月: 2019年12月

【関西】新6年生の志望校別特訓について

皆さん、こんにちは。

塾ソムリエ西村が主催する名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

西村のコラムページの場を借りて、関西の情報をお伝えしています。

■新6年生の学習

大手進学塾では新6年生としての学習が、5年生(学校学年)の2月から始まります。

この新6年生の学習の大きな特徴は、5年生までに行われてきた基幹講座の学習の他に、志望校合格に向けた特別講座がある点です。

塾  名

基 幹 講 座

特 別 講 座

浜 学 園

マスターコース 灘中合格特訓

最高レベル特訓

女子トップレベル

日曜錬成特訓

希 学 園

ベーシック 最高レベル演習

実戦レベル演習

志望校別特訓

馬渕教室

通常授業 灘スペシャル特訓

HIレベル特訓

定着レベル演習

志望タイプ別特訓

5年生以下でも「○○レベル特訓」という特別講座(学年や目的により講座名が異なるものもあります)の一部は実施されていますが、6年生になると、上の表のように「志望○○特訓」といった特別講座が、これまでの学習に加わってきます。

そして、以前にもお伝えしたように、これらの「志望○○特訓」の一部には受講するための条件が設定されていることに注意が必要です。(詳しくは2019年9月25日付けの西村コラムをご覧ください。)

■2月からの受講条件をクリアすれば志望校に合格できる?!

新6年生の2月から始まるこの「志望○○特訓」は、多くの場合、学校別のコース編成となっています。

大手進学塾によって学校別コースの受講条件は異なりますが、原則として、5年生時に受けた公開テストなどの偏差値や順位が基準となっています。

従って、現時点では、どのコースで受講できるかがすでに決まっていることと思いますが、この受講条件が6年生の途中で定期的に見直されていくことにも注意が必要です。

下の表は、関西エリアの大手進学塾のひとつ、希学園の志望校別特訓の受講条件をまとめたものです。

※希学園 2019年配付資料より

希学園の場合、「コース在籍下限値」については、志望校別特訓の第Ⅰ期と第Ⅱ期は「コースの授業内容に対応できるであろうと考えられる最低ライン」と資料にあるように、受講の目安として設定されています。

しかし、第Ⅲ期以降は、「コース在籍下限値を下回る場合、そのコースでの受講は認められません」とあり、「コース在籍下限値」が受講の資格に変ります。

ですから、2月に志望校別特訓の受講条件を満たしていても、その数値は上がっていきますから、3ヶ月間の公開テストの偏差値も上げていくことが第Ⅱ期以降の受講のために必要となっていきます。

■「志望校○○特訓」と志望校の偏差値

新6年生の2月から始まる「志望○○特訓」の受講条件が、学習が進むにつれて厳しくなっていくことは上の表の通りですが、「志望○○特訓」の受講条件と志望校の合格可能性80%以上の偏差値との関係はどのようになっているのでしょうか。

引き続き、希学園のケースを例に見ていきましょう。

上のグラフは、大阪府の男子のトップ校大阪星光学院中学と、女子のトップ校四天王寺中学について、志望校別特訓の「コース在籍下限値」と2020年の予想N85偏差値表(合格可能性85%以上)の数値をまとめたものです。

大阪星光学院中学の場合、志望校別特訓の最終期である第Ⅳ期の「コース在籍下限値」は53、N85偏差値59ですから、その差が6あります。

また、四天王寺中学の場合、第Ⅳ期の「コース在籍下限値」は42、N85偏差値54(英数Ⅱ)、61(医志)ですから、その差はそれぞれ12、19と非常に大きなものとなっています。

このことからわかるように、「コース在籍下限値」はその志望校に向けた学習をしていくのに「ギリギリ無理がない」条件を示しているに過ぎず、「志望校別特訓が受講できる=志望校に合格できる」ということではないのです。

ですから、5年生の現時点で志望校の合格可能性80%(あるいは85%)以上の偏差値に達している場合は、現在の学習方法を油断なく継続していけばよいといえるのですが、「志望校○○特訓」を受講する条件をクリアしていても志望校の合格偏差値との差が大きく隔たっているときは、学習方法について至急に見直しをすることが必要でしょう。

そのため、まずはここ3ヶ月の公開テストなどについてどこで点数を取り損なっているのか、基幹講座や特別講座の宿題について計画的に仕上げることができているか、テストや宿題のまちがい直しの仕方は適切なのかなど、日々の家庭学習とその結果であるテストの両方について課題を洗い出し、その対策に優先順位をつけて取り組んで行くことが大切だいと思います。

