子供が塾のテキストを破り捨てたり、「もう勉強なんかいやだ!」と言って部屋にこもってしまったりする、
このような相談は意外に多いということを前前回に書きました。

そして、そのようになる共通の状況があるように感じるのです。
それは、「身の丈以上の学習を強要されている。(と子供がいつも感じている)」事です。
親は子供のためを思い、このぐらいはやって欲しいと要求し、
塾はこの程度の質量はこなしてくれないと困ると思い宿題を出します。
それを子供がやっとの思いでやり終わった時に、親御さんがこのような言葉かけを
続けていたらどうなるでしょうか。

1)「何、そのやり方は。間違いだらけじゃないの。そんな事をやっているから成績が上がらないのよ!」
2)「宿題が終わったら、すぐにテスト直しをしなさい。ゆっくりしている時間は無いのよ!」
3)「宿題だけやっていて良いと思っているの。テレテレやっているから社会の暗記時間が無くなってしまたじゃないの!」

たぶん、大人だっていやになってしまいますね。

「たくさんの宿題を頑張ってやったね。大変だったね。」から話し始めてあげたら子供の気持ちは
どのように変化するでしょうか。
ねぎらいの言葉を充分にかけてから、
「頑張ったことは分かるんだけど、慌てすぎてあちらこちらに間違いがあるみたいね。
間違い直しまで今やれたら、もっと気持ちがすっきりすると思わない?」
というような言葉をかけてもらった子供は、テキストを破り捨てたりしないものです。

中学受験の勉強は、この年齢の子供たちにとって各自のキャパシティーの限界近くまで
頑張るべき時期もあります。
ところがそのキャパシティーは子供たちの気持ちや感情によって大きく変化します。
たくさんの勉強をやった後でも、「すごく頑張ったね。」と褒められれば、もっと頑張ってみようという
気持ちにもなります。

同じ量の勉強をしていても、それを過剰な負担と感じる子供がいる一方で、平気な子もいます。
ストレス耐性が高い子供になってもらうために、子供への言葉掛けに一工夫をお願いしたいと思います。