□受験の天王山□

あと2週間もすると、夏期講習が始まります。「夏は受験の天王山」という言葉は、本当です。

 各塾共に、5月の保護者会や説明会では、夏期講習の大切さを力説されていたのではないでしょうか。営業的な側面もあるのですが、学力面において、確かに大きな影響があります。現場の先生方の話に熱が入るのも当然です。

 そして、各塾共に、6年生の夏期講習のテキストには力が入っています。これまでに入試に必要な全単元を一通り終えていますが、今の段階では、99%のお
子さんが入試問題に太刀打ちできません。夏の総復習を通して、「解き方や知識を整理整頓し直す」ことで、やっと応用レベルの問題を解くことが出来るように
なるものなのです。日能研の夏期講習テキストは4教科合本になっていますから、その厚みは、まさに電話帳です。他の塾では、各教科別冊になっていますが、
4教科を積み重ねると、やはり電話帳以上の厚さになります。

 これを、全部やるのかと思うと、夏期講習が始まる前から、ウンザリと思うお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

 じつは、この、全部やらなければ行けないと思うことが、意外な落とし穴になります。

□必要なことを、必要なレベルで、必要な分だけ勉強する□

 1日に、6時間以上塾で勉強してきて、翌日までに仕上げるべき宿題が2?3時間分以上出されます。それを毎日繰り返すわけですから、大変です。それ以外
に、弱点対策も必要です。理科や社会の暗記が不十分である場合は、この夏休みから始めていかないと間に合わない危険性もあります。あれもこれもやらなけれ
ば、と思いがちです。お子さんも親御さんもそのように思われるはずです。

 でも、全部やろうとすると必ず破綻します。やろうとすることが、全部いい加減になってしまいます。

 

 効果的な学習を進めるには。

1 優先順をつける。

 (教科の優先順位、教科内での優先順位共に大切です。)

2 すでに、軽く出来るようになっている問題は、勇気を持って飛ばす。

 (「基礎が大切」だからと、計算や1行問題の基礎だけを多量に宿題にする塾もあります。でも、近頃の入試問題は、算数ですら文章が長くなっています。)

3 難しすぎる問題は、やらない。

 (サピックスの上位クラスでは、これまでと比べて格段に難しい問題を多量に扱います。実際の入試問題よりも難しいものもたくさんあります。お子さんが自信を無くしか得ていると思われた場合は、塾の先生と相談の上、大幅に削減する必要があります。)

4 もう少しで解けるようになりそうな問題に時間をかける。

(この判断が一番難しく、しかも大切です。家庭教師や個別指導を併用なさっている場合は、その先生に依頼されるのも一法です。)

この4つが大切です。

 

□体調管理は最優先□

 夏休みに夏風邪を引いてしまう子が多いのです。その風邪をきっかけにして勉強のペースを崩してしまうお子さんをたくさん見てきました。

 当然、睡眠不足は禁物です。また、教室のエアコンは、大声を張り上げて授業をしている先生方にとって、快適であるように調整されていることが多く、ずっと座りっぱなしの子供たちにとっては寒すぎることがあります。冷えすぎない工夫もしてあげてください。