あと2週間もすると、各塾で夏期講習が始まります。小6生にとっては確かに天王山となります。
その理由は、
第1に授業時間数が多いことです。学期期間中の3ヶ月分に相当する長さです。

第2には、「初めての総復習」をすることです。学力をつける時期が終了し、得点力をつける時期に
    はいったことになります。
第3には、受験生がそろそろ本気モードに入る時期だからです。受験本番まであと半年となって、
    ラストスパートをかけ始める時期になってきたと言えます。

□復習のサイクルを作る□
学期期間中は、1週間に1単元ですから、何曜日にどの教科の復習をするかを決めておくことが
出来ました。
ところが夏期講習ではそうはいきません。
ほぼ3日で1単元が終了するスピードでカリキュラムが進んでいきます。
日能研のように「算・算・算・理・理」という日と「国・国・国・社・社」という日が交互に場合には、
2日で一巡してしまうことになります。
「復習はその日のうちに」を原則にしてください。
日能研の多くの教室のように、授業が早朝から始まる(例年は全教室共通に午後の授業でした)場合は、
なおさらです。
サピックスは、例年通り午後の授業になっていますから、その日の夜に勉強する内容と翌日の午前中に
勉強する内容を分けて考えておく必要があります。
どちらにしても、子供にとっては、克己心が必要な作業となりますから、親御様の協力と励ましを
お願いします。

□効率的な取捨選択が必要□

算数では
日能研の夏期講習の算数テキストは、各レベル毎に難し過ぎず易し過ぎず、使いやすいレベルで
作られていますが、それでも全部を復習しよう、宿題を全部やろうとすると、それぞれがいい加減に
なってしまいます。完全に理解出来ている問題を繰り返し解く事は、この時期には必要ありません。
また、難しすぎて、先生の説明すらよく分からなかった問題を解くことも無駄です。
もうちょっとだけ努力すると自分のものにする事が出来ると感じる問題に集中することです。
そのためには、授業中の聴き方を自分なりに工夫する必要があります。
それが難しい場合は、お子さんの状況を正確に判断出来る第3者が必要になることもあります。

サピックスの場合は、難しめです。
「いくら御三家志望だからと言っても、この時期にこれは難しすぎだろう」
と思える問題もあります。そのような問題は勇気を持って捨てることです。
授業中に扱われた問題の中から、
「もうちょっとだけ努力すると自分のものにする事が出来ると感じる問題」に注力して欲しいのです。

国語では
当然、国語も宿題が出ます。日能研生もサピックス生もこなしきることができる生徒は少ないものです。
「この量はちょっと無理」と予想が出来る場合は、記述問題だけを真剣にやっておくことをお勧めします。

理科では
知識単元では、「文章の中で重要事項を覚える」ようにしてください。
今後受ける合否判定テストなどでは、これまで以上に文章量が多い問題が増えてきます。
せっかく重要語句を覚えていたのに、問いの趣旨が理解出来ずに答えることが出来ないお子さんが
多いのです。それは、「重要語句だけの断片的な暗記」になっているからです。
計算単元では、それぞれの項目での代表的な問題の解き方を練習してください。
何をどのように書いて行くのかが大切です。
理科の計算問題のほとんどは、「比例と反比例」です。
この関係が一目瞭然に分かるような書き方が一番のポイントです。

社会では
重要語句を覚える事だけではなくて、統計資料を使った問題を丁寧に復習する時間を作ってください。
既にある程度、暗記学習が進んでいるお子さんの場合は、統計資料の問題だけに絞っても
構わないでしょう。
近年の入試問題や各塾のテストでは、統計資料が多岐にわたり難しくなってきました。
それは、公的機関が発表している資料がHPから簡単にダウンロードできるようになったことと
関係があります。
10年前であれば、こんな詳細な資料を問題に利用することは、とても無理だったはずなのです。
この面においては、どの塾もテキストでは対応し切れていません。
にも関わらず、塾の模擬試験では入試並みの、場合によってはそれ以上の資料を基に作問されています。

□子供の気持ちのメンテナンス□
親御様は、
「他の子供はもっとたくさん勉強しているんじゃないか。」
「もっと頑張らせないと差をつけられてしまうんじゃないか」
という気持ちになりがちなのですが、それはよくありません。
子供が、気持ち良く・元気いっぱい勉強できれば、みんなが頑張る夏期講習期間中ですら、
成績を伸ばしていくことが十分可能です。
お子さんが、気持ちよく前向きに勉強できるように、「褒める」・「ねぎらう」声かけをお願いします。
また、「これだけ頑張っていれば、夏休み明けのテストは良いことがありそうね。」というような、
近い未来の小さな成功を予感させる言葉掛けもお願いしておきます。