前回は、偏差値30台のお子さんが40台にアップするためのお話をしましたが、今回は40台から50台への成績アップに必要なことを考えていきます。

■基本問題の取りこぼしをなくす

偏差値がなかなか50を超えない、というお悩みをお聞きすることも多いですが、偏差値が50に満たないということは、「何かが原因で塾の平均成績に達していない」ということを示しています。

塾の平均成績に達しないお子さんのタイプは様々ですが、代表的な例はいくつか挙げることができます。

まず1つは、基本問題に取りこぼしがあるということです。
サピックスの算数で言うなら、★1つの問題の解き方に関して、完璧な状態になっていない状態のお子さんです。

算数に関して「最近のサピックスのマンスリーテストは易しくなった」と複数の先生からの意見を聞いていますし、平均点の高さがそのことを物語っているとも思います。
「やったぶんだけ結果に反映する」タイプのテストとなっているので、★1つのレベルの問題を丁寧に、完璧に仕上げておけば平均点をクリアできる可能性が高くなります。

■少量の計算を集中して正確に

もうひとつの要因は、計算の正確さと読み間違いなどのミスです。
いくら基本問題を完璧に理解していても、計算ミスや読み間違いなどを連発しては平均点クリアはのぞめません。

大きくいえば、この2つのどちらかに弱点がある子に立ちはだかるのが「50の壁」です。

計算ミスが多い子の中には、地道な計算練習を嫌う子もいます。そしてそんな子の中には「やるべき課題が多いので、できるだけ楽に済ませたい」という気持ちの子も多くいます。
じゅくから与えられる課題の量から考えると、ある意味無理問ないのかもしれません。

ただ、この状態のお子さんにいくら量を与えても無駄に終わります。
1つ1つの計算を正確にすることがいかに大切かを伝え、少量の計算問題を正確に、集中して解くよう話をしてみてください。

せっかく解き方がわかっても、その問題を解くのに何度も計算しなければならないなら、そのうち1つでも間違えば問題自体が不正解になってしまうこと、かけた努力をムダにしないことが大切ということなどです。

■国語の「足腰」は漢字と語彙

「偏差値30台⇒40台」のコラムでも述べましたが、やはり50に到達しない子も、読解の基本ができていない場合がほとんどです。
そして読解の基本は「言葉の知識」だということを理解していないお子さんが多いのです。

毎日時間を決め、コツコツと漢字と語句の勉強をする習慣をつけるのが大切です。
朝学習がオススメですが、お父さん、お母さんが付き合ってあげられる時間を中心にスケジュールをたてるのもいいと思います。

なぜなら、言葉の知識こそ大人のサポートを活かしやすい分野だからです。
「むなしい」「ほのかに」「かいがいしい」など子どもがイメージしづらい言葉を噛み砕いて説明できるのは、大人ならではです。
身近な人の例などをあげながら、お子さんに理解しやすい形で伝えてみてあげてください。

また算数、国語に限らず科目全般ですが「テストとの距離感」は大切です。
結果だけに翻弄されると良い方には進みません。
そのテストから見えるお子さん現状と改善の可能性、という視点でテストの内容を見てください。

次回はいよいよ50から60へと、そして具体的なテストとの付き合い方についてお伝えしようと思います。