今回は、日能研(関西)と馬渕教室の夏期講習についてお話ししていきましょう。
日能研編
・所属コースによる学習時間の差
日能研では所属するコースにより、夏期講習の授業時間数も学習内容も異なります。
お子様の所属するコースの講習内容を確かめて、夏休みに実行する家庭学習内容を決めたいですね。
6年生の灘特生の場合、夏期講習会にすべて参加すればほぼ自学時間は取れないと考えておくべきでしょう。
・復習に適したテキストを生かす
日能研の講習会テキストには、復習テキストとしてのまとまりの良さに定評があります。
最低限の学習内容が網羅され、必要な演習量が確保されているためです。
しかし、ただ参加しているだけでは弱点の確認にしかなりません。
弱点強化を実現するには、事前準備が必要です。
・講習の事前準備
夏期講習会を実りあるものもするための秘訣は事前準備です。
夏期講習会の内容は1学期の復習です。そこで、1学期に受けたカリテを精査しておきます。
どの問題が解けなかったを確認しておき、講習会テキストが手元に届いた時に照らし合わせてチェックしておいてください。
以前のカリテで解けなかった問題を解けるようにすることを目標に授業を受けることで、メリハリがつき集中力を高めることができるのです。
そして、今回は解けるようになれば成功です。
・オプション授業の選択
日能研では、夏期講習会の前後にあたる時期に短期実力養成講座があります。
この講座は、カリキュラム、ネーミングが魅力的なのですが、例えば5年生では割合、平面図形、天体をそれぞれ1回で消化するものです。
とても大切な単元なので魅力的なのですが、実はどの単元も1回の授業で完結できるものではありません。
むしろ、ご自身でこれまでのカリテでで解けなかった問題を解けるようにじっくりと勉強する方が効果的でしょう。
馬渕教室編
・他塾とは異なる内容
夏期講習会の学習内容として1学期の復習をする塾が多い中、馬渕教室は平常の本科授業を進めていきます。
普段より進度が早いので、注意が必要です。
また、このため他塾が実践しているスパイラル学習(既習範囲の繰り返し学習)の機会が少なくなっています。
長期休暇中に今までの抜け落ちを拾い上げる予定のお子様は、独自に休暇中の学習プランが必要になります。
・ターム制の功罪
馬渕教室の夏期講習会は、ターム制をとっています。
夏休みを5つのタームに区切り、学習を進めて行くものです。
低学年では、塾のある期間とない期間が明確に別れており、日程上は独自の学習プランやご家庭での予定が組みやすいと言えるでしょう。
しかし、6年生上位コースともなると、すべてのタームで授業やイベントが実施されるために、空き時間がかなり限定されることになります。
よほど上手く予定を組まなければ弱点補強などの独自の学習プランを実践する余裕がないと言えるでしょう。
・教室間で異なる対応
また、馬渕教室では自習室の設定などは教室ごとの判断に任されているようです。
受験生のお盆休みの予定も教室によって変わることがあるのです。
「他塾では授業があるのに、うちの子は家にいて大丈夫?」と言った不安も聞かれます。
自分のための勉強ができる絶好のチャンスですが、全てをご家庭でとなると大変ですね。
この期間は、他塾のイベントや個別指導教室などをうまく活用しましょう。
・弱点強化の実現
6年生上位コースでは拘束時間が長く、休みの日も限られているために、独自の学習に充てる時間設定についても事前の準備が必要です。
「まとまった時間はどこで取れそうか」など予定の確認をして学習内容とすり合わせをしておきたいですね。
オプションのイベントは、志望校をターゲットとしているテスト以外は外しても問題はありません。
また、その他のお子様では、普段より早いペースの授業進度について行きながら消化できるプランをつくっておくことが大切です。
やはり、その進度を想定しての事前準備が必要になるのです。
(都関)