サピックスと日能研で割合の学習が始まりました。どちらも、「割合の3用法」を使えるように考えられたテキスト構成です。

1 (割合)=(比べられる量)÷(元になる量)

2 (比べられる量)=(元になる量)×((割合)

3 (元になる量)=(比べられる量)÷(割合)

という、おなじみのものです。

 

ある、サピックスの小5生の、デイリーサポートには、数ページにわたって大きなバッテンがついていました。このバッテンはどんな意味?と聞いたところ、

「サピックスの先生は、これをそのままやっていると割合がわからなくなるから、やるなと言ったから。」

という返答でした。

初めのバッテンは、第1用法の「(割合)=(比べられる量)÷(元になる量)」だけを使う10問です。次のバッテンは、第2用法だけを使う10問、その次のバッテンは第3用法だけを使う10問です。

 

 思わず、

「おっ!その先生は割合の教え方をよく知っているね。良い先生に教えてもらっていて良かったね。」

と言ってしまいました。

 

割合は、今後、「売買損益」「濃さ」と続き、その後「比」に発展していきます。割合と比を合わせると、入試問題における出題配点の40?60%を占めま
す。割合は、入試算数の肝なのです。その割合の学習の初めに、子供の納得を伴わない公式の利用だけに陥るのを避けるための指示だと、私は理解しました。

 

割合の理解には、2つの納得が必要です。

 

第1番目は、「何が何の何倍か?」という納得です。

 たとえば、「□gの25%は200gです。」という問題は、「200gは□gの0.25倍」と理解する事です。そして、頭の中に、「200=□×0.25」という式が頭の中に同時にできることが大切です。

 

第2番目は、線分図上での大きさの判断です。

 これまでは、何倍かするとほとんどの場合大きくなっていました。でも、これからは、1より小さい数字をかけることになりますから、「掛けたら小さくなっ
ちゃった」というのは、子供にとっては不思議なことなのです。ですから、線分図に表して、その数字に比べて、これから求めようとする数字がどのくらいなの
かを予測させる事が大切です。

 

今週来週は、お子さんが割合で困っていたら、「何が何の何倍なの?」と聞いてあげてください。