月: 2015年4月

四谷大塚 第一回合不合判定はどんなテストだったのか

四谷大塚の第1回合不合判定テストが、4月12日に行われました。算数、理科を分析してみての感想を書き留めておきたいと思います。
 
■多彩な力を試される算数
 
算数の問題配列は、いわば順当といえるものでした。計算に始まり、大問2では小問集合、そして大問3以降は順を追うごとに難度が上がっていくようなつくりです。大問5くらいまでjは基本〜標準問題の内容なので、ここまでで大きく失点すると、高得点は望めません。
 
ポイントは大問2の図形の折り返し問題、大問4の集合の問題でしょうか。図形の折り返しは、折り返す前の図形と折り返したあとの図形を重ねあわせて考えること、集合の問題が線分図、ベン図、表などにまとめるのが定番の解き方ですが、このあたりの知識、解法を正しく使うことができたかによって、得点に違いが出てきます。
 
大問6は速さの問題。難問ではありませんから、ていねいに図を書けば解き切れるはずですが、焦りの気持ちから図がいいかげんになってしまったりすると、手こずるタイプの問題です。
 
大問7は、小さなタイルをたくさん使って大きな正方形を作るという、初見から倍数の問題とわかるものです。1辺の長さが違うAとB、2種類のタイルが登場しますが、単にA、Bワンセットとして考えてうまくいくという単純なものではないと考えて解けるか、ここは気持ちの余裕が大きく物を言います。
 
大問8、9は難問。この2問にがっちり取り組むことができる時間があった子どもは、かなり算数ができる子だと思います。大問8は、いわゆる「まるいち算(①解法)」を使いこなして解き切ることができますし、大問9は試行錯誤で規則性を見つけるタイプの問題。算数好きならテスト直しででもチャレンジしてみてほしいところです。
 
■過酷な問題配列の理科
 
一方、理科の問題配列はある意味で過酷でした。大問1は小問5問、生物、地学分野からです。大問2は昆虫の分類。易しい問題なので、大問1〜2での失点は、かなりの痛手になる可能性があります。
 
理科の最大のポイントは、大問3です。透明半球上の太陽の軌跡の長さから時刻、時間を比例配分で計算する問題ですが、受験生の予想以上に手間がかかり煩雑で、計算分野が苦手な子どもはもちろん、そこそこ得意だという子どもでも、かなり手こずったに違いありません。
 
この大問3が、その後の大問4(化学計算 難度低)や大問5(力学 難度低)の出来に大きく影響を与えた結果となった子どもが多かったでしょう。大問6は電流で難度が高く、あまり差がつかない問題であることを考えると、大問3で「どのくらい気持ちを揺さぶられたか」が大きく結果を左右した出題でした。
 
6年生になると、各塾のテスト問題は入試問題に近くなっていきます。実際に、入試問題の改題も多いです。難度の高い問題、手のかかる問題、時間を取られる問題を「捨てる」勇気や技術が必要な場面が多くなってくるのです。
 
そのことを春のうちに経験させてくれた、そんな問題だったと思います。1回1回のテストが勉強ととらえて、経験値を上げていきましょう。
 
 

ゴールデンウィークの使い方

■塾の講座、イベントは吟味する
 
ゴールデンウィークの連休への対応は、塾や学年によって何通りかあります。大きく分けると、以下の3つのいずれかになることが多いようです。
 
①通常通り授業を行う
②特訓授業やイベント授業、テストなどを行う
③塾の授業はなく、連休用の宿題が出る
 
大手の進学塾の場合、②か③の対応になる場合が多いですね。6年生のみ②で、5年生までの学年の子どもは③といった塾もありますね。
 
ここで注意しなければならないのは、「その講座やイベントは本当に必要か」という視点を持っておかねばならないということです。
 
たとえばゴールデンウィークに、これまでの総復習的な内容のイベント講座があるとしましょう。その講座では朝から夕方まで、テストとその解説授業があります。
 
今までの復習ができていい、と思われるかもしれませんが、苦手な単元や解決したいことが明白になっているお子さんにとっては、自分の課題を再認識する機会になるだけということもあります。
 
