縦軸に志望校レベルをとり、横軸に学習意欲をとります。
そうすると4つの領域に分かれます。
その、それぞれの学習法をお話ししています。今回はそのpart4 です。
タイプ④ 志望校レベルが高くなく、学習意欲が低いタイプについてです。
学習意欲が高くない原因が、志望校にあるわけではありません。
志望校は中堅校、学力はそれに届いていないにも関わらず、
なかなか本気で勉強をしてくれないとやきもきさせるタイプです。
学習意欲は子供が本来的に持っているものではなく、習慣によって身につけていくものです。
学習を始めることによって小さな成功体験が積み重なります。それが学習意欲の源になります。
やることによって学習意欲が出来、より学習することで学習意欲も高まります。
「入試があと9ヶ月後に迫っているのに、あなたはなぜやる気を出さないの!」
このような叱咤激励は、効果がないばかりか、子供のやる気の芽を摘んでしまうことになります。
何か、何でもよいですから、ちょっとした学習を始めさせることが一番よいのです。漢字学習でも、計算でも、暗記でも。
やっている姿を見て、それが見るからにやる気のない様子であったとしても、「もっとやる気を出してやりなさい!」はよくありません。
今が始まりです。
「やり始めたのね。感心。これから勉強がちょっとずつ楽しくなってくるわ。」とでも言ってあげてください。
何かの勉強を始めさせることを考えた場合、朝の学習は有効です。
10分でも、20分でも、その日の始まりに学習することで学習習慣が身につきやすくなります。その後、気分良く朝食。
「今日できたから、明日も出来そうね。」とねぎらってあげてください。
このように、最低限毎日勉強が出来るようになってから塾の成績を上げることを考えます。
小6のこの時期は、どの大手塾も最後に残った難しい単元をやっています。基礎問題と言っても実は難しいのです。
授業がよくわからなくなっているのかもしれません。
先生は、黒板に鮮やかに答えを出すけれど、なぜそうすれば解けるのかも、その式で何が出たのかもよくわからない。
そんな状態のお子さんが多くいます。
何となく、「この数字からあの数字を引いて、これで割ればいいんだろう」という程度の理解で終わってしまっているのかもしれません。
学習意欲は、まず始めてみて継続することによって高まっていきます。
ですから、継続できそうな学習レベルを設定することが大切です。
ここでも、○△×学習法が有効です。
授業中に△がついた問題を解き直すことを最優先してほしいのです。
△は、「何となくわかったけれど自信がない」問題です。もうちょっとがんばれば完全に理解できる問題ですから、
「な~るほど」「ああ、そうだったのか」という納得が起きやすいのです。
この納得感が、成功体験です。わかったときの快感と言い換えても良いでしょう。
理解できた快感を味わった後に、塾の宿題を考えます。
授業中に×がついた問題と同種の問題が宿題に出ていれば、今はやらなくても良いというルールでもかまいません。
塾のテストの算数では、前半の基本的な問題での得点力を中心に見てあげてください。
特に、2番や3番あたりの1行問題の正答率が上がってくると、得点は急激に上がります。
それが子どもの学習意欲をより高めます。
ほとんどの塾のテストの問題量は、本番の入学試験よりも多くなっています。
全部に手をつけるよりも、前半部分を丁寧に確実に解くように話してあげてください。
そして、テストが終わった後で、
「この問題は×がついてしまったけれど、良いところまで考えていたわね。」とか
「惜しかったわね、最後の計算があっていたら正解だったね」というように、
もしこのミスがなければ○○点上がったという話し方をしてみてください。
2学期の後半になると、このような悠長なことは言っておれませんが、今は可能性を感じさせることが大切です。