか?」という趣旨での出題がほとんどなのですが、
小6の2学期の問題や上位校の入試問題では、
「この問題の解き方を見つけることができますか」という趣旨の問題が増えるからです。
 
ところが、お子さんに「授業中の演習は、真剣に正解を目指せ」と説教しても効果はありません。
お子さんなりの真剣さでがんばっていると感じていますから、
「ちゃんとやっているよ!」という無駄な反抗心を芽生えさせてしまいます。
 
解き方が見つからなかったときの基本動作(身体的なものや気持ちの作り方や自分への声かけ)を
身につけさせることが効果的です。
その基本動作の練習場として授業中の問題演習を利用するという考え方です。
 
1 問題を正面に置き直して、目と問題との距離を少し変えてみる。
 
2 問題を必ず読み直してみる。
 
3 「なにがわかっているか」を自分に問いただす。
 
4 「なにを聞かれているか」を自分に問いただす。
 
5 何を書けば解けそうに感じるかを自分に聞いてみる。
 
5年生段階では上記の5個になります。今は後半の3つが重要ですが、小6では前半が大切になります。
 
「この問題の解き方を見つけだすことができますか」という設問趣旨ですから、
見つけだしにくいようにノイズになると文章や言葉が入っていたりするからです。
 
なお、親御様がお子様の学習につきあわれる際は、できる限り説明しないことを心がけてください。
遠回しなヒントを与えるとか、お子様に説明させることを中心にしてください。
 
お子様の受験成功を心から祈っています。

 
小5の二学期以降に習う単元は、全て入試に直結する単元です。
そして、これまでに学習してきた知識があることを前提として設定されている単元が数多くあります。
ですから、初見の問題と言えども自分の頭の引き出しを探してみれば、
何らかの糸口が見つかるはずなのです。

「教えてもらうのを待つ」、「解説が始まるのを待つ」という学習マインドから、
「解説までに何とか解きあげてみせる」という意欲的なマインドへの変化が大切なのです。
 

小6 入試5ヶ月前からの学習方法

2学期の授業が始まりました。
小6は入試直前のまとめ授業に入りますし、小5は入試の直結する重要単元が目白押しです。
小4は、文章題が本格的に始まります。

(小6)
 日曜日の学校対策が本格的に始まります。また、週日の平常授業はいつも通り続いていきます。
そして塾によっては、土曜日にも授業が追加されています。
カリキュラムが、2つも3つも同時並行で進んでいくことも珍しくありません。
この時期に大切な事は、優先順位です。
一般的に、第一優先は日曜日の志望校別、二番目は平常授業になります。
第三番目の授業カリキュラムは、無視する方が良いこともあります。
例えば、ある塾の土曜特訓については、
「授業には参加するが、授業内で完結させて家庭学習に持ち込まない」、
または
「授業を欠席することに躊躇しない」。
このような思い切った方法を使う方が良いお子さんも多いのです。

この時期に大切な事は、
1 知識の総まとめをする。
理科や社会の知識は、それ自体が得点源です。
また、考え方や解き方も大切な知識です。
そして、何度も何度もチェックを繰り返すこと。
人間は忘れる動物です。
忘れてしまう事に嫌悪感や劣等感を持つ必要はさらさらありません。
「忘れる以上のスピードで覚え直していけば良いんだ。」と思ってくださいね。
これを、私は「知識のモグラたたき」と呼んでいます。

2 入試問題に添った長い文章の問題を落ち着いて読み解く訓練をする。
これまでに何度も書いてきましたが、小6の一学期までは、
「こんな知識を持っていますか?」
「こんな解き方を知っていますか?」という設問です。
ところが、入試問題は、
「この問題を解くための知識や考え方を見つけることが出来ますか?」
という問いが中心になります。上位校ならばなおさらです。

そのような問題では、
・文章が長い。
・「何が分かっていて何を聞かれているのか」(仮定と結論)を見つけ出す事が難しくなるように、
問題文にノイズ(わかりにくい言い回しや、必要で無い情報)が含まれている事が多い。
このような特徴があります。
一瞥してすぐに問題を解き始めるという習慣が身についてしまっているお子さんが、
「テストの時には間違ってしまったのに、家に帰ってきて解けばすらすらと解けてしまう」
という症状を示す理由がここにあります。

1の「知識の総まとめをする。」はスピーディーに。
2の「入試問題に添った長い文章の問題を落ち着いて読み解く訓練をする。」場合は、
じっくりと落ち着いて。
勉強のやり方や気持ちの作り方を変化させる必要があります。
この時期には、「じっくり落ち着いて」が出来ないお子さんが多いのです。

志望校の過去問演習がそろそろ始まります。
これを「じっくり落ち着いて」勉強する材料として上手に利用してあげてください。

小5と小4については次回以降に書いて行きます。

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

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▼2022年9月30日(金)

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▼2022年9月10日(木)

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▼2022年8月5日(金)

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▼2022年7月21日(木)

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▼2022年7月8日(金)

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▼2022年6月24日(金)

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▼2022年5月27日(金)

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▼2022年5月26日(木)

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▼2022年4月22日(金)

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▼2022年4月14日(木)

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▼2022年3月18日(金)

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▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

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▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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