お子さんの苦手な単元が「速さ」だとして、ゴールデンウィークの講座では、割合、比、図形や文章題とともに、速さの学習も予定に入っている。そんな場合、イベント講座で6時間算数をがんばるのと、家で速さだけを2時間がんばるのと、どちらが効果的かということです。
 
■5年生までなら、実体験も大切に
 
まだ6年生でないなら、ゴールデンウィークのようなときにしかできないことをする時間をとるのも大切です。理科や社会のフィールドワークのようなことをしてみるのもいいですね。
 
難関校の中には、あるテーマにそって歴史、地理、場合によっては公民を融合した総合問題を出題する学校が多くあります。まずは身近な地域でテーマを決め、ふだんとは違った視点で歩き、見て考えて記録するということを経験するのも大切です。
 
また理科でもフィールドワークは有効です。町中でも、注意深く観察しながら歩けば、テキストによく登場する植物をいくつも観察することができます。道路脇の植え込みや花壇の隅に、たくましく自生しているタンポポやオオバコを見つけたら、文字や写真だけでからでは得られない強い印象をお子さんに持たせられそうです。
 
旅行などで遠くに出かける場合も、事前にどんな土地なのかを調べて、しっかり準備しておくことをお勧めします。旅行の準備は楽しい作業ですから、お子さんも参加させ、家族で楽しむのです。
 
目的地までのルートを地図上で確認したり、おみやげとして買うべき名産品は何か、それはなぜかなど、調べられることはたくさんありますね。
 
ぜひ今年、オリジナルゴールデンウィーク計画にチャレンジしてみてください。

子どもがぐんぐんやる気になる 魔法の声かけ

 

■出版記念セミナーを行いました

 

先日、有隣堂武蔵小杉スクエア店さん、主婦と生活社さんの主催で、私の新刊「子どもがぐんぐんやる気になる 魔法の声かけ」の出版セミナーを行わせていただきました。

比較的少人数で、温かい会になったと思います。

 

質疑応答ではどんどん質問が出て、飛び入りで参加くださったゲストの辻義夫先生(「かしこい塾の使い方」主任相談員・個別指導教室SS-1副代表)とともに、より実践的な声かけの技術や家庭教師、個別指導教室の利用のしかたなどについてお話ししました。

 

■何のために受験するのか

 

「受験は親子の受験」と言われますが、まさに親の覚悟や姿勢が問われる受験といえるでしょう。進学塾で与えられる課題の量は、20年前とは比べ物にならないくらい多く、また整理と取捨選択が困難です。

 

何とかお子さんを支えて、うまく乗り切らせようとサポートするお母さん、お父さんの役割も非常に重要で、毎週のテスト、毎月のテストの偏差値、順位に翻弄されて視野が狭くなってしまうと、親子ともども疲れきってしまいます。

 

我が子が大切でしかたないからこそ悩み、もどかしい思いをし、手をかけるけれど、なかなかうまくいかない我が子を見て悲しい気持ちになったり、時には感情が爆発してしまう。

 

そんなこともあります。

 

「なんでこんなにがんばっているのに・・・」

 

そう思うことも多々あると思います。

 

そんなときは、ぜひこのことを思い出していただきたいのです。

 

そもそも、どうして中学受験をさせようと思ったのか。

 

もちろん、お子さんがそうしたいと言い出したということもあるでしょう。子どもは、ひたすら合格したいという一心でがんばればいいのです。一方で、お母さん、お父さんの願いは、単に合格することだけではなく、中学受験を通していろいろな力を身につけ、勉強の楽しさを知り、考えぬいて解決することの嬉しさを経験して、成長し、何よりも将来幸せな人生を歩んでほしいということだと思います。

 

そのためにチャレンジする中学受験で、毎日ケンカが絶えない生活になるのは本末転倒です。成績のこと、志望校のことなどで思い悩むことがあるにせよ、親子で前向きに、楽しく取り組んでいきたいものです。

 

そんな思いで、「どう声をかければ親子の関係が改善し、受験勉強がうまく進んでいくのか」をまとめたのが、この「子どもがぐんぐんやる気になる 魔法の声かけ」です。

 

ご興味のある方は手に取ってみてください。

 

http://www.e-juken.jp/20150325magic.html

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