できる子の筆箱は…

いろいろなところで、鉛筆の持ち方のお話をしているのですが、これは単に「正しい持ち方をすべし」というだけのことではありません。
正しい持ち方は言い換えると「普遍的に速く、無理なく書くために考えられてきた結果としての持ち方、とも言えるかもしれません。
子どもたちに鉛筆を正しく持ってほしいのは、その持ち方がいちばん書きやすく、疲れにくい持ち方である可能性が高いと思うからです。
自分の考えていることを書いて表す、ということは大切です。
誰かに伝えようというときにも大切ですが、そうでなくても自分で書きながらそれを見ることで、今何をしているかを意識できるし、その次の思考へとつながっていくと思っています。
デジタル機器が便利に発達して、書かなくても問題を解き進められるツールも出てきているようには思いますが、やはり「自分で書く」ということは「考える」ということに直結しています。
経験上、思考力がどんどん伸びる子というのは、たくさん書くことができる子が多いです。
どんどん書けるから思考も広がり、新たな糸口が見つかったりひらめいたりする。
そしてたくさん書くということを考えると、シャープペンシルよりも鉛筆のほうが疲れが少ないと考えて、小学生の子どもたちには鉛筆をすすめています。
また、たくさんのシャープペンシルや蛍光ペンなどで筆箱がお弁当箱のようになっているお子さんがいますが、私の感覚では文房具で満杯の大きな筆箱を持っているお子さんというのは、成績の伸びがよくありません。
一斉授業の塾で教えていたときによく目にしていましたが、文房具を選んでいる時間が結構長いのです。
学校や塾の先生が黒板(あるいはホワイトボード)に書くときに使う色は、せいぜい3色とか4色です。
それを写すのに、何十本ものペンは必要ありませんね。
できる子は、先生が何色を使ったら何色のペンで写すかなどが決まっていて、文房具を選んでいる時間が無い子です。
冬休み、基本的な勉強のしかたを見直してみるいい機会かと思います。
ぜひお子さんの書く様子を観察し、より「できる子の書き方」に導いてあげてください。
ちなみに12月21日に新刊「難関校合格のすごい勉強習慣」が発売となっています。
上記のような話よりも更に突っ込んで「できる子の勉強法」を解説しています。
興味がある方は、手にとってみてください。
https://www.e-juken.jp/amacam/20191220/meimon.html

入試直前期の乗り切り方について

12月も半ば、いよいよ受験生である6年生は直前気に入っています。
この時期にはもう「苦手をなんとかしよう」ということは、ことさら考えなくてよいと思います。
とにかく1点でも2点でも積み重ねるにはどうすればいいか、そんな視点で「できること」を探してみてください。
そうすると、苦手科目や苦手単元を何とかするよりも、得意な分野で得点アップを狙うほうが分が良さそうとか、いろいろやれそうなことが浮かんでくると思います。
また1分でも1秒でも多く勉強したい、そんな気持ちになるお子さんもいますが、睡眠時間は削らないのが賢明です。
1時間余分に勉強するより、1時間寝たほうが得点力が増す場合も多いのです。
経験上、この時期には学力的にずいぶん仕上がってきているお子さんが多いので、じゅうぶんに睡眠時間を取ると計算の正確性やスピードが上がり、過去問の点数がぐんと上がる子も多いと感じます。
親子ともにプレッシャーを最も感じるのが、ここから入試までの1ヶ月あまり。
もちろん難しいことですが、まずは親御さんから、視野が狭くならないような意識を持っておくことが大切です。
これまで頑張ってきた受験勉強ですが、頭のどこかに「通過点に過ぎない」「もし万一うまくいかなくても、きっと我が子の糧になる」という冷静な考えを持っておくことも、受験生の親としては大切なことです。
考えたくないことですが、もしも不合格だったときのことを考えておくのも、同じように大切です。
受験結果は、予想はできてもすべてのお子さんにとって楽観はできないものです。
その意味で、万一に備える受験計画を立てておくことは重要です。
具体的には、ギリギリの偏差値の学校ばかりを受験校に選ばない、ということです。
この学校はチャレンジ、この学校は比較的に高い確率で合格を見込める、といったふうに、様々なレベルの学校を受験校に入れておきたいですね。
もちろん通うことになった場合、どの学校も親子ともに納得できる進学先であることが望ましいです。
入試が近づいてくると、お子さんが不安になってしまうこともあるでしょう(親御さんもそうかもしれません)。
そんなときは、これまでやってきたたくさんの問題集やテキストを眺めたり、たくさん書き記してきたノートをパラパラとめくって「こんなにがんばってきたんだから、きっと大丈夫」と考えるようにしましょう。
ラストスパート、親子でしっかり乗り切っていきましょう。

学年の終盤のセカンドオピニオン

もう12月、冬休みと冬期講習会、そしてその先の新学年が近づいています。

新学年のクラスを決めるテストとして、お子さんをサピックスに通わせている親御さんが気になるのは、1月の組分けテストでですね。

日能研なら公開模試、四谷大塚なら公開組分けテストなど、やはりクラスの変動がかかっているテストは、親としては気になるものですね。
主任相談員を務めさせていただいている、中学受験ポータルサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」と名門指導会の共催という形で、定期的に開催している個別相談会でも、やはりテストの結果に関するご相談はとても多いです。

■ 正直なところ、クラスなんてどうでもいい!?

