6月。
夏が近づいています。
サピックスでは、夏休みの前の大きなイベントといえば、7月の組分けテストだと思います。
マンスリーとは違って、範囲がないテスト。
ほんとうの意味での実力テストですね。
ふだんのマンスリーテストでは結果を出せるのに、組分けテストではなかなか結果が出せない、という場合、お子さんも親御さんも悩むと思います。
サピックスに限らず、日能研なら公開模試、浜学園や希学園なら公開テストで結果が出せないというお悩みは、ふだんのご相談の中でもトップ3に入る内容です。
今回は、そんな実力テストで結果を出すための勉強について考えたいと思います。
■みんなができる問題で落とさないために
実力テストで結果を出すためには、まず「みんなができる問題で落とさない」ことが必要です。
もちろん、みんなができない問題を正解して差をつけたいところなのですが、それ以前に「みんなができる問題」で落としていては結果は出ません。
その「みんなができる問題」とはどんな問題かというと「定番」といわれる問題です。
テキストによく出てくるような問題、と言ってもいいでしょう。
サピックスのデイリーや基礎トレ、日能研の本科テキストや四谷大塚の予習シリーズの練習問題に出てくるような問題です。
もちろんそのような「定番問題」の復習、確認は塾の平常授業のテキストですればいいですね。
サピックスの組分けテストや日能研の公開模試など、多くの塾の算数の実力テストでは、大問1が計算問題、そして大問2や3で「1行問題」と呼ばれる短い文章題や図形の問題などが出てきます。
まずはその大問2や3の問題で失点しないよう、「よくある問題」の総点検が有効です。
■差がつく問題で「落とす」タイプの子の特徴とは
テストに出題される問題が全部「定番問題」だったら差がつきません。
では「差がつく問題」とはどのような問題でしょうか。
・・・いろいろあるとは思うのですが、難問というよりは「ちょっとひねった問題」ではないでしょうか。
具体的には「定番問題に見えるのだけれど、ちょっとひねっている」問題です。
たとえば、図だけを見るとよくある定番問題と同じ図だが、よくある問題なら面積を求めるところが、周りの長さを求めさせる出題になっている、というようなものは典型的です。
このような問題で「落とす」子は、「あ、見たことがある、習った問題だ」と思った瞬間、その先をよく読まずに解いてしまったり、思い込みで先に進んでいってしまったりします。
本質的には難しい問題ではないのに、勘違いやミスで失点させるタイプの問題で、差がついてしまっているのです。
もったいないことですね。
■ミスの原因を逆手にとって・・・
これを逆手にとって考えれば、「とにかく問題を最後まで読んでから解く」ということを徹底するだけで結果が変わってくるということになります。
具体的で、すぐにしてあげられるアドバイスですから、ぜひ夏までの実力テストでお子さんに徹底させてみてください。
こういった少しのことを実行して結果が出れば、お子さんの小さな成功体験にもなり、自信の源にもなります。
では、このような「ちょっとひねった問題」の練習はどのように行えばいいかというと、もっとも手っ取り早いのは、お通いの塾の「ふだんのテスト」を使うことです。
サピックスならマンスリーテスト、日能研ならカリキュラムテスト、浜学園や希学園なら復習テストを解き直すのです。
これらのテストは「典型的」という問題も出れば、それをちょっとひねった形の問題も出るからです。
また、市販のテキストでいいものがあればそれを使うという手もあります。
私が監修している問題集「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数」もそういった使い方ができるように作ってあります。
このような使い方ができる問題集はほかにもありますから、用途に合いそうなものを書店で選ぶのもいいかもしれませんね。
ぜひ夏までに「ひっかからない」問題への取り組み方ができるよう、練習してみてください。
※上記のような学習上のお悩みに答えられる機会として、東京、大阪で定期的に有料の「少人数相談会」を開催し、私自身もご相談を受ける担当として参加していますが、毎回募集が(マンツーマンのため)数人と非常に少ないのが現状です。
夏をひかえ、早めになんとかしたいという方は、よければ名門指導会の体験授業、私が行っている電話相談などもご利用くださればと思います。

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