小6生にとっては、天王山の夏が終わり、志望公合否判定で一喜一憂する季節になってきました。
得点力を高める事とともに、「うちの子にあった学校を選ぶ」こともこの時期の大切な事です。
今回は、学校選びで注意していただきたい事を書いていきます。
1 学校偏差値だけで志望校を決めない。
偏差値が高いことがその学校の良さを証明しているわけではありません。
本来なら、その学校の授業内容をチェックして、うちの子に合う指導がなされるのかどうかを見ることが出来れば理想なのですが、それは不可能です。
私たちのように中学受験後も指導を継続し、各先生方の情報を共有している場合は、ある程度その学校の内情がわかっています。
たとえば、
・校名を変更し、大学受験指導に邁進し始めたという評判の学校では
「校長先生のかけ声とは裏腹に、現場の先生方の力量が疑問。どうも授業の工夫が無い。騒がしくて授業になっていない教科もあるようだし。特に問題なのは、
主要教科の日々の宿題だな。カリキュラム進度だけは最上位の進学校とそろっているんだが、これで大学合格実績が上がるんだろうか。」(N講師談)
・女子中としては珍しく理系に強い都内の学校の場合
「まじめな先生が多いし、生徒も概してまじめ。宿題量も多すぎず少なすぎず、よく考えられている。数学の公式丸暗記から始まる授業ではなくて、考えさせる授業をしているのは立派。学校内順位を上げることが大学受験成功の近道だと自信を持って言える。」(M先生談)
・スパルタ学習で有名な都内の男子中では
「まるで、あまり良くない予備校か塾の授業だな。基礎を理解させずに無闇に難問ばかりをやらせる。宿題も極端に多いから、生徒に「じっくりと考えろ」と強
制しにくい。どうしても解き方の丸暗記に走る。校内試験でほどほどの点数は取れるだろうが、2次が難しい国立大学の数学には対応できないんじゃあない
か。」(T講師談)
・歴史のある有名女子中では
「毎日学校に行くのが楽しいようだ。クラブ活動も盛んだし、先輩との関係も良好。英語と国語を頑張って、上位私立大学を狙う作戦が成功しそうだ。遊びほう
ける子は噂ほどには多くはないようだ。まじめに勉強をしている。6年間の楽しい学校生活を送って、しかも、文系大学に進学するには最適な学校だという印象
は変わらないな。」(N講師談)
このような、具体的な細部の情報を親御様が得ることはほとんど不可能なのですが、校風や子供たちの様子、そして先生方の雰囲気を知る方法はあります。
2 先生情報を大切に。
今の時期から12月までは学校説明会のシーズンです。
また、近年体験授業を実施する学校も増えてきました。これらのイベントは、学校側の「建て前」を聞かされるだけという冷めた意見もありますが、なかなかどうして内情が垣間見えるものです。
先生方の熱意や先生方同士のコミュニケーション、勉強や学問への探求心を充分に感じ取れるものです。
また、その学校がどのようなお子さんを欲しがっているか、どのような生徒にしていきたいと考えているのかは、明確にわかります。
それと、どんな子が通っているのかが気がかりですよね。それを見る良い方法があります。
それは、下校時間に生徒たちのグループと一緒に歩いてみることです。
悪ふざけもしているでしょうし、先生の悪口もしているかもしれません。
そのような普段の生徒たちの様子を知ることが出来ます。
そのグループに「うちの子がいたら」、親御さんが嬉しいと感じられるか、嫌だと感じられるかが大切な事です。
3 親御さんが、お子さんの将来像をイメージすることから学校選びをスター
ト。
親御さんが、お子さんの将来の幸せのイメージをお持ちになることは常に必要なことなのです。そして、志望校を決める段階では、そのイメージをより明確にしていく必要があります。
・医学部を出てお医者さんになって患者さんに感謝されている。
・留学後、英語がぺらぺらになって世界中を飛び回るビジネスマンになって
いる。
・ロボットや機械類が好きだから、世界で通用する技術者になって欲しい。
・ピアノをこのまま続けて、芸大のピアノ科に進ませ、その道で一本立ちさ
せたい。
・6年間を楽しく過ごして、良いお友達を一杯作りながら、自分のやりたい
ことを見つけてくれれば。
いろいろな幸せイメージがあるはずです。
そのイメージは、ある程度お子さんと共有されている必要があります。
この機会に、お子さんと充分に話し合われる事が必要です。
その話し合いの中で、○○中は、なんとアメリカの一流大学に10名も合格したんだって、とか、勉強が特別にハードでもないし音楽クラブが充実しているか
らピアノの練習が思いっきり出来そうね、また、理系教科の指導に定評があるからあなたに向いていそうね、などの情報も与えてあげてください。
学習意欲の面でも良い影響があります。
親御さんとお子さんの将来の幸福イメージに合う中学校を選んでいくことになります。
4 入試問題との相性で決める
この詳細は、次回にお書きしますね。
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