親としてはクラス変動が気になる、と書いたのですが、もちろん相談会でお父さん、お母さんたちと話をしてわかることは、みなさんクラスだけを気にしているわけではもちろんないということです。

本質的な学習ができて学力がつけば、テストでも結果が出てクラスだって上がるからです。
そういう意味ではクラスの変動に一喜一憂すろのはたいへんバカバカしいことだし、豚頭に大切なものを見失っている、とみなさん考えています。

でも毎週の宿題と毎月のテスト結果にさらされていると、どうしても目の前のテスト結果に振り回されそうになります。
クラスが変われば講師も変わり、教え方や授業のわかりやすさだって違ってくるだろうし、なにより上のクラスでは習えることが下のクラスでは習えない、という現実もあるからです。

そうなりがちなときの「考え方のリセット」の意味で個別の相談会は有効だと考えていて、普段塾の中にいると接することのない「セカンドオピニオン」を提供できる場としてご利用いただければと考えています。

■ 変わる入試、変わらない入試

中学受験の問題も年々変化していてどんどん変わってきていると、メディアが配信する(もちろん私もメディアをとおして様々な発信をしています)記事などで目にすることがあるのではないでしょうか。

小学校で英語の授業が必修化、プログラミングやアクティブラーニング授業の導入など、これからお子さんの受験を迎えようというご家庭の親御さんには、気になることがたくさんあることと思います。

もちろん中学校の入牛問題にも新しい流れがおきていて、1科目での受験や英語入試、グループワークなどを導入する学校など、様々な試みが行われています。

中学、高校の先にある大学入試が「迷走」している現在、「何が正解なのか」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、中学受験がさまざまな可能性を試そうとしているのは事実でしょう。

一方で「変わらない入試」があるのも事実です。

「アクティブラーニング」などが叫ばれ始めた頃「難関校では昔からそのような教育が行われれいる」という意見を述べたことがあるのですが、たとえば首都圏の「御三家」と呼ばれる学校では、もうずっと昔から「暗記型の詰め込み学習」では通用しない、思考力を求める入試が行われています。

御三家意外にも同じような学校は多くあります。

変わるもの、変わらないものの内容をしっかり見て、お子さんの将来を託す検討をしていきたいですね。

12月16日、年内最後の個別相談会を東京渋谷で行います。
学年の終盤、勉強のしかたや塾の授業の受け方などを見直したい、という方はお申込みください。

https://soudankaie2019-12-2.peatix.com

▼2022年11月18日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「<志望校・併願校の決め方 校風、偏差値と問題傾向から決める! 合格するための受験校の選び方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年10月28日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「小学4・5・6年生対象 めざせ合格「過去問」の正しい使い方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月30日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「飛躍的に成績を上げる!苦手克服 勉強法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年9月10日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【4・5年生】9月から偏差値10UPを狙うオンラインセミナー  毎年2学期に成績を上げるご家庭がやっている10個のこと」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年8月5日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験の「基本のキ!」令和4年度版 最新の中高一貫校の選び方から受験の傾向まで全部分かる!」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年7月21日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「【2022年夏】確実に成績が上がる夏期講習の受け方 3つのポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年7月8日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「夏休みの学習計画!うまくいく方法  夏期講習を有効活用して力をつける!学習戦略の立て方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年6月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験を迷っている!?保護者必見セミナー 未就学・小学低学年から、親が知っておきたい「中学受験」の実像」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月27日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「自分で学習する子の育て方  中学受験、高校受験でも生きてくる「子が自走する学習法」を伝授します」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年5月26日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「6年夏休みに成績を大きく伸ばす6月・7月の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年4月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「家庭学習のやり方を指南  塾に通っているだけで、安心していませんか?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年4月14日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「夏休みまでに偏差値5UP 6年生GWで成績を上げる10のポイント」にて、講師を担当させていただきました。。

▼2022年3月18日(金)

「「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「頭のいい子が育つ! 学習環境のつくり方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2022年2月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナーわが子の合格に必要な学習は?」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年12月17日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験・合格する家庭のつくり方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年11月19日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年10月22日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験合格つかむ「過去問」使い方セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年9月24日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「苦手克服し成績を上げるコツ」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年7月16日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「7/16入試にも役立つ夏休み自由研究対策セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月26日(土)

新渡戸文化学園が主催するオンラインセミナー「中学受験へ向かうみなさまへ 中学受験って何? 大切なことは何?」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2021年6月25日(金)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「親が知りたい中学受験のキホン」をにて、講師を担当させていただきました。

▼2020年10月14日(水)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験セミナー第2弾!過去問を活⽤する家庭学習のコツ」をにて、講師を担当させていただきました。にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年9月29日(火)

「日経DUAL」が主催するオンラインセミナー「中学受験 コロナで変わる!併願校の選び⽅/合格を導くための模試の問題⽤紙・答案⽤紙活⽤法」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月12日(金)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するオンラインセミナー「ウィズコロナ時代の中学受験を成功させる夏の過ごし方」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年6月6日(土)

増進堂 受験研究社が主催するオンラインセミナー「学校再開・塾再開にどう向き合うか」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2月19日(水)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年首都圏中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2020年2 月6日(木)

「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」が主催するセミナー「2020年関西中学受験 入試分析セミナー」にて、講師を担当させていただきました。

▼2019年10 月11日(金)

淑徳与野幼稚園が主催する講演会「父母講座 我が子への根拠の無い信頼の大切さ」にて、講師を担当させていただきました。

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