今回は、スピードアップの4番目、「考えるスピードを速くする」ことを考えてみます。

これも、無闇に速くさせようとすると子供特有の「出まかせ」思考になってしまいます。

  出任せ思考とは、問題文を一瞥しただけで、題意も理解せずに答えてしまうことです。

(こうなってしまっている子供が多いことを、今私は一番心配しているのですが。)

ですから、考えることを直接の方法で速くすることを考えずに、周辺部分を速くすることで、

全体を速くすることを目指したと考えて指導しています。

その一番の肝となるのが、「関連づけのある知識を、子供の頭の引き出しにきっちりと収納させること。」です。

 

子供の学力(大人がいろいろ考えるときもそうですが)は、「気づき」の力に左右されます。

「気づき」とは、目の前にある問題を解くために必要な知識や考え方を、過去に頭脳に収納されたものから探し出してくる力です。

これは、覚えた事柄の量にも質にも関係があります。

必要なことは、全部覚えなければいけません。しかも、それを使える状態にして収納していく必要があります。

断片的な知識を数多く覚えるのではなく、知識同士をつなげて理解して、その上で覚える作業を取り入れると、

テストの時にすぐに使える知識になります。

 

頭の引き出しの中が雑然としているより、ちゃんとカテゴリー分けされて、

探し出しやすい状態になっている方が、速く探し出せるというわけです。

 

それでは、知識を関連づけたりカテゴリー分けして覚えて行くにはどうしたらよいのかということになります。

原則は、物事を理解するときに、「なぜそうなる」「だったらどうなる」を考えさせることです。

これは、これまでの学習に比べて少し時間のかかることです。

そうすると、速く解くために、ゆっくり考えよう????という禅問答のような答えになってしまいます。

普段の学習において、「なぜそうなる」「だったらどうなる」までをじっくり時間をかけて理解し覚えることで、

テストの時に解くのが速くなっていくと理解して頂ければありがたいのです。

 

 

ただ、物事を関連づけて理解させて覚えさせることは、教える側からすると至難の業です。

経験が少なく、知識も少ない、そして理解できる語彙も少ない子供達が、過去に収納した知識に結びつけられるように

説明していく必要があるからです。

たくさん覚えているんだけれど、それがテストの時に使えないという状態を、至急変化させるためには

抜きん出た力量を持つ第3者が必要になります。(手前味噌になりますが、私たちはそれを目指しているつもりなのですが)

 

 

考えるスピードアップの2番目は、読むスピードアップです。これは、このpart2をお読みください。

そして、3番目は、聞くスピードアップです。早い話しについて行けること。

簡単に言いますと、塾の先生の早いしゃべりを理解することです。

(子供達が接する大人達の中で、塾の先生の話し方が一番早いと思います)

2番目の読むスピードアップと3番目の聞くスピードアップによって、

内語(自分の頭の中で使っている言葉)のスピードアップが無理なく図れることにになります。

 

 

「解答時間内に問題が解ききれない」という症状について、part1からpart4まで読んで頂いてどのようにお感じになったでしょうか。

スピードアップのためというわずか1つのことをやるためにも、日々の学習から見直していく必要があること、

そして、いろいろな事柄が関係し合っていることがおわかりいただけたことと思います。